9活動報告 ▲『言継卿記』35冊のうち第34冊。 元亀二年(1571)正月〜十二月記。権大納言山科言継(1507〜79)による戦国時代を代表する日記。 室町幕府の動静や社会状況に加え、文芸・音楽・医薬などに関わる 記事も多く、2022年に重要文化財に指定されました。 ▲文化人類資料室には、可動棚に ▲東京大学基金 活動報告会後の 東京大学総合研究博物館が保管する400万点以上の貴重な学術標本資料群「東京大学コレクション」。いただいたご寄付は、標本資料を守るための収蔵庫空調システムの整備や標本収蔵棚の整備のために、活用させていただきました。博物館の表舞台である展示やイベントを下支えしているのは、学術標本コレクションであり、そ史料編纂所は、国宝『島津家文書』をはじめとする、20万点以上の歴史史料を所蔵しています。2022年は、あらたに戦国時代の日記『言継卿記』が指定され、重要文化財は20点になりました。いずれも何百年もの時を超えて伝えられてきた貴重なものです。古文書等の素材である、和紙と総合研究博物館ツアーの様子 2022年7月25日れを維持するための標本収蔵庫です。今回の整備は、貴重な標本資料をカビや害虫被害から守るためにどうしても必要なものでした。ご寄付は、この先も標本収蔵設備の改修や拡充に活用させていただくほか、展示施設の機能改善などにも活用させていただく予定です。墨の組み合わせは、非常に堅牢ではありますが、年月の経過による劣化・損傷を避けることはできず、多くの史料が修理を待っている状態です。ご寄付は、これらの史料を修復・保全し、確実に後世に伝えるために活用させていただいています。修理を完了した史料の画像は、本所のデータベースから公開しています。歴史史料に関わる多様な情報を、詳細かつできるだけわかりやすくお伝えできるよう、人文情報学の研究にもとづいた最新の情報基盤を維持するよう努めています。2022年は検索画面を刷新して、より使いやすくなりましたので、ぜひアクセスしてみてください。史料編纂所データベースはこちら南米の土器や織物などの標本がつまっています。標本収蔵庫設備■整備■活用■■■■■■■■■■東京大学コレクション未来基金国民・人類共通■文化遺産■保全・継承■■■■■東京大学史料編纂所基金
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