ファンドレイザーインタビュー


寄り添いながら”ファン”の想いを力に

渡部さん正面.jpg
渡部 賢太(Kenta WATANABE)
法人ユニット / アソシエイトディレクター
 

大学ファンドレイザーを目指したきっかけを教えてください

大学を卒業後、新卒で不動産デベロッパーに入社しました。そこで、不動産開発や用地買収といった、”金銭的なリターン”を最大化する仕事に携わる傍ら、”社会的なリターン”を追求する業界に興味を持ち、社会人4年目でNPO法人に転職、ファンドレイザーへとキャリア転換いたしました。自身の営業・業務推進スキルを”お金”だけではなく”社会”の為に役立てることに大きな魅力を感じたことが、ソーシャルセクターやファンドレイザーを目指したきっかけです。大学は研究・教育を通じた社会的インパクトが大きく、誰もが知る東京大学のファンレイジングの可能性に惹かれ入職しました。

渡部さん.jpg
 

どんな業務を担当していますか?

入職直後は個人寄付対応や、同窓会・運動会といった卒業生団体の寄付獲得サポートに携わっており、現在は主に法人寄付営業をメインに活動しています。UTokyo NEXT150という150周年記念募金の獲得に向けて、大手企業や本郷周辺の地域企業を中心に、事業会社とのリレーション構築を担っています。本学が社会にひらかれた大学を目指すにあたって、企業連携はそのきっかけとなる仕事だと感じています。

これまでに印象に残るエピソードは?

これまで弱かった地域企業とのリレーションを構築すべく、チームメンバーと新たなワーキンググループを立上げたことです。東京大学はこれまでの長い歴史の中で、多くの企業(特に本郷周辺の中小企業)と密接な関係を築いてきました。学内の関係部署と連携することで、こうした地域企業の窓口を確認し、新たな訴求先としてプロスペクトのリストアップや営業活動を実施しました。

watanabe-gyomu.jpg

 

これからの目標を教えてください

ただ寄付を増やすだけではなく、まずは東京大学を応援したい”東大のファン”を増やす活動を展開していきたいと考えています。「ファンドレイジングは”ファン”レイジングから」とよく言われるのですが、こうしたマインドは東大基金チーム全体にも浸透していて”ファンづくり”に前向きです。私自身も、東大全体のファンを増やすことを意識して、2027年の東大150周年に向けて、様々なアクションを企画、実行していきたいと考えています。

 


母校への想いを超えたやりがい

堺さん.jpg
堺 飛鳥(Asuka SAKAI)
個人ユニット/シニアディレクター
 

これまでの経験とこの仕事を選んだ動機は?

大学卒業後、民間企業で働いたのち、大学院に戻り修士・博士と進みましたが、博士の途中で妊娠出産と夫の海外転勤が続き、学問の道は中断しました。
海外にいた際、他国のトップ大学に比し、大学での教育・研究環境が不十分であることや若手研究者のキャリア形成の大変さを痛感し、日本に戻ってきた際に、学問の世界に戻るのではなく、研究・教育環境を充実させていくことのお手伝いをしたいと思うようになり、ファンドレイザーという仕事を志しました。とはいえ、職歴的には、10年近いブランクのある身です。最初からファンドレイザーになれたわけではなく、実際は、大学で秘書・事務の仕事を数年経て、母校(東京大学)のファンドレイザーになりました。

これまでの経験やスキルは活きていますか?

民間企業、博士課程、海外駐在帯同、大学事務職と、自分としては、紆余曲折のキャリアでしたが、そのどれもが、現在につながっていると感じます。
大学院生、(部局)事務、といった立場を経験していることで、生活やキャリアに悩む学生、研究資金が足りない研究者、優秀な研究者のリクルーティングや施設の補修・充実などの、大学の様々な資金ニーズを間近で見てきたため、実感をもって資金集めをできています。

職場の様子はいかがですか?

