―相続に関して税理士の先生に相談したところ、 寄付であれば節税対策にもなると提案されました―東京大学卒の、ひと回り以上年上の 主人と結婚したのは、私が35歳のときでした17寄付者インタビュー私と、主人である長岡日出雄が結婚したのは、彼が49歳、私が35歳のときです。私たちふたりの出会いのきっかけはお見合いです。主人は、東京大学の法学部を卒業して、運輸省(現・国土交通省)に勤務する国家公務員でした。<中略>結婚後に主人は「君がやりたいことを自由にすれば良い」と言ってくれ、会社は辞めずに共働き夫婦となり、私は都合30年間、新卒で入った石油会社にお世話になりました。最終的には52歳で早期退職制度で退職しましたが、私にとって、とても働きやすい職場でした。 一方、主人は運輸省を定年まで勤め上げて退職。そしてリタイヤ後には、「まだ学びたいことがある」と、東京大学の文学部フランス文学研究室(修士)に再入学します。生前、「卒業後の就職を考えなければ、本当は文学▲日出雄様が定年退職後、大学院に戻った際の大学院の同級生と先生との写真部に行きたかったんだよ」と言っていましたから、60歳を過ぎてその思いを実現したんですね。その当時、主人よりかなり年下の同級生となった方々も今では40代です。みなさん、大学の先生になったり、IT企業で働いていたりされていますが、主人が亡くなった今でも私と仲良くしてくださっています。そうやって一所懸命に働き、人生を楽しみ、妻である私にたくさんの大切なものを残してくれた主人ですが、2020年、87歳でこの世を去りました。主人が亡くなってすぐに、相続の問題に向き合う必要が生じました。主人は生前、自分が遺すことになる財産について、「君の生活が一番だが、もし残るようなら、社会に役立ててほしい」と申しておりました。社会に役立てると言っても何をしたら良いのだろうと、相続でお世話になっていた税理士の先生に相談してみたところ、「寄付をするという方法があって、節税対策にもなります」というアドバイスをいただいたのです。とはいえ、どこに、どうやって寄付をすればいいのかすら、分からないわけです。そのときにあるアイデアを教えてくれたのが、私が早期退職後に事務職として働いていた会社の同僚でした。その方自身も東京大学で学んだ方で、ご主人も東京大学の卒業生です。彼女は今から4年ほど前にご主人を寄付者インタビュー主人■生■■証■、未来■残■寄付長岡 美惠子(ながおか・みえこ)様1947年(昭和22年)10月4日生。東京都出身。1968年 大学卒業1969年 エッソ石油入社1982年 長岡 日出雄様と結婚1999年 エッソ石油退社2020年 日出雄様永眠
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