北海道演習林創設125周年記念支援基金

~持続可能な森づくりを未来へ繋ぐ~

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プロジェクト設置責任者

大学院農学生命科学研究科 附属演習林北海道演習林
林長 尾張 敏章

今年度寄付総額
73,000円
今年度寄付件数
3件
現在の継続寄付会員人数
1人

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東京大学へのご寄付には税法上の優遇措置が適用されます。

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林長からのメッセージ
~持続可能な森づくりを未来へ繋ぐ~

 東京大学農学生命科学研究科附属演習林北海道演習林は、北方林業と林学の研究・教育を目的として明治32(1899)年に設立されました。昭和33(1958)年から60年以上にわたり、「林分施業法(りんぶんせぎょうほう)」と呼ばれる森林の特性や天然力を尊重したきめ細かな方法で、他に類例の無い長期的かつ大規模な天然林施業が行われています。演習林内には国の天然記念物に指定されているクマゲラをはじめ希少な動植物が生息し、森林生態系の保全と再生可能な木材資源利用との調和・両立が図られています。

 北海道演習林は令和6(2024)年10月に創設125周年を迎えます。この記念すべき節目の年を祝うとともに、さらなる発展に向けて、「北海道演習林創設125周年記念事業」の実施を企画いたしました。本事業を通じて、これまでの歩みを振り返り、多様な媒体により記録にとどめ、国内外へと発信してまいります。森林の持続的な利用と生物多様性の保全、脱炭素社会の未来構築に向け、率先して貢献していく所存です。皆さまからの力強いご支援をお寄せくださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。         

東京大学大学院農学生命科学研究科
附属演習林北海道演習林
林長  尾張 敏章

 

東京大学演習林とは

 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林は、森林や樹木、林業に関する基礎的・応用的研究を行うとともに、森林を学習する学生たちに教育の場を提供することを目的として設置されました。最初の演習林が千葉県清澄に1894(明治27)年に設置されて以来、今日までに100年以上の歴史を有するに至っています。現在、演習林は全国7ヶ所に設置され、その総面積は東京山手線内面積の5つ分に当たる32,300 haにおよんでいます。

 東京大学演習林では100年以上の長きにわたり、数多くの教職員の手によって森林を良好に維持・管理しながら、人工林や天然林の樹木の成長、森林に暮らす動植物、気象や水文等に関する調査・観測データを蓄積し続け、多くの教育や研究の場面で活用されてきました。また、演習林が保有する豊かな森林は学内外を問わず多くの教育者や研究者によって求められ、教育研究フィールドとして利用され続けています。近年では、社会的な要請により、演習林の長い歴史の中で培った知識・経験を社会教育を通じて広く普及するとともに、自治体や地元地域との連携にも力を入れるなど、多方面で活動しています。

 

林分施業法とは

 森林は環境を維持する公益機能と、木材を生産する経済機能の2つを合わせ持っています。 その機能は、人の取り扱い方次第で内容が変化していきますが、正しい森林管理を行えば、2つの機能とも将来に向かってより発展するはずだと「林分施業法(りんぶんせぎょうほう)」では考えています。 林分とは読んで字のごとしで、いろいろな状態の森林を似たもの同士に分けるということです。 そして、そのタイプごとに最も相応しいと考えられる取り扱いをしていきます。
 北海道演習林がある富良野地方は、北方系の針葉樹と温帯系の広葉樹が混ざり合う北方針広混交林帯に位置しています。 しかし、全ての地域で針葉樹と広葉樹が均等に混ざり合っているわけではなく、注意深く観察すると針葉樹が多いところ広葉樹が多いところと様々な森林があります。 「林分施業法」で、いろいろな状態の森林を分ける時に最も重要となる因子は、次代を担うであろう小中径木(更新木)がきちんと準備されているか否かです。 更新木が十分にある森林は、収穫作業(木材生産)だけを行ないます。 それに対して、更新木が不十分な森林は、更新木を得るための補助的な作業(植栽など)を行なう必要があります。 この更新木の状況による大きなタイプ分けを基本として、さらに優占する樹種や森林の成立過程などに応じて森林を分類していきます。 具体的には、林分ごとにその現況を知るため一定面積内の一本一本の樹木の種類と太さを調査します。図は調査によって作成された施業図面の一部です。 その結果から、林分が改良(健全度、成長、形質)されるように心がけて伐採する木を一本一本決定していきます。
 森林はその姿を常に変化させていきます。 「林分施業法」の基本的な考えは変わりませんが、その運用は森林に合わせて変化します。 森林という様々な要素からなる集合体を人が節度を持って有効利用するには、臨機応変な柔軟性こそが重要だと考えています。 北海道演習林では、これからも時代に即した「林分施業法」の研究と実践を進めて行きます。

