1873年、工部省工学寮において、近代日本最初の土木工学科として産声をあげて以来、わたくしたち東京大学社会基盤学科・社会基盤学専攻から、数多の素晴らしい先輩技術者たちが国内外に巣立ち、それぞれの時代の基盤をなすインフラストラクチャーの構築に貢献してきました。
当学科専攻にとって、社会の要請にこたえながら未来を創ってゆく技術者をどう育てるか、その教育の形の追求は、いつの時代も最重要テーマであり続けています。現代の技術者教育の現場をあずかるわたくしたちも、従来の講義を工夫しつつ、各種演習・現場実習などの実践型教育プログラムの充実を図るなど、未来が求めるものを探りながら、理想的な技術者教育のありかたを日々模索し追求しています。
近年、学術分野の高度化と学際化、社会的課題の複合化や国際化、学問の社会還元すなわち実践力強化への需要の一層の高まり、高度情報化に伴う各種教育ツールの進歩や教育方法論の多様化など、教育研究環境をとりまく社会の変化は、ますます急速でダイナミックです。未来のインフラストラクチャーは、ますます多様で、かつ先鋭的で革新的なものになっていきます。技術者の資質も、単なる高度専門化を超えて、さらにより深くより広い視野や知識・洞察が求められています。
未来への技術者教育に向けて、これまで以上に、各自の能動的主体的な学びを動機づけるとともに、多様な相互コミュニケーションをいざない、個々人の個性や長所を伸ばすとともにチームとしての多様性や幅広さを醸成する能力を養う教育環境が必要であると、わたくしたちは考えています。そのために、これまで続けてきたカリキュラムや各プログラムの改良だけで実現できることには限界があり、教育研究環境のハード面の再構築が必要であると痛感しています。
具体的には、演習室、セミナー室、図書室など工学部1号館内の公共的な教育研究空間のあり方を総合的かつ発展的に見直し、従来機能の充実に加えて、次世代の技術者教育に必要なコミュニケーションベースの学びの空間へと改修する計画を進めています。従来の講義や演習の進化と充実、教員と学生間の相互コミュニケーションをベースとするワークショップ型の演習や実習、オンラインと対面のハイブリッド型講義やセミナー、オンラインの特性を用いた遠隔型の実習や国際研究交流、外部講師を招いてのセミナーやシンポジウムなど、多様な教育プログラムの実践や研究交流を活性化する環境を実現することが目標です。さらに、民間企業や行政など現場の方々との交流をも促進し、総合的にコミュニケーション能力を鍛える環境を整備することで、実社会の諸課題に真摯に取り組みその能力を社会還元する志と力をもつ技術者を、いっそう輩出していきたいと考えています。
しかし現在の大学をとりまく状況から、自力で確保できる資金のみで上記目標に到達することはきわめて難しい状況にあります。そこで、上記の趣旨にご賛同いただける個人・法人の皆様にご寄附をお願いするため、次世代の技術者育成のための教育研究環境の再構築を理念に掲げ、「東大土木・社会基盤研究教育環境整備基金」を設置することにいたしました。土木はじめ各界でご活躍のみなさま、東大土木同窓生のみなさまにご理解とご支援を賜りたく、ここに心よりお願い申し上げる次第です。次世代の技術者教育の形を、ご協力くださるみなさまとともに創りあげていきたいと願っております。どうかよろしくお願い申し上げます。
・図書室、演習室、セミナー室・講義室(一部)、学生コミュニティスペースの総合的空間再編にともなう整備費や改修費
・講義・演習のためのワークテーブル、椅子等の設備整備費
・教育のオンライン化、デジタル化に必要な設備整備費
パンフレットダウンロードはこちら
2024年02月29日(木)
2024年夏に、いよいよ図書室・演習室・セミナー室の改修工事を実施する予定です。2023年度は、そのための検討と準備を進めてきました。工学部一号館は歴史的な建築物であるため、繊細かつ綿密な改修計画が必要とされ、また昨今の建設工事費の高騰もあって試行錯誤の連続ですが、内藤廣建築設計事務所、株式会社空間構想の力をお借りして、ようやく改修後の姿が少しずつ見えてまいりました。順調にいけば、年度内には改修設計を完了、7月には工事に着手し、図書室は9月頃、演習室・セミナー室は10月頃に、あらたな装いで供用を開始できる見込みです。秋にはご寄付くださったみなさまにご披露するべく、引き続き実現に向けて鋭意努力を続けてまいります。
2023年02月17日(金)
今年度から開始した当基金は、初年度で総額2000万円を突破、延べ149件の御寄附をいただきました。「古市公威文庫」など社会基盤図書室が保管する貴重な史料を用いて、御寄附への返礼品を制作し、皆様のお手元にお届けしています。(※御寄附金額によって返礼品内容は異なります)
今回は、返礼品の一部をご紹介します。
一番の目玉は、横幅100cmの特注タペストリー。永代橋一般図の青焼図面を原寸大で再現しました。社会基盤学科の演習講義・基礎プロジェクトにて、誰もが目にする、あの図面です。
繊細な図面の線も、年季の入った紙の質感も、とてもきれいに印刷して頂きました。部屋に飾るのもよし、本棚などの蔽いに使うもよし、風呂敷代わりにするもよし。シャキっぽさを堪能できるグッズです。
他にも、古市先生の絵ハガキや、隅田川震災復興橋梁の壁紙データなど、土木好きには堪らない返礼品をご用意しています。
御寄附頂いた方は、楽しみにお待ちください。
迫力のサイズ
心を込めて梱包しています
担当者お気に入りの壁紙
<東大土木・社会基盤研究教育環境整備基金>
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後輩の皆さんも学生生活を楽しみながら人生を歩んでいってほしい。
<東大土木・社会基盤研究教育環境整備基金>
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メッセージと同じ。
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