現代は、気候変動や生物多様性の損失など、人類社会に地球規模の課題が突きつけられており、待ったなしの対応が求められています。
本学においては、2000年代よりTokyo Sustainable Campus Project(TSCP)を推進し、照明のLED化、空調の更新など様々な省エネ対応を継続しており、さらに再生エネルギーとして太陽光パネルの導入計画も具体化していますが、2050年のネット・ゼロ目標を達成するためには、建物のZEB化やDXの活用など、さらなる抜本的な対応が必要です。
また、グリーントランスフォーメーションやサステイナビリティの分野における本学ならびに日本のプレゼンスを向上するため、教育カリキュラムだけでは得られない人材の育成や本学の活動を広く世の中に発信する機能をさらに強化することも不可欠です。
しかしながら、減少を続ける国立大学予算の中で、教育・研究以外の事業に使用できる予算は極めて限られており、大きな予算上の制約があるのが現状です。地球温暖化や生物多様性損失などの、地球規模の環境問題に対し、東京大学がプレゼンスを以て社会貢献するために、皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
東京大学理事・副学長
大久保 達也
UTokyo Green Transformation (GX)は、東京大学の行動指針であるUTokyo Compassの最重要課題の一つであり、カーボンニュートラル、ネイチャーポジティブ、サーキュラーエコノミーの3つの柱で取り組みを進めています。GXの取り組みにおいては、総合大学としての東京大学の強みである、理系・文系を問わない様々な先端知を総合知として結集し、グリーンでサステイナブルな社会の構築に貢献することを目指しています。
(1)世界と日本のGXを先導する
日本は世界でも最高水準のGXに関連する先端技術を有しており、本学にも様々な分野で最先端の研究者が多数在籍しています。また、総合大学として、社会科学や政策科学の研究者を加えた総合知の創出も可能です。このような総合知により生み出された社会変革のための提案を社会に行うことにより、世界や日本のグリーントランスフォーメーションをリードします。
(2) キャンパスをリビングラボラトリーとして実用的な成果を社会に還元する
本学には、教職員、学生など約4万人の構成員がおり、キャンパスは、教室、事務室、実験室だけでなく、食堂や病院までを擁する一つの街になっております。現在、2050年の地球温暖化ガス排出量実質ゼロを目指したUTokyo Climate Actionを遂行していますが、キャンパスをリビングラボラトリーとして様々な温暖化ガス排出低減策を実施することにより、そこで得たノウハウを社会に還元することができます。
また、東京大学は日本の森林の1/1000を演習林として保有しており、これを活用したCO2の除去や除去量の評価技術の確立にも取り組んでいき、森林大国である日本の森林資源を最大限に活用する手法を社会に還元します。
UTokyo CLIMATE ACTION
(クリックするとPDFが開きます)
(3) 世界をリードする人材の育成
地球規模の環境問題への対応やサステイナブルな社会課題は比較的新しい問題であり、文・理を問わずこの分野に関連する人材の育成は急務です。教育課程においてこれらの分野の学びを充実させることはもちろんですが、学生に課外活動や海外経験など、学内だけでは得られない経験をしていただくことにより、知識から実践まで幅広くサステイナビリティ推進の経験を積んだ人材を、企業や社会に送り出します。
2023年には、GX学生ネットワークが発足し、様々なイベントを計画したり、外部の環境関連イベントに積極的に参加したりしています。これらの意志をもった学生に、国内外の大学連合との交流の場を提供したり、気候変動枠組み条約・生物多様性条約の締約国会議(COP)サイドイベントをはじめとする国際会議へ派遣するなど、教育カリキュラムだけでは得られない人材育成を推進したいと考えています。
皆様からいただいたご寄付は、以下の目的のために活用します。
※上記の目的が達成された場合、寄付の残高は設置責任者の判断において適切な研究・活動・プロジェクト等に移管されます。
2024年02月02日(金)
2023年12月6日~8日の3日間、東京ビッグサイトにて開催された「エコプロ2023」(https://messe.nikkei.co.jp/ep/)に、東京大学のグリーントランスフォーメーション(GX)を推進する学生組織「東京大学GX学生ネットワーク」(https://www.utokyo-gxsn.org/)の学生が参加し、大学・教育機関コーナーの出展ブースにて、同ネットワークの活動を紹介するポスター展示や来場者への説明を行いました。いただいたご寄付は、GX人材育成の一環である学生の課外活動への支援として、この出展費用等に活用させていただきました。
当日の会場では、おかげさまで他大学や東京都をはじめとした多様な自治体の方に特に興味を持っていただきました。なかでもNature Positive Universityの生き物調査イベント「Bioblitz」の紹介は、アイデアを求めてブースに立ち寄っていただいた方に生物多様性への取り組みのきっかけとして大変好評でした。
本基金は設置されてからまだ日が浅く本格的な活用はまだこれからという段階ですが、このような学生への支援をはじめ、東京大学の様々なGXの取り組みに活用させていただく所存ですので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。
長期停電対策はソーラー発電
<UTokyo GX基金>
<UTokyo GX基金>
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