 

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林分施業法では、樹木の密度や種類・大きさ、天然更新の良否などでいくつかの森林タイプ(林種)に区分し、伐採や造林(施業)は各林種の林分状況に応じて行います。

※ 林種区分図(51林班)

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一見、手つかずの森のようですが、実は過去60年間に計6回の択伐(抜き伐り)が行われています。10~15年に一度、森林蓄積(森林を構成する樹木の体積)の7~17%に相当する量の樹木が伐採されてきました。
※画像は、林種区分図(51林班)と同じ箇所

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技術職員の手によって行われる林分状況の調査風景
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林分状況の調査に基づき、伐採を行う箇所のイメージ
※赤い色の箇所が伐採する樹木
※イメージ図は、林種区分図(51林班)と同じ箇所

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伐採の作業風景1
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伐採の作業風景2

 

北海道演習林に生息する動植物の一部

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エゾムラサキツツジ
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コケモモ
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エゾモモンガ
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ヒグマ
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エゾシカ
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キタキツネ
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クマゲラ
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エゾライチョウ
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オオワシ

 

プロジェクトの主な取組み

■125周年記念誌の出版
 創設以来125年に及ぶ北海道演習林の変遷を写真とともに振り返ります。北海道演習林を利用して行われた多数の研究実績を目録として取りまとめ、主要な研究成果を要約して紹介します。

■125周年記念写真・動画アーカイブ集の製作
 北海道演習林に保管されている写真・動画を整理・編集し、森林とその管理方法、主要な撹乱イベントとその影響など、125年間の変遷を記録にとどめます。また、現在の森林の様子や森林管理の方法などを幅広く撮影し、未来に伝えるための資料とします。

■英文書籍の出版
「Integrative Forest Management and Silviculture: Harmonizing Conservation and Production」を仮題とする本書では、北海道演習林が1958年から実践してきた自然に根ざした森林管理手法(林分施業法)を主に紹介します。世界の林業が自然に根ざした管理方法に移行しつつある今、60年以上続く林分施業法のもとでの森林管理は国際的にも有用な事例となりえます。

■記念式典・講演会の開催
 2024年10月11~12日(予定)に創設125周年記念式典、講演会、見学会等を開催します。

 

ご寄付の特典

木には二つの物語があります。一つは大地に根を張り、ゆっくりと育ってゆく物語。時に風雪に耐え、キツツキに穴を掘られ、動物や昆虫に種や実を食べられながら、森の中では木の数だけ物語が展開されてゆきます。二つ目は、木と人との物語。森から旅立った樹木の一部は木材製品として人の手に渡り、誰の暮らしに寄り添うのでしょうか?物語の行く先にはきっと木が人の心を豊かにするというシナリオが描かれることでしょう。今回、ご寄付をいただいた方に感謝の気持ちを込めまして、富良野の森で育った木を使用した記念品をご用意しました。

〇3万円以上10万円未満
「しずく型タッチウッドのキーホルダー」
 
北海道演習林産の木材で作られたタッチウッドをキーホルダーにしました。欧米では木には神が宿っているため、木に触れることによって幸運が舞い込んだり、良くないことを避けたりすることができるという迷信があるそうです。
みなさまにお届けするタッチウッドは以下の木から作られる予定です。

・エゾヤマザクラ
富良野市の布部と麓郷を結ぶ道道544号線(通称、麓郷街道)には、エゾヤマザクラの並木があります。1979年から数年かけて、麓郷地区の住民やドラマ「北の国から」の出演者らにより植栽されました。現在では大きく成長した約150本ものエゾヤマザクラは富良野の桜の名所となっています。2022年12月に発生した湿雪の被害により倒れてしまった木の一部を材料として活用することとしました。
・ウダイカンバ
北海道演習林では毎年、旭川で開催される銘木市にウダイカンバを出品しています。木材市場では「マカバ」と呼ばれ、貴重性や観賞価値等が高いことから高値で取引されます。過去には丸太1本が770万円で取引されたこともあるほどです。こうして銘木市に出品される部分以外に端材として残される部分もあり、その一部を材料として活用することとしました。


