東京大学農学生命科学研究科附属牧場(以下「牧場」)は75年の歴史を礎に、これからの25年を支える『東大牧場ビジョン100』プロジェクトを立ち上げ、教育環境の整備や動物福祉の向上を目指しています。
牧場は、1945年(昭和20年)4月、日本馬事会によって新設され、1949年(昭和24年)に東京大学へ移管されました。それ以来、畜産学の教育研究拠点として、現在、馬や牛、山羊、豚など約120頭の家畜を飼育し、家畜の繁殖や飼育技術に関する研究を進めています。
今年度(2024年度)、牧場は創設75年を迎えます。この75年にわたり、教育・研究、そして地域社会への貢献を続けてこられたのも、多くの方々の支えがあってこそです。これまでに培われた経験と知識は、動物科学や家畜管理の分野における貴重な財産となっています。
牧場では、動物と人が安心して過ごせる学びの場を未来につなぐために、施設の改修や環境改善が急務です。教育や研究に必要なインフラ整備が不足しているため、皆さまのご支援が重要です。
みなさまの温かいご支援は、「東大牧場ビジョン100」の実現を支え、東京大学附属牧場のさらなる発展に大きく貢献します。75年の歴史を振り返り、次の25年を見据えたこの新たな挑戦に、どうかご支援をよろしくお願い申し上げます。
プロジェクト設置責任者
農学生命科学研究科附属牧場
牧場長 桑原 正貴
競走馬育成の取り組みと引退馬の受け入れ
東京大学附属牧場では、長年にわたり競走馬の生産と地域社会への貢献に力を注いできました。その歴史には、「マキノプリテンダー」をはじめとする多くの競走馬の生産や引退馬の受け入れを行っていました。現在、競走馬の生産は行っていませんが、引退馬として、1989年の日本ダービーを制した「ウイナーズサークル」のような優秀な馬たちの受け入れも積極的に行い、馬との深い関わりを持つ牧場としての歴史を重ねています。
地域社会とのつながりと体験学習の機会提供
地域住民に向けた「牧場公開デー」や近隣の小中高校生に向けた職業体験、さらに保育園児・幼稚園児向けの体験学習も継続的に開催しており、牧場が果たす地域社会とのつながりを大切にしています。(コロナ禍により一時中断していましたが、現在一部再開しています。)
社会貢献の取り組み
牧場は、教育・研究にとどまらず、実験動物として確立されたシバヤギや、アニマルセラピーに適したアルゼンチン原産の小型ウマ「クリオージョ」などを各所へ供給するなど、その知見を活かした社会貢献にも積極的に取り組んでいます。
本プロジェクトは、牧場の歴史や成果を後世に伝える記念事業と、次の25年に向けた施設環境の整備を目指す二つの柱で構成されています。
第1期 Reflection75:東大牧場の75年を振り返る(2024年11月1日~2025年2月28日)
75周年を祝うとともに、これまでの歩みを記録し次世代に伝えるため、以下の事業を計画しています:
第2期 Forward25:東大牧場のこれからの25年を創造する(2025年3月1日~2027年8月31日)
次の25年を見据え、牧場の施設整備と環境改善のための取り組みを進めていきます。牧場がこれからも教育・研究に適した場所であり続けるため、以下の環境整備を行います:
75年の歴史を振り返りながら、新たな牧場の姿を描いていきます。快適な環境の中で専門性を磨く学生が育つ場、優れた教員が精密な実験を行う場、そして人類のために貢献してきた優秀な動物を育てる場として、牧場の価値をさらに高め、教育・研究の使命をこれまで以上に果たしていきます。また、収益向上による牧場運営の自立性を確立し、牧場の未来をより持続可能なものにしていきたいと考えています。
みなさまの温かいご支援をお願い申し上げます。
<東大牧場ビジョン100>