スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発

このプロジェクトは寄付募集を終了しました。

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プロジェクト設置責任者

医学部附属病院 外来化学療法部
石神浩徳

今年度寄付総額
0円
今年度寄付件数
0件
現在の継続寄付会員人数
0人
累計寄付総額
49,421,304円

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寄付金額は任意でもお選びできます。Webからのお申込みは1,000円より受付いたします。

東京大学へのご寄付には税法上の優遇措置が適用されます。

【重要なお知らせ】

本基金は2023年9月30日をもちまして寄付募集を終了しました。
皆様のご支援のおかげで期待する成果が得られましたので、今後は「スキルス胃癌」「膵癌」「大腸癌」それぞれに特化した次のステップに進むため、個別にご寄付をお受けすることといたしました。
各基金の詳細は下記のリンクからご覧いただけます。

引き続きご支援をお願い申し上げます。

 

ご支援のお願い

東京大学医学部附属病院と全国の協力医療機関では、スキルス胃癌、膵癌、大腸癌の克服を目指して、腹腔内化学療法の研究開発を行っています。抗癌剤パクリタキセルは、胃癌をはじめとして多くの癌に効果があり、静脈内注射用として広く使用されています。パクリタキセルの腹腔内投与は、卵巣癌や胃癌の腹膜への転移に効果があることが示されているため、腹膜に転移しやすいスキルス胃癌や腹膜転移を伴う膵癌、大腸癌に対しても効果が期待できる治療法です。

パクリタキセルは発売から約23年が経過した現在、多くの病院で後発品が使用され、薬の価格は下がっています。そのため、製薬会社の開発の対象から外れており、腹腔内投与の治療効果を証明するためには、医師が主導して臨床研究を行うことが必要です。しかし、臨床研究に必要な多額の費用を薬の製造販売業者から得ることは難しく、企業との協力体制が採択基準となっている公的研究費の獲得も難しい状況です。

将来的に全国の医療機関でパクリタキセル腹腔内投与を保険診療として実施できるようにするためには、臨床研究を国が定めた厳しい基準に従って実施し、有効性を証明する必要があります。臨床研究は東京大学医学部附属病院の研究費を用いて実施しますが、より質の高い研究をより迅速に実施するためには、更に研究費が必要です。

現状では治すことが難しいスキルス胃癌、膵癌、大腸癌の患者さんにより良い治療を提供できるようにするため、皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

先生方 御名前 横400.png

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前列左:瀬戸 泰之 前列中央:石神 浩徳 前列右:石原 聡一郎
中段左:山下 裕玄 中段右:中井 陽介

後段左:高原 楠昊 後段右:室野 浩司


みなさまのご支援をお待ちしております。
 

プロジェクト概要

難治性がんであるスキルス胃癌、膵癌、大腸癌においては、抗癌剤治療(化学療法)が極めて重要な役割を担っていますが、現在の標準的な治療では腹膜への転移(腹膜播種)に対する効果は十分ではありません。
これまでに東京大学医学部附属病院と全国の協力医療機関では、腹膜播種を伴う胃癌、膵癌、大腸癌を対象として、抗癌剤を直接腹部に注入する腹腔内化学療法の臨床研究を主に先進医療制度下に実施し、良好な成績を報告してきました。現在、より有効な治療法を開発するため、以下の臨床研究を実施または計画しています。

スキルス胃癌
胃癌には様々な形のものがありますが、はっきりとした潰瘍やその周りの盛り上がりがなく、胃の壁が硬く、厚くなるタイプの進行胃癌を4型胃癌(スキルス胃癌)といいます。他のタイプの胃癌と比較して、若い方や女性に多く、腹膜播種を起こしやすいという特徴があります。転移がない段階で発見されて手術で切除できた場合でも、腹膜に再発する危険が高いことが知られています。

第Ⅲ相医師主導治験
腹膜播種がないスキルス胃癌の患者さんを対象として、胃切除に加えて手術後または手術前後に標準的な化学療法を行う方法と標準的な化学療法に腹腔内化学療法を併用する方法を比較します。 3年間で全国の40施設より300名の患者さんに参加いただき、その3年後に再発率を比較して腹腔内化学療法の予防効果を評価します。
腹腔内化学療法の効果を証明できた場合は、全国の病院で保険診療として実施できるようにするために薬事承認申請を行います。
「胃癌・腹膜播種に対する腹腔内化学療法 スキルス胃癌の治験」


膵癌
早期の診断が難しく、発見された時点で肝臓や腹膜などへの転移を伴うことが多いため、手術で治せる患者さんは限られています。近年の化学療法の進歩にもかかわらず、特に腹膜播種のある患者さんでは治療成績が向上していません。

第Ⅰ/Ⅱ相試験(先進医療)
腹膜播種を伴う膵癌の患者さんを対象として、標準的な化学療法と腹腔内化学療法を併用する新しい治療法の臨床研究を実施しています。現在までに12名の患者さんに治療を行い、適正な薬の量を決定しました。今後2年間で32名の患者さんに参加していただき、その効果と副作用を評価します。良好な結果が得られた場合は治療効果を証明するための医師主導治験を実施する予定です。
腹膜播種を伴う膵癌患者さんに対する腹腔内化学療法の臨床研究~ゲムシタビン/ナブ-パクリタキセル+パクリタキセル腹腔内投与併用療法~[PDF]