今までいくつもの職場を経験しましたが、今まででいちばんといってよいほど、雰囲気のよい職場だと思います。わからないことがあれば、誰にでも気軽に声をかけられて、教えてもらえます。教えたがりの人が多いので(笑)。
ファンドレイザーそれぞれが、バックグラウンドや得意分野が違いますので、これから入られる方には、ぜひ多くの人に声をかけ、学び、自分なりの立ち位置を見つけてほしいと思います。

堺さん.jpg
 

東京大学で働いてみていかがですか?

母校に貢献したいという思いはもちろんあるのですが、日本を代表する大学である東京大学で働くということは、母校ということを超えてやりがいがあります。最先端の研究に触れられることはもちろんのこと、ファンドレイジングという面から見ても、事例の多さや持ち込まれる案件の幅広さからも、他では経験できない様々な経験を積むことができると感じます。
大学のファンドレイジングにおいても、多くの大学が卒業生を中心としたファンドレイジングにとどまっているのに対し、東京大学へのご寄付は、実は、卒業生以外からのご寄付が大変多い状況です。学究面でも、人材輩出という意味でも、日本の未来を担っていってほしいという皆様からの期待に応えていくことは、大変やりがいのある仕事だと感じます。
 

これから目指すものは?

長年国の庇護下にあった東京大学にとって、寄付やファンドレイジングとは、新しい大学の形を模索していくフロンティアを担う部門です。東京大学のファンドレイジングは国立大学法人になって以降始まり、まだ15年しか経っておらず、そのため、いくらでも新しいことにチャレンジできる環境があります。
私は、まだ入職して1年ほどですが、現在、遺贈や株式などの現物寄付、エンダウメントといった新しい寄付スキームを導入することに力を注いでいます。入職後1年でそのようなことに携わることができるのも、ここで働く魅力です。寄付やファンドレイジング自体、日本ではこれからの市場です。今後、社会貢献や寄付をしようと思った際に、東京大学が最初の選択肢に入るような、魅力的な東京大学を作っていきたいですね。
 

堺さん.jpg
 
 

ファンドレイジングという仕事について

寄付というのは、金額だけではなく、そこに付随する心や想いが存在しています。その寄付者様の想いを受け取り、研究や教育において具体的な成果につなげていくことで、よりよい日本を作り出せる、ファンドレイジングとはそのようなやりがいのある仕事だと感じています。一緒に日本の未来を変えていく仲間が増えることを楽しみにしています。

 

採用ページに戻る


自分らしいコンテンツを生みだし続けたい

野田さん
野田 百花(Momoka NODA)
コミュニケーションユニット / アソシエイトディレクター
 

大学ファンドレイザーを目指したきっかけを教えてください

前職では民間企業でデザイナーとして働いていました。そんな中、偶然にも、かつてこの部署で働いていた方と知り合う機会があり、その際にタイミングよくいまのポジションの募集をしていました。その方から、クリエイティブ系の強化が必要という話を伺い、また強い薦めもあって、関心を持ち応募を決めました。 実を言うとファンドレイザーとしての知識はほとんどゼロでのスタートでしたが、周りのサポートのおかげで、今では何とかやってこられています(笑)。

現在はどんな業務を担当していますか?また、やってみてどうでしたか?

個人や法人ユニットを経て、現在はコミュニケーションユニットで制作担当として、クリエイティブ全般を担当しています。各チームから資料やチラシの制作依頼が入るのですが、ターゲットがそれぞれ異なるため、同じ内容であってもアピールすべきポイントが違います。様々なチームで経験を積んでいくうちに、ターゲットに応じてどの部分を強調すれば良いかが自然と見えてくるようになったのは、大きな強みだと感じています。様々な業務を経験しながら、大学のファンドレイジングに対する理解を広げていけたのが良かったと感じています。

これまでに印象に残るエピソードは?

