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東京大学基金第3回総長主催パーティー

写真:東京大学基金第3回総長主催パーティー
「2008年度収支の報告と感謝の集い」開催

6月8日の月曜日、本郷キャンパスの小柴ホールにて、「東京大学基金第3回総長主催パーティー」が開催されました。当日は、「貢献会員」以上の東京大学の学外個人寄付者をご招待し、全国各地から約80名の方々がご来場されました。本年度より新総長となった、濱田純一総長からのご挨拶、2008年度、東京大学基金活動のご報告、「サイエンスカフェ~消えた反物質の謎」と題した、数物連携宇宙研究機構・村山斉機構長のスピーチに引き続き、懇親会まで、あっという間に楽しい時間が過ぎていきました。今回はその模様をリポートします。

濱田純一新総長からのご挨拶

最初のプログラムは、濱田純一新総長からのご挨拶です。

写真:濱田 純一新総長

「“東大130(ワン・サーティー)"キャンペーンの目標額130億円を無事に達成し、昨年度から恒常的な基金活動が始まっております。そして本日、第3回総長主催パーティーが開催できましたのも、ご寄付をいただいた皆様からのご支援があってのことです。厚く御礼申し上げます。5年前、東京大学が国立大学法人化され、小宮山宏前総長が東京大学基金を創立するなど改革を進め、チャレンジングなたくさんの木を植えてきました。本年4月に新総長という大役を拝命し、任期となるこれからの6年間、たくさんの木々をひとつの森と見立て、東京大学全体を良き方向に導いていく。これこそが、私に与えられた使命であると考えております。法人化がもたらした新しい仕組みと可能性の中で、知恵を駆使しながら、本学の底力を最大限に発揮していく所存です。また2020年に、基金規模2,000億円達成という目標を掲げております。その運用益の5%、100億円を戦略基金として、教育、研究、国際的活動に有効活用していくための基盤づくりを急がなければなりません。東京大学は世界の知の頂点を目指し、21世紀を生きる全人類の未来を支える存在となる。そして本学卒業生が、本郷、駒場、柏キャンパスを活動拠点としながら、国内のみならず世界中で活躍できる。そんな卓越した知の拠点となるための活動を、東京大学基金を通じて今後も継続して参ります。皆様には、これからもなお一層のご支援を賜りますよう、あらためてお願い申し上げます。本日は、本当にありがとうございました」

2008年度活動報告

次いで、杉山健一副理事より、2008年度、東京大学基金活動の報告がなされました。

写真:杉山 健一副理事

「昨年3月に終了した“東大130(ワン・サーティー)"キャンペーンでは、目標額を大きく上回る138億円のご寄付をちょうだいいたしました。これもひとえに本日ご来場いただきました皆様方をはじめとする、多くの方々からのご厚情とご支援の賜物と、深く感謝申し上げる次第です。周年寄付を終え、恒常的な基金活動が始まった2008年度は、約55億円のご寄付をいただいております。その使途をご報告いたしますと、約49億円が目的指定のご寄付、約1億5,000万円が渉外本部などの活動経費、残りの約4億円を基金に組み込み、運用していく予定です。ちなみに、2009年3月末時点で、基金開設以来の寄付申込総数は9,058件(内法人479件)、総額で約194億円となっております。現在、新たな目標“TODAI2000~2020年には2,000億円の基金へ"を掲げ活動に邁進しており、奨学金制度・研究助成制度の充実、最先端のキャンパス整備を柱とした魅力ある学究環境の実現を目指しているところです。金額の多寡ではなく、私たちはひとりでも多くの方々からご支援をいただきたいと考えております。皆様には引き続き、よりいっそうのご支援を賜りますよう、お願い申し上げます」

サイエンスカフェ~消えた反物質の謎

そして今回、世界の頭脳を集結させることで、宇宙の謎を解き明かすために創設された数物連携宇宙研究機構(IPMU=Institute for the Physics and Mathematics of the Universe)の村山斉機構長より、「サイエンスカフェ~消えた反物質の謎」と題した40分間のスピーチが行われました。ここでは、その要約をお届けします。

