東京大学基金 活動報告書 2024
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年度金額年度金額成長成長基盤的経費(運営費交付金など)補助金基盤的経費(運営費交付金など)プ 研 究 会 の 開 催 など多くの実 績を上げています。今 後 も 寄付金を有 効活用し、日 本 の 社 会 経 済 構造に適した資本市場研究を推 進していきます。これからの大学の経営事業縮小人員離散「エンダウメント型」財務経営では、頂いた寄付金を長期的に運用し、その運用益を大学の活動資金として活用します。従 来の単年度主義の補助金型財務 体制とは異なり、元本は維持しながら、継続的に安定した支援を実現できる持続可能な寄付の活用方法です。基盤的な教育研究以外の取組は時限付きの補助金に依存するため、不安定な財務に。事業縮小や不安定な雇用形態による人員離散等に繋がってしまう可能性も…これまで大学の基盤的収入とされていた運営費交付金は、2004年と比べて136億円も削減。補助金を中心とした従来の財務経営では、もはや国立大学は成り立ちません。東京大学は、「エンダウメント型」経営の推進で、長期的・持続的に大学経営を支える新たな道を切り拓いています。…とはいうものの、「『エンダウメント型』ってよく分からない…」という方も多いのでは?ここではエンダウメント型について、菅野暁 最高財務責任者(CFO)がご説明します。「エンダウメント型」経営によって以下のようなことが実現できます!持続可能な財源を確保。優秀な教員や学生を引き寄せる好循環を創出。● 基金の運用益から安定した収入を得ることで、● 安定した財源で長期的な研究継続が可能に。● 研究・教育環境の整備により、東京大学初のエンダウメント型研究組織「東京大学応用資本市場研究センター(UTCMR)」2023年10月に松本大氏(マネックスグループ株 式会 社 代表 執行役会長)の多大なる寄付により、東京大学初のエンダウメント型研究組織として設 立されました。このセンターは日本の社会経済構造を踏まえた資本市場研究を行い、企業の生産性向上やスタートアップ成長支援など、国際競争力強化のための政策提言を目的としています。エンダウメント型により恒久的な組 織が実現することで、長期的な視野に立った研究活動と政策提言が 可能となり、設立以来「上場企業の配当損金算入」などの政策提言レポートの発 表や、ヘルスケア&ライフサイエンス・スタートアッ3〜7年エンダウメントの運用運用益・自己収入エンダウメントのエンダウメントのエンダウメントの自己収入自己収入先行投資3〜7年利益剰余金を積立エンダウメントこれからの大学の経営「エンダウメント」って何ですか?「エンダウメント」は、長期的な『資産運用型』の大学独自基金のこと。大学独自基金の構築による先行投資の充実!「エンダウメント型」財務経営によって何が実現できるの?エンダウメント型でこんなことが実現しています!不安定かつ非正規の雇用形態補助金型エンダウメント型例えば1,000億円の元本を3%の利率で運用すると、5年後約159億円の運用益が生まれることになります。その運用益を元本に追加したり予算に組み込んだりすることで、大学独自基金を構築し、永続的な活用が可能になります。先行投資の充実や長期的かつ持続的な事業推進が可能に。……4補助金型から、“エンダウメント型”の財務経営へ。

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