プロジェクト設置責任者からのメッセージ
このたび東京大学農学部では、農学の更なる発展を目指し、「東大農学150⁺未来プロジェクト」基金を設置することにいたしました。未来の農学を支えるためには、皆様のご支援が不可欠です。本基金を通じて、農学関連領域の発展を世界規模で牽引し、持続可能で環境調和型の科学技術の更なる発展のための基盤づくりと、幅広い視野と高い倫理、粘り強い実践力を備えた学生を育てる研究教育環境をさらに強化することを目的としています。
皆様よりご支援を賜り、共に未来の農学の道を切り拓いていきたく、何卒ご支援をよろしくお願い申し上げます。
プロジェクト設置責任者
農学生命科学研究科
研究科長
中嶋 康博
東大の農学とは
日本では150年前に、駒場農学校の前身となる農事修学場が現在の新宿御苑の地に設置され、まさにイギリス農学をモデルに農学・獣医学・農藝化学の教育をスタートさせました。さらに森や清流、そして海が育む自然資源を有するわが国では、その特性を背景に林業や水産業に係る研究を発展させ、それらも農学の中核を担うようになりました。
東京大学における農学は、豊かな食を実現するために育種や栽培法の改良など食料生産を向上させる最先端の技術、食品の加工・流通の革新的な技術の開発を進める自然科学の研究、そして生産・消費システムをめぐる人文社会科学の研究を融合させて、私たちの生命、生活、そして社会を支える総合学問を発展させるなどの教育研究活動を行っています。
農学が抱える課題と挑むべきミッション
近年、私たちの農学には、これまでの枠組みの延長では解決できない重要なミッションが新たに課せられています。100億超に人口がなる中で誰もが健康な食を得られる社会をつくるには、20世紀までの経験に基づいた食料問題への対応では不十分です。地球規模の環境問題の解決をあわせて行う新たな緑の革命が必要です。私たちはすでにいち早くゼロカーボン、One Health、 Nature Positiveに係わる教育研究に取り組んできました。農学ならではの生命科学と情報科学を発展させて、農学教育研究のGX(グリーントランスフォーメーション:脱炭素社会に向けて再生可能なクリーンエネルギーに転換していく取り組みのこと)、DX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を活用して、ビジネスや企業の変化を通じて、社会全体を変革すること)を更に進めていくために必要と考えています。
これからの農学「東大農学150⁺未来プロジェクト」
~ご寄付で実現したいこと~
「東大農学150⁺未来プロジェクト」は東京大学農学部全体を支えるための基金です。個別の目的に特化した基金も従来から存在していますが、本プロジェクトはそれらの目的を包括し、農学部全体の発展を支えるためのものです。
農学部では、創立150 年の節目を迎える2024 年(令和6 年)にあたり、教育・研究の益々の発展を目指し、創立150 周年記念事業として本プロジェクトを進めて参ります。具体的な内容は以下に詳細を記載しております。それらのすべてが本学部の未来を明るく照らすための事業であることは言うまでもありませんが、本学部が農学関連領域の発展を世界規模で牽引し、世界の公共性に奉仕する力の源になることを確信しております。
本プロジェクトでは、みなさまからいただいたご寄付により、以下の取り組みを行いたいと考えています。
(1) 研究科全体の研究および教育の発展のために
- 農学知のオープン化
農学資料館の新築、教員カタログの充実、産学オープンスペースの設置、産学官公開シンポジウムの充実などを目的とします。
- 美しく快適なキャンパスライフ
リフレッシュルームの設置、衛生環境の改善(化粧室・トイレを含む)、省エネ対策(スマートメーターの導入等)を目的とします。
- 農学から社会を俯瞰できる人材育成
海外インターンシップ制度の充実、地域連携に貢献できる人材の育成、研究室から飛び出し社会と対話できる人材の育成など)を目的とします。
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(2) 新たな国際研究拠点の設置を目指して
- サステナブル・マテリアル国際教育研究棟(農学5号館)
カーボンニュートラルなどへの教育研究分野へのさらなる展開・高度化を目指したグローバルな研究・教育拠点の形成を目的とします。
- 農学ライフサイエンス研究教育棟(農学2号館)
世界に向けた食・環境・生命・情報などの農学ライフサイエンスの発信源となり、国際的な学生・若手研究者を養成し、新たに産学協創スペースを設置し、機能的かつスタイリッシュな先端的研究・教育拠点の形成を目的とします。
- 総合農学イノベーション教育研究棟(農学3号館)
「生きものの力で社会を変える」ための農学知のオープン化を実践展開する国際的な研究・教育拠点の形成を目的とします。
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(3)附属施設の利活用による社会貢献
- 持続可能な森づくりを未来に繋ぐ
北海道演習林の創設125周年を祝うとともに、森林の持続的利用、生物多様性保全、脱炭素社会の未来構築に向けた更なる教育研究を行うことを目的とします。
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- 海洋生物研究教育拠点形成
「海洋生物」をキーワードとした国際的かつ卓越した教育・研究の拠点を形成し、持続的養殖生産・海洋生態系の理解・海洋生物資源管理の観点での中核的役割を担うことを目的としています。
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関連プロジェクトのご紹介
東京大学農学部は、「東大農学150⁺未来プロジェクト」における附属施設の利活用による社会貢献の一環として、以下の寄付も募集しています。
- 東京大学動物医療センター未来基金(東大VMC基金)
弥生キャンパスにある動物医療センターは、世界一の動物病院を目指しています。1880年に日本初の獣医教育病院として設立され、動物診療と動物医療科学の先端的な教育・研究拠点の構築を目指し、卓越した人材の育成を図っています。また、産業界・地域・海外組織との連携を通じ、最先端の動物医療に対応することを目指しています。
世界一の動物病院とは、動物とそのご家族に優しい環境を提供し、高度な治療、教育、研究を行う場所です。また、忠犬ハチ公の死因究明などの成果を通じ、知見を後世に伝えています。
そのためには、診療施設のバリアフリー化や最新医療機器の導入、獣医師の教育強化などが必要です。これを実現するために、皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。
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■東京大学 動物医療センター未来基金(東大VMC基金)
- 牧場ビジョン100 ~Reflection75&Forward25~
東京大学農学生命科学研究科附属牧場(以下「牧場」)は、1945年に創設され、1949年に東京大学へ移管されました。以来、畜産学の教育研究拠点として、馬や牛、山羊、豚などを飼育し、家畜の繁殖や飼育技術の向上に努めています。また、地域社会との連携を大切にし、職業体験や体験学習の機会も提供しています。
今年で創設75周年を迎えた牧場ですが、次の25年に向け、教育・研究環境のさらなる充実が必要です。学生が安心して学べる場、動物が快適に過ごせる環境を整えるための施設整備が求められています。牧場の発展と新たな挑戦を支えるため、皆さまのご支援が不可欠です。
「東大牧場ビジョン100 ~Reflection75&Forward25~」プロジェクトを通じ、牧場は快適な学習・研究環境を提供し、教育・研究の発展に貢献する場を目指します。さらに、収益向上による運営の持続可能性を確立し、次世代へと続く牧場の未来を築いていきます。皆さまの温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。
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■牧場ビジョン100 ~Reflection75&Forward25~
その他関連リンク
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<東大農学150+未来プロジェクト>
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