 

〇10万円以上50万円未満
「サラダボウル」

北海道演習林の森林管理のなかで伐採された木から作られました。
北海道演習林では現在、第5代林長であった高橋延清氏(通称「どろ亀さん」)によって1958年から始められた「林分施業法」による森林管理を行っています。林分施業法は健全な森林を維持することによる持続的な木材生産と,森林の持つ公益的機能を保持するという理念に基づいた森林管理手法です。伐採する量は、森林の成長量を超えないよう配慮しており、過度な伐採はしません。伐採する木は腐朽木や衰退木、若木の成長を妨げている暴れ木などを演習林職員が一本一本慎重に選んでいます。
皆さまのお手元に届くサラダボウルは、こうして管理された森から伐り出された木の一部で作られたものです。何の木で製作された記念品になるかは、お手元に届くまでのお楽しみとなります。

これらの記念品は北海道占冠村にある木工房「しもかぷ工房」さんに製作していただきます。しもかぷ工房さんは、これまでにも演習林産材で職員用のミーティングテーブルや学生の宿泊施設で使われるスツールなどを作っていただいた経緯があることから、今回も製作をお願いすることとなりました。木の個性を存分に活かした味のある製品を作っていただけることでしょう。
記念品が皆さまの生活に寄り添って、新たな物語を紡いでもらえたら幸いです。

 

〇100万円以上
倉本聰氏作「カツラの谷の点描画 ジークレイ(複製)」
タイトル:「演習林 錦秋」 23.10.30

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このたび、北海道富良野市を拠点として幅広くご活躍の脚本家 倉本聰氏より、北海道演習林内にカツラの巨木が生育している通称「カツラの谷」をモチーフにして点描画を作製していただきました。倉本氏と「カツラの谷」のご縁は、倉本氏が富良野市に移った当時、北海道演習林で第5代林長を務めた「どろ亀さん(故・高橋延清教授)」から「カツラの谷」を案内された事がきっかけで、今現在も、とても大切な場所だとおっしゃっています。
なお、今回作製頂いた点描画(ジークレイ(複製))は数に限りがあり、個人様からのご寄付につきましては先着5名までとさせていただきます。

【参考】
「北海道演習林創設125周年記念支援基金」に向けた倉本聰氏から戴いた応援メッセージ
タイトル「演習林とどろ亀さん」(2023年12月5日(火)掲載)
https://utf.u-tokyo.ac.jp/project/pjt166?reportId=pjReportDetail0#project-tab02

東京大学基金 第19回寄付者インタビュー(2019年3月18日(月)掲載)
https://utf.u-tokyo.ac.jp/voice/interview/post-d7d4

どろ亀さん(高橋延清 東大名誉教授) オフィシャルサイト
https://dorogamesan.com/

 

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演習林とどろ亀さん

2023年12月05日(火)


倉本聰

 富良野東大演習林の面積22,717ヘクタール。
 林道の総距離942キロ。

 その森の中からどろ亀さんこと高橋延清先生は、ワンカップ大関片手にヌッと現われた。先生の提唱された林分施業法が評価され、前年先生は退官されて、小さな山小屋を建ててもらい、そこを拠点に連日演習林をさまよっておられた。

 クラさん、こゝに3つの沼があり、そこに三種類のオタマジャクシがいる。暇になったからこゝ二年程、そのオタマジャクシの観察をしてるンだ。といってもオレはオタマジャクシには素人だ。なんにも判らんからとりあえずそいつらに名前をつけた。上の沼にいるのが田中サン。向うの沼の一族が斉藤サン。この先の沼のが吉田サン。そいつらが蛙になるまでを二年間じっくり見学した。そのうちどうしても判らんことが出てきたから、町の図書館へ下りて中学の参考書程度の本で調べた。イヤイヤ疑問が全部解けた。そもそも田中サン、斉藤サン、吉田サンの本名がやっと判った。参考書にいくつか小さな間違いがあるのも発見した。
 どろ亀さんのこの研究態度に、いたく感動した。いやしくも先生は東大名誉教授である。その大先生が書物から入らず、実地から入って二年を費やし、その後初めて参考書に戻っている。この仙人は本物だと思い、僕は先生を心の師と仰いだ。

