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早野 龍五教授

写真:早野 龍五教授
早野 龍五教授

東京大学大学院理学系研究科教授
2012.03.02更新
研究分野
エキゾチック原子
研究テーマ
エキゾチック原子分光による物質・反物質対称性及び陽子質量起源の研究
研究内容の概要
反水素原子、π中間子原子などの奇妙な原子(エキゾチック原子)を用い、自然界の基本的対称性を研究している。反陽子原子・反水素原子の生成ならびにレーザー分光を行い、物質・反物質の対称性の精密検証を目指している(特別推進研究)。また、π中間子、K中間子、エータ中間子などと原子核の束縛状態の精密分光により、陽子質量の起源と考えられるクォーク凝縮について定量的な研究を行っている。
プロフィール
学歴:1970年3月 長野県立松本深志高校卒業、1974年3月 東京大学理学部物理学科卒業、1979年3月 東京大学大学院理学系研究科修了 [3] 理学博士(物理学)
職歴:1979年4月 東京大学理学部付属中間子科学実験施設助手、1982年11月 高エネルギー物理学研究所助教授、1985年4月 東京大学理学部客員助教授、1986年4月 東京大学理学部物理助教授、1997年1月 東京大学大学院理学系研究科教授

東日本大震災で一変

東京とジュネーブを往復しながら、電荷がマイナスの陽子や電荷がプラスの電子など「反物質(あべこべの世界)」の研究をしていた実験物理学者としての私の生活は、東日本大震災で一変しました。原発や放射線など、私自身が知りたかった情報を集め、それをTwitterで発信したところ、思いもかけず十数万人の方にフォローされたのです。

Twitterは双方向のメディアですから、フォロワーの方々が何に関心を寄せ、何を不安に感じているかを、リアルタイムで知ることができます。事故当初は、原発の状況と放射能物質の飛散状況への関心が高かったのですが、事故から半年を経過するころから、食品を通じた内部被ばく、特に子供への影響について心配される方が急増しました。

子供が食べている食品は安全なのか?これを調べるには、提供された給食を丸ごとミキサーにかけて、放射性セシウム量を精密に測定するのが良いと考え、私は昨年夏より活動してきました。これとともに、内部被ばく検査のかなめとなるホールボディーカウンタ(WBC)についても、福島県内のお医者さんと協力して、測定の信頼性向上に努めています。

給食丸ごと検査は、横須賀市などの自治体から始まりましたが、福島県内でこそ実施すべきだと考えたので、現在、南相馬市の給食検査を行っています。このことに賛同してくださった方々から、是非寄付をしたいというお申し出をいただきましたので、このたび東京大学基金のご協力を得て、喜んで寄付をお受けすることにしました。

寄付金は福島県内における給食検査などの実施、及びホールボディーカウンタ測定の信頼性向上のために活用させていただきます。ぜひともご支援くださいますようお願いします。

※肩書きはインタビュー当時のものです。

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