大腸癌
がんの中で最も頻度が高く、近年増加傾向にあります。女性ではがんによる死因の第1位となっています。腹膜への転移は診断が難しく、手術で取り切れないほど進行して発見されることが多くなっています。

第Ⅱ相医師主導治験
大腸癌の腹膜播種を有する患者さんを対象として、標準的な化学療法と腹腔内化学療法を併用する治療法の治験を実施します。既に第一段階の臨床試験を行い、安全性を確認しました。今回、第二段階の臨床試験として、2年間で40名の患者さんにご参加いただき、その効果と副作用を評価します。

 

腹腔内化学療法について

イメージ図

胃、腸、膵臓などの臓器とお腹の壁の内側は腹膜という膜で覆われています。腹膜で覆われた空間のことを腹腔(ふくくう)といいます。
臓器にできた癌が進行すると、癌の表面から癌細胞が腹腔内にこぼれ落ち、腹膜にくっついて大きくなる腹膜播種(ふくまくはしゅ)を起こすことがあります。

一般的な全身化学療法では、ごく少量の抗癌剤しか腹膜播種に届かず、十分な効果は得られません。

腹腔内化学療法とは、腹膜播種が散らばっている腹腔の中に抗癌剤を直接注入する治療法です。お腹の皮膚の下に埋め込んだ腹腔ポートから生理食塩水に溶かしたパクリタキセルを注入します。

全身化学療法と比べて極めて多い量の抗癌剤を直接腹膜播種に届けることができ、より効果的です。また、副作用が少ないという利点もあります。腹膜播種がみられなくなって手術ができ、長い間生きている患者さんもいらっしゃいます。

協力医療機関一覧

     

国家公務員共済組合連合会 斗南病院
札幌医科大学附属病院
山形大学医学部附属病院
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自治医科大学附属病院
筑波大学附属病院 帝京大学医学部附属病院
順天堂大学医学部附属順天堂医院
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東邦大学医療センター 大森病院
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国立国際医療研究センター病院
東京都立多摩総合医療センター
関東労災病院
名古屋大学医学部附属病院
愛知県がんセンター病院
小牧市民病院
新潟県立がんセンター新潟病院
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金沢大学附属病院
金沢大学附属病院
福井大学医学部附属病院
京都医療センター
 
市立長浜病院
大阪国際がんセンター
大阪警察病院
大阪急性期総合医療センター
近畿大学医学部附属病院
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市立豊中病院
兵庫医科大学病院
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関西労災病院
兵庫県立西宮病院
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近畿大学奈良病院
 
鳥取大学医学部附属病院
広島市立広島市民病院
広島市立安佐市民病院
九州がんセンター
九州医療センター
長崎大学病院
鹿児島大学病院
慈愛会 今村総合病院

2021年活動報告
-臨床研究が順調に進んでいます-

2022年03月04日(金)

本プロジェクトでは、難治性がんであるスキルス胃癌、膵癌、大腸癌を対象として、腹腔内化学療法の開発を行っています。2021年の活動についてご報告します。

①スキルス胃癌
2020年8月より腹腔内化学療法の腹膜播種予防効果を評価するための医師主導治験を実施しています。東京大学医学部附属病院が中心となって全国の40施設に参加いただき、2022年1月までに28名の患者さんにご参加いただいています。新型コロナ感染症の影響等により参加施設で患者数が減っていることや治験の参加手続きに時間がかかったこともあり、当初の計画より遅れていますが、これからも患者さんを集める努力を続け、本治験を完遂したいと考えています。

②膵癌
ゲムシタビン/ナブ-パクリタキセル+パクリタキセル腹腔内投与併用療法の第Ⅱ相試験は、4つの分担医療機関の協力を得て、2021年8月までに目標35症例のうち23例まで登録が進みました。9月以降、製薬企業側の事情によりナブ-パクリタキセルの供給が停止し、一時登録の休止を余儀なくされましたが、本試験にご参加いただいた患者さんの治療は継続できています。近日中に登録を再開し、来年度中に目標症例数の登録を完了する見込みです。

③大腸癌
腹膜播種を伴う大腸癌に対する全身化学療法+パクリタキセル腹腔内投与併用療法の第Ⅱ相臨床試験の準備を進めています。2022年3月頃に医薬品医療機器総合機構に治験届を提出し、7月頃より症例登録を開始する予定です。以前実施した第Ⅰ相試験では6名のみの検討でしたが、副作用は全身化学療法のみの場合と同等であり、治療効果もかなり期待できる結果でした。今回の第Ⅱ相試験では38名を対象として治療効果を評価します。


