東京大学基金 活動報告書 2022
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▲空梅雨明けの炎の7日間の際の飼育場▲佐渡島で発見されたキングギドラシリス▲地元小学生による水槽室見学2022年7月 柏キャンパス過激な季節変化が2018年度から続いています。このまま柏キャンパスでメダカを飼育し続けてはどんどんメダカの個体数が少なくなって、近い将来に必ず絶滅させてしまうことになると予想しています。そこで、2022年度に2回に分けて(7月12日、9月22日)44系統のメダカを宇都宮大学NBRP(ナショナルバイオリソースプロジェクト)に譲渡・移住させました。宇都宮大学が所在する栃木県宇都宮市は夏の暑さが柏市よりも厳しくないため、メダカの維持管理に適しています。一方で、宇都宮の冬はとても厳しいため、まずは半分のメダカを移住させて宇都宮の冬を超えられるのを確認してから、残りのメダカたちを移住させる計画です。今後のメダカ移住もご寄付を財源に実施します。1985年より本郷キャンパスから柏キャンパスへと脈々と維持してまいりましたメダカたちをNBRPという次の新天地に移住させ継続させることが、ご寄付のおかげで間に合いそうです。2022年度は、慎重に感染症対策を行いながら、可能な限りの研究教育活動を行いました。研究活動については、28編の原著論文と1編の英文総説を出版しました。中でも、佐渡島で新たに発見され新種記載されたキングギドラシリスは、体が多数分岐するという特殊な環形動物で、各種メディアで大きく取り上げられました。さらに、頭足類の吸盤形成、棘皮動物における特殊な体制の発生機構、ワレカラの性的二型、陸生等脚類の呼吸器官の発生のしくみなど、海産動物を中心に数多くの研究成果を上げることができました。教育活動に関しては、2021年度までは大幅に実習等の受け入れが制限されましたが、2022年度は学内外あわせて18件の実習利用を受け入れることができました。外来の研究者の受け入れも54件と多数の受け入れを行うことができました。また2年にわたり中止を余儀なくされてきた公開臨海実習も夏季・冬季ともに実施することができ、全国から応募のあった学生の海洋生物学教育に貢献することが可能となりました。このような活動が滞りなく行えたのもひとえに、本プロジェクトに定常的なご支援をいただけたことに他ならず、心より感謝申し上げます。8自然集団保全■■■■夏■猛暑対策■始■■■■メダカ自然集団の保全事業支援基金海産動物■様々■■■明■■■■、海洋教育■生■■■■■■マリン・フロンティア・サイエンス・プロジェクト

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