 先生が最晩年初めて遭遇し、ひどく感動されたというカツラの谷がある。
 その谷が見たくて案内してもらった。
 その谷の霊気に魅了された。
 以後何年もその谷に通っている。
 殆んどカツラだけのシンとした谷である。
 原始の森とはこういうのを云うのだろう。

 先生は生前仰っておられた。今度生れ変るときはオレはトドマツサンに生れ変りたい。僕はカツラに生まれ変りたいと思っている。カツラに生れ変って、あの森厳の中に育ち時折谷の向うのトドマツ林から、風にのってきこえてくるトドマツサンの呟きを聞きたい。  
 どんどん速くなる人の世界の時計から距離をおき、太古から変わらぬ森の時計の、ゆったりした速度にこの身を置きたい。

 どろ亀さんが残した豊かな富良野の森と、森づくりの哲学を未来へと繋いでいってほしい。心から応援しています。

 

JP01特別号ゼロワンエリア 2024年3月 <富良野市>が発行されました

2024年04月17日(水)

JP01特別号ゼロワンエリア 2024年3月 <富良野市>が発行されました。
どの記事もとても面白いですが、演習林関係の記事も載っています。
P28-31 北海道演習林の特集です。
P53-54 倉本聰さんのインタビューの中にどろ亀さん(故・高橋延清名誉教授)のことも書かれています。
P65 「ふらののつみき」に演習林産材が使われていることが書かれています。
デジタル版でも読めるので、どうぞご覧ください。
https://jp01.jp/dbook/30049/


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JR北海道・山部駅が根室本線の富良野駅―新得駅間の廃止に伴い2024年3月31日の運行をもって124年の歴史に終止符が打たれます

2024年03月29日(金)

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JR北海道・山部駅が根室本線の富良野駅新得駅間の廃止に伴い2024331日の運行をもって124年の歴史に終止符が打たれます。

北海道演習林が開設されたのが1899年、山部駅は1年後の1900年に信号停車場として開業(1901年に駅に昇格)され、富良野地域の開拓期からともに歩んできた存在です。

この区間は、かつては十勝地方と札幌方面を結ぶ唯一の大動脈路線で、特急列車や貨物列車が走り、山部駅は急行停車駅としてにぎわいがあったと思います。北海道演習林としては、実習などに来る学生の多くが利用し、職員の通勤や買物など生活交通としても重要な役割を果たしてきました。

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また、山部駅の裏には過去に数社の木材会社が存在し(現在は1社)、北海道演習林から生産された丸太が多く積まれて、木材の供給基地としての関わりもありました。

富良野駅―新得駅間には、北海道演習林と大きく関わりのある布部駅と下金山駅もあります。両駅は、北海道演習林の森林軌道(木材を搬出するための鉄道)の起点となっていたため、昭和初期の丸太の運搬に大きく寄与した駅でもあります。

山部駅の駅前通りをまっすぐ進むと突き当りにあるのが北海道演習林山部事務所。

その位置関係からも、当時はほとんど何もなかった山部に同時期に出来た山部駅と北海道演習林は、歴史を紐解くと実は蜜月な関係にあったとも言えるかもしれません。

そんな蜜月な関係の山部駅が廃止されることは寂しいことですが、ここに山部駅があったこと、山部及び北海道演習林の発展に寄与したことを後世に伝えていくことも北海道演習林の役割かもしれません。

山部駅、ありがとう、お疲れさまでした。

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現地検討会を行いました

2024年03月02日(土)

先週29日の木曜日、現地検討会を行いました。現地検討会では、次年度の施業対象区域を職員全員で踏査しながら、森をどのように取り扱うか検討します。対象区域の図面、資源量(蓄積)や樹種構成といったデータなど、たくさんの情報が入ったタブレット端末を森の中に持ち込んで、検討する際の材料としています。今回のトピックはUAV測量で得られたデータを用いて、机上における林種区分(樹木の密度や種類、大きさ、天然更新の良否などを条件に森林を似た者同士にタイプ分けする)を行った結果が現場とマッチングするかを検証したことです。概ね机上の区分と現地がマッチングしていたことや、想定と違った場所であっても机上で区分したことにより現地確認作業を簡略化できたことなど、大幅な省力化につながったとの報告が担当者からありました。北海道演習林では先進的な空間情報技術の活用が加速しています。

