能登半島地震からの創造的復興及び
人材育成のための産学官連携プログラム基金

—能登の中高生と東大生が、復興の未来をともに創る—

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プロジェクト設置責任者

社会連携本部 副本部長
秋山 聰

今年度寄付総額
200,000円
今年度寄付件数
2件
現在の継続寄付会員人数
0人
累計寄付総額
200,000円

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東京大学へのご寄付には税法上の優遇措置が適用されます。

プロジェクト設置責任者からのメッセージ

能登半島地震からの復興という社会課題に対して、本学では学生と大学が協力し様々な支援の取り組みを行ってきました。能登半島における災害とその復興の遅れについて心を痛め、課題解決を志す本学学生もなお少なからずいます。今般、これまでの本学の活動経験を活用しつつ、地元の中高生と本学学生が協働しての、創造的復興に資する人材育成プログラムを開始することとなりました。地元の中高生と連携して本学学生が能登地方における復興支援活動に携わるとともに、日本各地の被災地において災害・復興についての実践的な知見を深め、さらにそうした知見を、今後被災が予想される地域と共有できればと思います。熱意ある学生たちの自主性を重視した大学ならではの本プロジェクトを実現するためにも、皆様からの暖かいご支援をお願い申し上げます。

社会連携本部副本部長
秋山 聰

プロジェクトについて

東京大学と石川県能登町は、平成29年のフィールドスタディ型政策協働プログラム(FS)創設時より、地域課題解決のための連携を続け、密接な関係を築いてまいりました。令和6年1月に能登半島地震が発生した際には、過去に能登町でのFSに参加した本学学生が中心となって、被災地域となった能登町に対して「自分たちに何かできることはないか」と考え、「FS能登町支援チーム」を立ち上げました。学生たちはこれまでにも様々な支援活動を行い、令和6年からは体験型活動支援基金にいただいたご寄附を通じて、復興人材の育成を視野に入れて、能登町での支援活動を加速させてまいりました。これまで能登町での活動に関与した学生は、延べ180人を超えました。

令和8年4月には、能登町での活動のなかで連携の実績を重ねてきたことを契機として、能登町、日本航空株式会社、東京大学社会連携部の三者間で「創造的復興及び未来を担う人材育成に関する連携協定」を締結しました。「創造的復興」とは、単に被災前の姿に復元するのではなく、元々あった課題を踏まえ、未来志向に立って以前よりも良い状態へと持っていく復興を意味します。今般、本協定をもとに、FS 能登町支援チームを中心とする東京大学の学生と能登町の中高生が互いに学びあう「能登半島地震からの創造的復興及び人材育成プログラム」の実施を通じて、次世代の復興人材育成を目指します。

本基金へのご寄附は、「能登半島地震からの創造的復興及び人材育成プログラム」に参加する本学学生の活動費用等のプログラム運営費用として大切に活用させていただきます。

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▲2025年のと未来カイギでの本学学生による住民対話のファシリテーション

プロジェクトのねらい

東京大学 FS能登町支援チームは、これまでの復興支援活動のなかで能登町の中高生とともに活動を行う機会を重ねてきました。日本航空株式会社は、社内ベンチャーW-PIT能登復興事業ユニットが能登町にて活動し、大学生・社会人向けフィールドワークの実施やボランティアの派遣を行っています。日本航空株式会社はまた、「青空留学」事業として、一次産業の現場へ学生を派遣する事業を実施してきています。今回のプロジェクトでは、この「青空留学」の枠組みをベースとして、能登町の中高生と本学学生とが参加する教育プログラムの実施を通じて、能登町での復興支援活動を行うほか、過去に被災した地域等を訪問し、異なるバックグラウンドを有する者同士で互いに学びあうことで、将来の復興を担う人材となるための知見を体験的に得ることを目的としています。

また、自然災害の多い日本においては、いずれの地域においても今後起こりうる自然災害からの復興について検討することも重要です。こうした考えから、この教育プログラムでの訪問先は、被災地に限らず、能登町、日本航空株式会社、東京大学との連携実績のある諸地域に加えて、今後、被災する可能性が高いと思われる全国各地を想定しており、能登町の復興から得られた学びを伝えていくこともまた目指しています。

寄付の必要性

学生の正課外活動を体験活動プログラムとして通常実施した場合、プログラム全体の予算制約上、一度の渡航につき2.5万円までの支援しか行うことができません。今回のプログラムでは、参加学生5名が継続的に年間5回の現地渡航を通じて学び合いを行うことが重要と考えております。
皆様からのご支援により30万円で、東京大学の学生1名が能登での活動を1年間継続できます。

既存の予算では賄うことができない長期にわたるプログラムを安定的・継続的に運営するため、また産学官連携を通じたこの活動について、より多くの方に関心を持っていただくため、皆様からのご支援を必要としています。ご寄付により活動回数を増やすことができ、熱意ある学生が金銭的な事情によらず復興という地域課題に責任を持って向き合えるよう、交通費及び宿泊費をカバーする活動支援金を支出することが可能となります。

プロジェクト実施内容

(1) 能登の里山里海や固有の文化を活かした創造的復興の推進・復興プロセスを通じた実践的な学びの場の創出及び人材育成
能登町をフィールドに、震災からの創造的復興について学習します。これから多様なキャリアを歩む東京大学学生として、また能登町で育った中高生として、それぞれが地域の未来に向けて何ができるかを一緒に考え、実践します。

