ファンドレイザーインタビュー

 


研究の魅力をもっと広く知って欲しい

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島袋 夏妃(Natsuki SHIMABUKURO)
部局チーム / アソシエイトディレクター
 

大学ファンドレイザーをめざしたきっかけは?

大学院卒業後、民間企業で1年間勤めたのち現在の職務に至ります。大学は学術・教育研究活動を行う中心的な機関でありますが、自身の院生生活を振り返ってみると、研究を進める傍らで、研究費の獲得が研究活動にとってどれほど重要であるかを強く認識していました。その経験や「アカデミックな場に携わりたい」という気持ちが、大学ファンドレイザーをめざすきっかけとなりました。

現在はどんな業務を担当していますか?

入職後は部局チームに配属され、部局(学部・学科・研究科等)や教員からの基金設置の相談受け入れからファンドレイジングの計画策定、寄付募集開始後のイベント運営サポートなど、幅広い業務に取り組んでいます。寄付を必要としている教員や部局のサポートがメインですので、最先端の研究について間近で深く知る機会が多く、貴重な経験として私自身の人生の財産になっています。
また 東大基金のInstagramチームメンバーでもあり、投稿物の素材となる写真や動画の撮影から編集、キャプションをつけて投稿するまでの一連を担当しています。日々の投稿のなか、いいね機能や動画の再生回数など投稿内容へのリアクションを受け取ると、基金プロジェクトや東大について関心を寄せてくださっているのかなと嬉しく感じます。

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これまでに印象に残った出来事を教えてください。

入職して初めて担当した人文社会科学系の基金プロジェクトでの経験がとても印象に残っています。それまでどのようなファンドレイジング手法が最適かを模索していたようですが、基金プロジェクトの研究内容をより広く認知してもらえるようにウェブページの修正をしたり、既存寄付者へのドナーケアについて教職員を交えて検討したり、他チームのファンドレイザーから寄付訴求に関する助言をもらうなど、ファンドレイジングアクションの地道な見直しに取り組むことで、新規の寄付獲得へつなげることができました。目標金額には届く金額ではありませんでしたが、寄付者の寄付に込められた”研究を応援したい”という想いを受け取った初めての経験で、「ファンドレイザーになってよかった!」と強く感じたことを覚えています。

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これからの夢や目標は?

今後の夢は、基金プロジェクトの魅力(研究内容)をもっと広く伝えられるファンドレイザーになることです。今後ファンドレイジングは、大学の財務基盤の強化のためにさらに注目され期待される分野だと思います。様々な業務を経験する中で、ファンドレイザーとして「伝える力」をより特化させたいと考えるようになりました。研究分野によっては、その研究になじみのない方にはすぐに理解できないことも多く、いわば通訳のように、かみ砕いてわかりやすく内容や魅力を伝えることが必要になります。伝える力を高めて「寄付をしたい」「研究を応援したい」と感じてくださる方をもっと増やせていけたらと思います。

 


寄り添いながら”ファン”の想いを力に

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渡部 賢太(Kenta WATANABE)
個人チーム / アソシエイトディレクター
 

大学ファンドレイザーを目指したきっかけを教えてください

大学を卒業後、新卒で不動産デベロッパーに入社しました。そこで、不動産開発や用地買収といった、”金銭的なリターン”を最大化する仕事に携わる傍ら、”社会的なリターン”を追求する業界に興味を持ち、社会人4年目でNPO法人に転職、ファンドレイザーへとキャリア転換いたしました。自身の営業・業務推進スキルを”お金”だけではなく”社会”の為に役立てることに大きな魅力を感じたことが、ソーシャルセクターやファンドレイザーを目指したきっかけです。大学は研究・教育を通じた社会的インパクトが大きく、誰もが知る東京大学のファンレイジングの可能性に惹かれ入職しました。

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どんな業務を担当していますか?

入職後は個人寄付対応や、同窓会・運動会といった卒業生団体の寄付獲得サポートに携わっており、現在は主に法人寄付営業をメインに活動しています。UTokyo NEXT150という150周年記念募金の獲得に向けて、大手企業や本郷周辺の地域企業を中心に、事業会社とのリレーション構築を担っています。本学が社会にひらかれた大学を目指すにあたって、企業連携はそのきっかけとなる仕事だと感じています。

これまでに印象に残るエピソードは?