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全学体験ゼミナール「雪の森林に学ぶ」が行われました

2024年02月28日(水)

2024年2月20日から22日の3日間、教養学部の全学体験ゼミナール「雪の森林に学ぶ」が行われました。例年、多数の学生さんに履修希望を出してもらっておりますが、宿舎やバスの収容人数の関係で、選抜せざるを得ないほど人気の高いゼミナールです。今年は、新型コロナ感染拡大前とほぼ同規模の学生26名を迎えることができました。参加学生にとって、本ゼミナールは「科類」を横断した友人関係を構築する良い機会でもあるのです。初日、参加学生は、森林資料館の見学や北海道演習林の概要説明を受けたほか、麓郷の白鳥山のフィールドで、冬季の樹木観察や主要樹種の見分け方を学びました。2日目、参加学生は6グループに分かれ、山部の樹木園の裏山で、雪面に残されたエゾシカの痕跡、樹木相、積雪深などのデータを収集し、午後には、エゾシカの行動パターンについて解析して「研究」発表してもらいました。3日目、参加学生は、西達布川の上流域に設置された東郷ダムで、北海道演習林の生態系サービスの一つである地域の基幹産業への水資源供給について解説を受けた後、再度6グループに分かれ、北海道演習林が長年続けてきた持続的木材生産法である「林分施業法」について解説を受けた後、実際の天然林の中から伐倒して収穫する樹木を「選ぶ」という高度な技術を要する「技術者」になっていただき、フィールドで選定結果について理由とともに発表してもらいました。最後は、北海道演習林の技術職員が、高性能林業機械などを用いて樹木の伐倒、枝払い、玉切り、運材作業をするデモを披露してゼミナールが終了しました。とても充実したゼミナールだったようで、参加学生の中からは「北海道を去りたくない」という声も聞かれるほどでした。学生らが宿泊した麓郷のセミナーハウスは、2022年に「東京大学潮田記念基金」の寄附を受けて大改修されたばかりで(https://x.gd/IDOcR)、快適な滞在環境も楽しんでいただけたのではないかと思います。

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東京大学コミュニケーションセンター(UTCC)における北海道演習林産材を使用した新商品の紹介

2024年02月19日(月)

このたび北海道演習林産のウダイカンバ材でボールペンを製作し、本学キャンパスの東京大学コミュニケーションセンター(UTCC)で販売することとなりました。材料となったウダイカンバは、演習林46 林班D 小班の天然林内に生育していた胸高直径(地上高 1.3mの直径)が約80cm の立派な木でした。この木が2019 年に枯れたため翌2020 年に伐採し、材質の良い部分を選んで2 本の丸太を採材しました。これらの丸太を2021 年1 月に開催された旭川銘木市に出品したところ、総額180 万円程で落札されました。通常、丸太として採れない材質の部分は廃棄されますが、そのなかから良いところを選んでブロック状に切り出し、今回のボールペンの材料としました。ウダイカンバの特徴である赤みを帯びた艶のある木肌を堪能しながら使っていただけたらと思います。

Please   allow   us   to   announce   that   ballpoint   pens   will   soon   be   available   for purchase at the UTokyo Community Center (UTCC). The wooden grip of the pen is crafted from the precious birch (Betula maximowicziana) lumber sourced from the University of Tokyo Hokkaido Forest (UTHF) in Furano, Hokkaido, Japan. The birch tree, with a diameter at breast height of around 80 cm, had long grown in a natural forest (Compartment 46D of UTHF) but unfortunately dead in 2019.
This   prompted   our   decision   to   select   the   birch   for   harvesting   in   2020.   For information, two main logs obtained from the single birch tree were put up for timber   auction   in   Asahikawa   city,   eventually   sold   for   about   1.8   million   yen. Typically, the leftover portion of the log is discarded. However, in our case, we further processed the residual wood to produce small but high-quality lumber blocks for crafting the wooden grips of the pens. We hope that customers will enjoy the glossy, slightly red-colored wood surface of the pen grip, all of which are unique features of the precious birch.