-腹腔内化学療法について学会発表や論文発表を行いました-
本年も昨年に続き、国内外の学会で本治験および腹腔内化学療法について発表しました。10月にローマで開催された国際腹膜胸膜学会では腹腔内化学療法についての基調講演と手術についてのビデオレクチャーを行いました。オンラインでの参加でしたが、ヨーロッパの先生方に興味を持ってもらえた様子でした。また、国際医学雑誌Journal of Clinical Medicineより論文投稿依頼があり、特集号「胃癌腹膜播種治療の進歩」に本治験に関する論文が掲載されました。

国際腹膜胸膜学会 現地会場(ローマ)
国際腹膜胸膜学会 現地会場(ローマ)
 
国際腹膜胸膜学会 Web画面
国際腹膜胸膜学会 Web画面


お礼の言葉
本治験は、既に承認されている抗がん剤パクリタキセルの投与法の追加(腹腔内投与)の承認を目的としていますが、製薬企業が新薬の承認のために実施する治験と同じ省令に従って実施することが求められています。そのため、膨大な業務を多くの専門職の方々の力を借りて実施する必要があり、非常に多くの費用がかかります。本治験では、参加施設に必要経費の一部を自ら負担していただくことにより、企業治験の数十分の一の費用に抑えています。現在のところ、当初の目標額を超える寄付をいただいておりますので、参加施設の負担を軽減することができ、治験の成功につながるものと思います。

本プロジェクトにあたたかいご寄付や応援のお言葉をいただき、誠にありがとうございます。賜りましたご寄付は、治験や臨床研究にかかる経費に大切に活用させていただいております。今後ともご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします。
 

小泉 久美子

2023年08月11日

100,000円

一刻も早く治験でなく大腸がん治療として腹腔内化学療法を受けられますよう強く希望致します。石原先生を応援致します。生きる力をいただくプロジェクトの実現が私に間に合います様宜しくお願い致します。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

杉浦 毅

2023年08月03日

1,000,000円

このプロジェクトが良い成果を上げられることを希望します。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

斉之平 伸一

2023年07月26日

30,000円

難治性ガンの克服を応援しています。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

中野 桃子

2023年04月30日

30,000円

少しでも研究の役に立ちますように。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

********

2023年03月26日

2,000円

腹腔内化学療法の有用性が広く認められ、保険適用が1日でも早く実現するよう、祈念しております。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

安東 義隆

2022年12月31日

55,000円

臨床研究には多大な費用が掛かるため企業が取り組めないような領域も多いと思います。医療現場からの着眼点で、他の研究機関とのネットワークにより、新たな取り組みを期待しています。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

安東 義隆

2022年12月31日

55,000円

臨床研究には多大な費用が掛かるため企業が取り組めないような領域も多いと思います。医療現場からの着眼点で、他の研究機関とのネットワークにより、新たな取り組みを期待しています。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

長谷部 哲

2022年12月26日

100,000円

この研究が継続して行われ、治療の有効性が証明されることを願っています。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

********

2022年12月12日

50,000円

先生方の研究の成果で、一人でも多くの方が癌を克服できるようになるよう、微力ながら寄付というかたちで応援させていただきます。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

松山 弘二

2022年07月12日

100,000円

昨年亡くなった妻が6年前から、関東労災病院の秀村先生に治療して頂いたのですが、患者のQOLを大切に考えて下さり、充実した5年間を過ごせたことに感謝しております。これからも頑張ってください。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

中野 桃子

2022年06月30日

20,000円

研究が進みより良い治療を受けられる人が1人でも増えますように。よろしくお願いします。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

小林 広和

2022年06月21日

50,000円

少額ですが役立てていただけると助かります。プロジェクト応援しております。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

渡邊 塁

2022年02月28日

10,000円

10年以上前に私の母、そして同年代の友人がこの治療を受けて、一定の効果を得ることが出来ました。より一層の効果をあげられるよう、頑張ってください。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

********

2022年01月31日

6,000円

みなさまが未来を変えてくださると信じています。応援しています。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

松尾 篤

2022年01月19日

30,000円

がん相談支援センターと就業支援に取り組む関東労災病院、外科の秀村先生及び関係者の皆様のご尽力に対し、深く心を動かされました。私自身も生きて、ボランティア活動を学びたいと強く思いました。皆様の益々のご活躍を心より願っております。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

********

2022年01月14日

10,000円

がんの腹膜播種に少しでも有効な治療法が確立されることを願っております。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

喜吉 憲

2022年01月05日

100,000円

膵臓がんの早期かつ簡易な発見の開発を期待しています <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

安東 義隆

2021年12月30日

120,000円

日本発での医学研究論文公表やグローバルでの医薬品開発を是非推進して頂けるよう応援しています。 <スキルス胃癌、膵癌、大腸癌に対する腹腔内化学療法の研究開発>

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プロジェクト設置責任者

医学部附属病院
外来化学療法部
石神浩徳

今年度寄付総額
0円
今年度寄付件数
0件
現在の継続寄付会員人数
0人
累計寄付総額
49,421,304円

このプロジェクトは終了いたしました

寄付金額は任意でもお選びできます。Webからのお申込みは1,000円より受付いたします。

東京大学へのご寄付には税法上の優遇措置が適用されます。

ご寄付の謝意・記念品

「東京大学基金」の謝意・記念品が適用されます。

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