今までに手掛けたクリエイティブ制作は、チラシなどの紙媒体にとどまらず、多岐にわたります。特に印象深いのは、寄付の謝意として制作したポップアップカードです。東京大学の象徴である安田講堂と赤門をモチーフに、2種類のデザインを作成しましたが、そのシンボルをいかに魅力的に、立体的に表現するかに苦労しました。こうした東大ならではの素晴らしいモチーフを活かした制作ができるのも、ここで働くからこそだと感じています。今後も、たくさんの人に喜んでいただけるような、工夫を凝らしたデザインや制作を続けていきたいと思っています。

noda_02.jpg

 

これからの夢や目標はありますか?

クリエイティブに特化したファンドレイザーとして成長していきたいと考えています。「寄付集め」を目的としたクリエイティブ制作に注力し、より多くの方に共感していただけるようなクリエイティブやメッセージを届けたいと思っています。 寄付は単なる資金調達ではなく、社会貢献や未来への投資でもあります。その大切さを視覚的かつ効果的に伝えるために、クリエイティブの力を最大限に活かし、寄付者の皆さんとの信頼関係を築けるような自分らしいコンテンツを作り続けることが私の目標です。

 


子どもと寄付者をつなぐファンドレイザーを目指して

nagasawa_01.jpg
長澤 佳則(Yoshinori NAGASAWA)
個人ユニット / アソシエイトディレクター
 

大学ファンドレイザーを目指したきっかけを教えてください

2023年3月まで私は私立の中高一貫校で教員をし、その後独立して教育コンサルタントの活動をしていました。近年、学校が周年事業や部活動の資金調達、社会貢献活動の一環としてクラウドファンディングに取り組むケースが増えていますが、学内にきちんとした仕組みが整っていないために、思うような成果が上がらないことが多いという話を耳にしていました。

リサーチのため、さまざまな学校基金のサイトを見ていた際に、東京大学の寄付募集の仕組みが非常に戦略的であることに気づきました。ここでしっかりとファンドレイジングの仕組みを学び、将来的には小中高から大学まで、あらゆる教育機関で寄付文化を根付かせていきたい!と考えたことが、私が大学ファンドレイザーを目指したきっかけです。

現在はどんな業務を担当していますか?また、やってみてどうでしたか?

現在、個人ユニットに所属し、寄付者との関係構築に取り組んでいます。すでに寄付をいただいている方には感謝の気持ちを伝え、寄付歴のない卒業生には東京大学の現状や取り組みをお伝えし、寄付への理解を深めてもらうよう面談を行っています。「学生のために奨学金を設立したい」との希望があった場合は、関連する教授や事務職員と連携し、寄付者の意向を踏まえた奨学金制度を構築しています。

日々の面談を通じてお会いする方々は、どなたも素晴らしい方ばかりで、そのお話を通じて私自身も多くのことを学ばせていただいています。また、メディアで活躍されている本学卒業生と直接お話できるのも、嬉しいことの一つです。

これまでに印象に残るエピソードは?

本学のファンドレイザーは、非常に多様なバックグラウンドを持っているのが特徴です。同期を見ても、年齢も職歴もさまざまで、建築の現場監督をしていた方もいます。この多様性が、日々の会話や意見交換を通じて新たな学びを得るきっかけとなっています。
また多様性のあるメンバーが成果を上げるために、柔軟な働き方ができる環境にあります。大学職員といえば堅いイメージがあるかもしれませんが、実際には全くそうではなく、働きやすい職場であることが大きな魅力です。

nagasawa_02.jpg

 

これからの夢や目標はありますか?

東京大学は日本の学校の中で、最もファンドレイジング活動が活発に行われていると思います。まずは本学の仕組みをきちんと理解しながら、寄付実績に貢献をしていきます。そしてしっかりとスキルを身に着け、将来は戦略的ファンドレイジングを小中高といった他の学校にも広めることで、日本全体に寄付文化を根付かせていきたいと考えています。
寄付が、子どもたちと寄付者をつなぐ。そして、寄付で支えられた子どもが大人になり、今度は自分が学校に寄付をする。この「ペイフォワード」の文化を日本に定着させるために、これからも新しい挑戦を続けていきたいと考えています。

 

ページtopに戻る