写真:村山 斉機構長

「2007年10月に産声を上げたIPMUは、現在約60人の研究者で構成されています。ちなみに、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリア出身者と、約60%が外国人です。このように世界各地からトップレベルの研究者を集め、数学、物理学、天文学を融合して、宇宙の謎に迫っていく。これが当機構設立の趣旨であります。では、どのようなアプローチをしていくかと言いますと、『宇宙ってどうやってできたんだろう?』『いったい何でできているんだろう?』、子どもが空を見上げてそんな空想をしますよね。基本的にはそれと同じです。そして、そんな疑問は長らく哲学の世界の範疇でありましたが、最近ではこれが科学で明らかにされてきているわけです。今日は、『どうして私たちは宇宙の中に存在しているのだろうか?』。そこを中心としたお話をしていきたいと思います。

何世紀もの間、宇宙は私たちを構成する構成要素、つまり原子で構成されていると信じられてきました。しかし、ここ10年ほどの間に、この考えは科学により完全に覆されました。実は、宇宙に占める原子の割合は全体の5%にも満たないのです。まだ正体が解明されていませんが、暗黒物質が約23%、暗黒エネルギーが73%を占めています。こうして光を発しない正体不明の存在が宇宙を構成していることがわかりましたが、宇宙にあるはずのものがないこともわかった。それが反物質です。反物質はすべての物質が有している存在であり、今では実験室でつくることができます。反物質と物質が出合うと消滅してエネルギーになります。137億年前にビッグバンが起こりました。その際に必ず反物質が存在していたはずなのですが、宇宙の中に見当たらない。ちなみに0.25gの反物質が物質に触れただけで、広島の原爆と同じくらいのエネルギーが発生します。それゆえ、宇宙に反物質がないことは安心なのですが、いったいどこに消えてしまったのでしょう。

写真:村山 斉機構長

物質と反物質は、1対1の鏡のような存在であるはずです。それがビッグバンの際に、微妙に違っていたのではないか。最初は10億個の物質と、10億個の反物質だったものが、何かのきっかけで、10億と1個の物質と、10億-1個の反物質になってしまった。反物質がなぜか物質に変わってしまった。そして双方が衝突して宇宙は生まれましたが、10億個の仲間を犠牲にして、2個の物質が生き残った。そうやって我々が宇宙に存在しているのではないか? そのカギを握っているのは、宇宙から降り注いでいるニュートリノと反ニュートリノではないか? といった仮説を持っていますが、まだまだ問題は山積みです。そんな難問である宇宙の謎を、数学、物理学、天文学の英知を集結させて解明していく。それがIPMUの使命であります。

科学技術立国を目指す我が国は、現在、世界における熾烈な競争にさらされています。IPMUの活動は、新たな科学的、学術的成果を生み出すだけにとどまらず、当該分野に国内外の優秀な理系人材をひきつけ、次世代科学技術研究を担うリーダーの養成に大きく貢献できるでしょう。世界のトップレベルの人材を集め、つなぎとめておくために、海外の大学では基金をうまく活用しています。基金という支援がないと、今や大学での研究の分野においても、世界と伍していくことはできないのです。宇宙の謎を解き明かすことは、人類に与えられた永遠のテーマであります。ひとりでも多くの方々から、東京大学基金ならびにIPMUへのご支援を継続いただけることを切に願っております」

懇親会

写真:懇親会

写真:銘板見学

小柴ホールでのプログラム終了後、ホール前のホワイエにて、懇親会(立食パーティー)が行われました。懐かしい教授との会話に花が咲き、濱田純一総長や村山斉IPMU機構長を囲んでの談笑、卒業生同士の新しい交流など、今年もパーティー会場にはたくさんの出会いと笑顔が生まれたようです。

懇親会終了後、ご希望の方を安田講堂の寄付者銘板にご案内し、ご自分の名前が刻まれたプレートをご覧いただきました。

取材・文:菊池 徳行

※本学関係者所属、肩書きはすべて開催当時のものです。

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