これまでの法人寄付チームができなかった、地域企業とのリレーションを構築すべく、チームメンバーと新たなワーキンググループを立上げたことです。東京大学はこれまでの長い歴史の中で、多くの企業(特に本郷周辺の中小企業)と密接な関係を築いてきました。学内の関係部署と連携することで、こうした地域企業の窓口を確認し、新たな訴求先としてリストアップ・営業活動を実施しました。

これからの目標を教えてください

ただ寄付を増やすだけではなく、まずは東京大学を応援したい”東大のファン”を増やす活動を展開していきたいと考えています。「ファンドレイジングは”ファン”レイジングから」とよく言われるのですが、こうしたマインドは東大基金チーム全体にも浸透していて”ファンづくり”に前向きです。私自身も、東大全体のファンを増やすことを意識して、2027年の東大150周年に向けて、様々なアクションを企画、実行していきたいと考えています。

 

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母校への想いを超えたやりがい

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堺 飛鳥(Asuka SAKAI)
個人チーム/シニアディレクター
 

これまでの経験とこの仕事を選んだ動機は?

大学卒業後、民間企業で働いたのち、大学院に戻り修士・博士と進みましたが、博士の途中で妊娠出産と夫の海外転勤が続き、学問の道は中断しました。
海外にいた際、他国のトップ大学に比し、大学での教育・研究環境が不十分であることや若手研究者のキャリア形成の大変さを痛感し、日本に戻ってきた際に、学問の世界に戻るのではなく、研究・教育環境を充実させていくことのお手伝いをしたいと思うようになり、ファンドレイザーという仕事を志しました。とはいえ、職歴的には、10年近いブランクのある身です。最初からファンドレイザーになれたわけではなく、実際は、大学で秘書・事務の仕事を数年経て、母校(東京大学)のファンドレイザーになりました。

これまでの経験やスキルは活きていますか?

民間企業、博士課程、海外駐在帯同、大学事務職と、自分としては、紆余曲折のキャリアでしたが、そのどれもが、現在につながっていると感じます。
大学院生、(部局)事務、といった立場を経験していることで、生活やキャリアに悩む学生、研究資金が足りない研究者、優秀な研究者のリクルーティングや施設の補修・充実などの、大学の様々な資金ニーズを間近で見てきたため、実感をもって資金集めをできています。

職場の様子はいかがですか?

今までいくつもの職場を経験しましたが、今まででいちばんといってよいほど、雰囲気のよい職場だと思います。わからないことがあれば、誰にでも気軽に声をかけられて、教えてもらえます。教えたがりの人が多いので(笑)。
ファンドレイザーそれぞれが、バックグラウンドや得意分野が違いますので、これから入られる方には、ぜひ多くの人に声をかけ、学び、自分なりの立ち位置を見つけてほしいと思います。

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東京大学で働いてみていかがですか?

母校に貢献したいという思いはもちろんあるのですが、日本を代表する大学である東京大学で働くということは、母校ということを超えてやりがいがあります。最先端の研究に触れられることはもちろんのこと、ファンドレイジングという面から見ても、事例の多さや持ち込まれる案件の幅広さからも、他では経験できない様々な経験を積むことができると感じます。
大学のファンドレイジングにおいても、多くの大学が卒業生を中心としたファンドレイジングにとどまっているのに対し、東京大学へのご寄付は、実は、卒業生以外からのご寄付が大変多い状況です。学究面でも、人材輩出という意味でも、日本の未来を担っていってほしいという皆様からの期待に応えていくことは、大変やりがいのある仕事だと感じます。
 

これから目指すものは?

長年国の庇護下にあった東京大学にとって、寄付やファンドレイジングとは、新しい大学の形を模索していくフロンティアを担う部門です。東京大学のファンドレイジングは国立大学法人になって以降始まり、まだ15年しか経っておらず、そのため、いくらでも新しいことにチャレンジできる環境があります。
私は、まだ入職して1年ほどですが、現在、遺贈や株式などの現物寄付、エンダウメントといった新しい寄付スキームを導入することに力を注いでいます。入職後1年でそのようなことに携わることができるのも、ここで働く魅力です。寄付やファンドレイジング自体、日本ではこれからの市場です。今後、社会貢献や寄付をしようと思った際に、東京大学が最初の選択肢に入るような、魅力的な東京大学を作っていきたいですね。
 

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ファンドレイジングという仕事について

寄付というのは、金額だけではなく、そこに付随する心や想いが存在しています。その寄付者様の想いを受け取り、研究や教育において具体的な成果につなげていくことで、よりよい日本を作り出せる、ファンドレイジングとはそのようなやりがいのある仕事だと感じています。一緒に日本の未来を変えていく仲間が増えることを楽しみにしています。

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