第472回 北海道産銘木市売(2024/1/26)に演習林材を出品しました

2024年02月15日(木)

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「北海道産銘木市売」(主催:旭川林産共同組合)とは50年以上の歴史を持ち、国内最大級の広葉樹材の丸太が出品される北海道旭川で開催される木材市です。販売方法は入札形式で、一番高い金額をつけた方が落札となります。

今年度、北海道演習林からはマカバ(ウダイカンバ)・セン(ハリギリ)・ミズナラ・ホオノキ・キハダ・イチイの6種62本 約97㎥の出品をしました(年1回、1月開催に合わせ出品をしています)。今回伐採された木の一部は、収穫適期を見極めるために2018年から観察を続けていました。その甲斐あって良いタイミングで伐採することができ、高品質な丸太を多数出品できたと思っています。

今回も業者の皆様には高い評価を頂き、多くのご入札をいただきました。本当にありがとうございました。

また、昨年に引き続き丸太の木口(切断面)に詳細情報を見ることが可能なQRコードを一部の丸太に取り付けました。スマートフォン等をかざすと出品材の伐採前の詳細情報や、伐採直後の状態などが見ることができます。一部の業者の方からは、入札の際に有益な情報が得られるとのコメントも頂けました。次年度も、同様の取り組みを続けていこうと思っています。

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2023年活動報告
-創設125周年記念事業の成功に向けて様々な取り組みを行っています-

2024年02月08日(木)

北海道演習林の創設125周年記念事業の成功に向けて、記念誌班、英文書籍班、記念式典班の三班に分かれ、各班で以下の活動を行いました。
 

記念誌班では、創設125周年記念誌の発行を目指して、年度初めの4月に全体会議を実施して、班員を補強した形で「記念誌編集委員会」を発足させました。その後、8月と12月に同委員会を実施し、本格的な記念誌編集作業が進んでいます。記念誌全体として、125年を写真で振り返る構成となっておりますので、膨大な「過去」の写真を整理するとともに、「現在」の写真撮影を地元のプロカメラマンに依頼しています。写真撮影の依頼は9月に開始しましたが、季節ごとに森林作業の種類や山の風景が異なるため、2023年度の写真撮影の依頼は2月に終了します。これらの写真は、記念誌本体に掲載されるほか、写真・動画アーカイブ集に収められる予定です。
 

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▲北海道演習林の技術職員が採材(玉切り)している作業を撮影する地元のプロカメラマン


英文書籍班では、北海道演習林が1958年より実施してきた「林分施業法」を世界に向けて発信することを目的とした英文書籍「Integrative Forest Management and Silviculture: Harmonizing Conservation and Production(仮題)」の出版に向けて、編集活動を行いました。具体的には、北海道演習林に所属する教員が中心となって、出版社の選定、出版社(Springer社)への書籍企画書の提出、出版契約(オープンアクセス)の締結を行い、毎月の「教員会議」では、個別原稿の執筆の進捗管理を行いました。


記念式典班では、東京大学渉外本部の協力をいただきながら、8月に本特定基金プロジェクトを立ち上げることができました。また、同プロジェクトの寄付者への特典品として、北海道演習林で生産された材(エゾヤマザクラ、ウダイカンバ)を用いたキーホルダーやサラダボウルを準備することができました。一方、2024年10月11~12日に開催される記念式典の準備として、会場の手配、来賓の予定確認を行ったほか、東京大学大学院農学生命科学研究科へ式典運営のための応援スタッフの派遣要請を行いました。
 

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▲ご寄付の特典として準備中の「しずく型タッチウッドのキーホルダー」と「サラダボウル」。これらの記念品は、北海道占冠村にある木工房にて、木の個性を存分に活かしつつ、一つ一つ手作りされています。


来年度はいよいよ創設125周年記念式典を迎えることになります。皆さまのご支援を有効活用させていただきながら本事業を進めてまいる所存です。引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。
 

富良野市ぶどう果樹研究所よりワイン樽を提供していただきました

2023年12月27日(水)

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富良野市ぶどう果樹研究所は、昨年設立50周年を迎えました。その記念事業の一環として、富良野産にこだわった赤ワインを醸造することとなり、ワイン樽については北海道演習林産のミズナラを原料として製造することとなりました。2018年に伐採されたミズナラは、製材された後にスペインの樽メーカーによって製造され2021年に8基の樽ができました。その後、ワインを樽入れして樽熟成された記念ワインが2022年10月に開催された記念式典までに完成し市内限定で販売されました。
記念ワインは非常に高い評価を得たとのことで、2種類ある記念ワインのうちの500本限定の高額(販売価格1万円)のワインはすでに完売となったそうです。このたび、富良野市より1基の樽を提供していただき、森林資料館に展示することとなりました。来年4月から始まる一般公開から皆様には御覧いただけます。

北海道新聞に北海道演習林の記事が掲載されました

2023年12月18日(月)

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お伝えするのが遅くなってしまいましたが、2023年11月28~30日の北海道新聞に<樹海のお手伝い 東大北海道演習林のいま>が掲載(3回連載)されました。オンラインで読むことができます。

ただし、会員限定記事のため、会員でない方は写真と本文冒頭しか読めませんが、北海道新聞を購読の方は手続きすれば、全文が読めます。

ぜひご覧ください。
 

上 森林管理、スマート化推進

中 高品質の木材 安定供給

下 市と連携 子の学び場に

 

国有林勉強会に技術職員5名が参加

2023年12月08日(金)

2023年12月7日に上川南部森林管理署で行われた「地上3Dレーザー(OWL)を活用した森林調査勉強会」に技術職員5名で参加しました。午前の部は幾寅国有林内で実際にOWLの測定を体験し、午後は森林管理署事務所にて取得したデータの解析の講義を聴講しました。質問しやすい闊達な勉強会で、地上LiDARに対する知見が深まりました。今後、当演習林においても、地上LiDARの利用が検討されており、今回の勉強会は貴重な機会となりました。

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銘木採材

2023年11月30日(木)

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この秋に北海道演習林の天然林で伐採されて、来年1月の旭川銘木市に出品される候補となっている木材の「採材」現場を見学してきました。作業は「生産販売係」と呼ばれる北海道演習林産材の販売を担当する部署に属する技術職員ほか、他部署の技術職員の応援によって、首尾よく進行します。北海道の木材を熟知しているベテラン技術職員により、演習林から伐り出してきた巨大で重量感のある丸太の断面が一本一本吟味され、市場に出た際の商品価値をできるだけ高めるように採材(玉切り)されていきます。実際の丸太内部には「腐れ」と呼ばれる商品価値を下げる箇所が複雑に入りこんでいるため、それを避けるように採材するのです。それは、一般の方が想像する以上に、高度な知識と経験が必要な作業です。短い文章ではとても伝えきれませんが、丸太内部の腐れ位置を想像して、丸太切断位置を決めた後、チェーンソーで丸太を玉切りして新しい断面が現れる際の、現場の固唾をのむような雰囲気はとても印象的でした(大げさかもしれませんが、合格発表の掲示板で、自分の受験番号を探すイメージです)。3枚目の写真は、採材によって出てくる端材で銘木市では出品されませんが、東京大学のGX材として、今後、北海道演習林の創設125周年記念の木工品、本郷キャンパスのコミュニティーセンターで販売される木工品などで活用されます。

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社会連携活動「神社山自然観察路一般公開」を開催

2023年10月07日(土)

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地元の富良野市との共催の公開行事である「神社山自然観察路一般公開」が行われました。富良野市森林学習サポーターの方々のガイドにより、参加者15名が深まりつつある秋の神社山の自然観察を楽しみました。当日の朝の集合時は少し肌寒く感じられましたが、神社山の緩やかな斜面を散策するにはちょうど良い日和となりました。今秋は紅葉の進み方が遅くまだ緑の濃い神社山ではありましたが、参加者の皆さんは、カツラの甘い匂いをかぎながら、散策路上に出現する様々な樹木やキノコ、カツラやミズナラの大木、野生動物の痕跡、北海道演習林の森林管理についての説明に熱心に耳を傾けていました。本一般公開は毎年実施していますが、来年の実施時期は春(5月下旬)を予定しております。詳細は、北海道演習林のホームページ等でご確認ください。

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苗木の掘り取り

2023年09月26日(火)

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北海道演習林では樹木が少なく、更新(樹木の世代交代)がうまくいっていない森林にトドマツやエゾマツなどの苗木を植栽しています。植栽する苗木は北海道演習林の苗畑で育てています。今シーズンは19,000本の苗木を山に植栽する予定です。昨日、在来針葉樹の苗木5,700本を一日かけて掘り取りました。トラクターで掘り起こした苗木を、手作業で土をふるい、根を整え、仮植していきます。普段やらない作業なので体は筋肉痛になります。

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お名前 日付 金額 コメント
******** 2024年02月12日 100,000円 上富良野で勤務してました。休日に有害駆除で
演習林の存在をしりました。
<北海道演習林創設125周年記念支援基金>
山本 学 2023年12月21日 100,000円 今、東大発スタートアップの起業支援をやっています。21世紀の社会課題はGX(グリーン・トランスフォーメーション)、DX、医療ヘルスケア。東大IPCの投資先にはまだ林学系GXスタートアップが無い。是非東大発森林利用&改善スタートアップを起業しましょう!
<北海道演習林創設125周年記念支援基金>
安田 仁奈 2023年11月17日 10,000円 演習林、頑張ってください
<北海道演習林創設125周年記念支援基金>
******** 2023年10月06日 50,000円 政策的に迷走の歴史を辿ってきた我が国の林業の中にあって、富良野演習林は「林分施業法」により首尾一貫して天然林施業を行ってきました。この、未来に引き継ぐべき美しい森林と施業を守るため、この記念事業が充実したものになりますよう応援します!
<北海道演習林創設125周年記念支援基金>
土屋 禎治 2023年09月29日 10,000円 富良野演習林でのこれまでの天然林施業の取組がしっかり後世に引き継がれ、森林生態系管理の研究が一層発展することを期待しています。
<北海道演習林創設125周年記念支援基金>
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プロジェクト設置責任者

大学院農学生命科学研究科
附属演習林北海道演習林
林長 尾張 敏章

今年度寄付総額
73,000円
今年度寄付件数
3件
現在の継続寄付会員人数
1人

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東京大学へのご寄付には税法上の優遇措置が適用されます。

ご寄付の特典

「東京大学基金」の特典が適用されます。

このプロジェクトの特典

ご寄付頂いた皆様

2024年10月実施予定の記念講演会及び式典(共にオンライン)にご招待させていただきます。

・特典の金額は一括とさせていただきます。
・2024年10月末日までのご寄付に対して、特典のご案内をさせていただきます。

1.【3万円以上10万円未満】

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北海道演習林産の木材で製作した記念品(しずく型タッチウッドのキーホルダー)
製作に使用する木材は、エゾヤマザクラ、ウダイカンバで準備をすすめております。
 

 エゾヤマザクラは、富良野市の布部と麓郷を結ぶ道道544号線(通称、麓郷街道)に、1979年から数年かけて、麓郷地区の住民やドラマ「北の国から」の出演者らにより植栽され、2022年12月に発生した湿雪の被害により倒れてしまった木の一部を材料として活用しています。

 ウダイカンバは、毎年、旭川で開催される銘木市にウダイカンバを出品しています。銘木市に出品される部分以外に端材として残される部分もあり、その一部を材料として活用しています。

2.【10万円以上50万円未満】

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北海道演習林産の木材で製作した記念品(サラダボウル)

 製作に使用する木材は、北海道演習林の森林管理「林分施業法」のなかで伐採された木を使用して準備を進めております。皆さまのお手元に届くサラダボウルは、こうして管理された森から伐り出された木の一部で作られたものです。
 何の木で製作された記念品になるかは、お手元に届くまでのお楽しみとなります。

3.【50万円以上100万円未満】

2の贈呈品のほか、記念誌、写真集

4.【100万円以上】

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倉本聰氏作「カツラの谷の点描画 ジークレイ(複製)」
タイトル:「演習林 錦秋」 23.10.30

このたび、北海道富良野市を拠点として幅広くご活躍の脚本家 倉本聰氏より、北海道演習林内にカツラの巨木が生育している通称「カツラの谷」をモチーフにして点描画を作製していただきました。
なお、今回作製頂いた点描画(ジークレイ(複製))は数に限りがあり、個人様からのご寄付につきましては先着5名までとさせていただきます。

 

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