(2) 復興プロセスにおける関係人口の創出及び人的交流の促進・復興状況の発信及び支援の輪を広げるための広報活動
本学学生が能登町の中高生とともに、東日本大震災の被災地域等を訪問し、現地の学生や復興に携わる方々と議論をすることを通じて、諸地域の取り組みについて知見を深めます。加えて被災地域以外の訪問に際しては、能登町の復興に向けた取り組みを紹介・伝達すると同時に、来るべき自然災害を想定しながら、地域の文化的価値をどのように被災後に継承・復興していくか等、各地域の人々とともに考え、実践を目指します。

(3) その他、創造的復興及び人材育成に資する事項
能登町、日本航空株式会社、東京大学の三者の資源や知見を用いて、能登町の創造的復興に寄与する活動を行うとともに、復興人材育成に貢献します。東京大学は総合大学として、このプログラムを通じて、地域に眠る様々な経験知・地域知を掘り起こし、さまざまな学知の創出に努め、地域社会との協創を行ってまいります。

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▲FS能登町支援チームが本学学生を派遣した白丸地区でのボランティアの様子

寄付の使途

この産学官連携による教育プログラムでは、能登町が中高生の活動費用及びプログラム運営費を、日本航空株式会社は自社便を利用する際の参加者の交通費を、それぞれ主に負担することになります。そして本学学生の活動費用は、当基金にて、皆さまからご支援を募ることとなりました。FS能登町支援チームによる継続的な活動の効果もあり、能登町に思いを寄せる学生は増加傾向にあります。より多くの学生が、復興人材となりうる第一歩として貴重な経験を得られるよう、温かいご支援をよろしくお願いいたします。

いただいたご寄附は主に、本学の教育プログラム参加学生の交通費・宿泊費等、活動費に活用させていただくほか、本学が各地域でプロジェクトに関連した企画を実施する際の運営費としても活用させていただく予定です。運営は本学教職員とともにFS能登町支援チームの学生も担います。

年間の寄附目標金額は、3回の能登町での活動と、2回の被災地域・未災地域での活動を本学学生5名が行い、本学教職員が運営することを想定し、200万円とします。

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▲石川県立能登高校総合探求授業での発表の様子

どのような成果が期待されるか

(1)将来の復興人材を育成することは、能登町等の被災地が創造的復興を果たすために寄与するのみならず、今後起こりうる災害への対応に貢献することにもつながると考えられます。

(2)活動が充実・加速すれば、より多くの学生や教職員が本プログラムへ参加・関与することを通じて、能登町の関係人口となり創造的復興に寄与します。また、復興をより多様な観点でとらえなおすことも期待されます。

(3)活動規模拡大に応じて能登町以外の過去の被災地域・未災地域との学び合いの機会が増加すれば、過去の震災からの学びを官民学のネットワークを通じて全国に広げることができるという意味で、日本全体の防災への貢献につながると見込んでいます。

プログラム担当 学外メンバーからのメッセージ

日本航空株式会社 上入佐慶太(能登復興事業統括・JAL航空みらいラボ調査研究員)

能登の復興は、里山里海や固有の文化を次世代につないでいく営みだと感じています。私は先日、能登町の高校生による探究学習の最終発表を拝見し、個の意思に根ざして取り組む姿勢と、大人を巻き込みながら前に進める推進力に深く感動しました。2024年10月以降は東京大学の学生とも連携を重ねており、能登町高校生・東大生・当社社員が現場で交わることで生まれる化学反応を期待しています。本基金へのご寄附は、学生の現場実践を直接支え、学びを継続可能にします。日本航空も、青空留学で培った学びの設計と移動の知見を活かし、社員派遣や東京での受け入れも含めて伴走してまいります。ぜひ皆様のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

能登町 灰谷貴光(企画財政課)

発災直後、学生たちは自ら能登町支援チームを立ち上げ、泥出し等のボランティアから祭りや地域行事への参加、中高生との交流まで、常に私たちに寄り添い続けてくれています。こうした活動は、被災した町民が「もう一度前を向いて歩み出す」ための大きなエネルギーとなっています。 また、こうした経験は単なる支援の枠を超え、学生たち自身の成長にも繋がっていると感じます。彼らの真摯な活動を支えてくださる皆さまの温かいご支援に心より感謝申し上げるとともに、今後とも能登の未来を共に創る若者たちを応援していただければ幸いです。

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夏の現地活動報告(東北訪問)

2026年10月09日(金)

2026年8月4日から7日にかけて、今年度より実施する「能登半島地震からの創造的復興及び人材育成のための産学官連携プログラム」としての最初の活動を、FS能登町支援チームに所属する学生5名が実施しました。今回の活動地域は、2011年の東日本大震災にて大きな被害を受けた地域である、岩手県大槌町・釜石市・大船渡市です。本学学生は、石川県立能登高校の生徒8名とともに現地を訪れ、視察や関係者との議論を通じて、能登町の創造的復興のあり方について、そして来るべき将来の自然災害へどのように対応すべきかということについて、学びあう機会をもつことができました。
以下、活動詳細を報告します。

〇震災現場訪問
活動初日に安渡地区を訪れ、震災によって日常の風景と人々の暮らしが一変したことを実感しました。被災後の津波対策として進められた「盛土・切土・防潮堤再建」の三本柱について説明を受け、震災前の2倍以上の高さとなった防潮堤に登り、切土と盛土によって造成された防災集団移転団地を見学しました。

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▲標高14.5mの防波堤

その後、津波災害からの復興に向けて地域主体で雇用創出や経済再生に取り組むNPO法人「吉里吉里国」による案内で、今年4月に発生した林野火災の被害跡を視察しました。震災を経て森を活用した地域再生に取り組むなかで起きた自然災害の影響を目の当たりにし、復興のプロセスが常に新たな課題と隣り合わせであることを実感しました。

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▲被害を受けた植林現場

活動2日目には震災後に移転した「東京大学大槌沿岸センター」を訪問し、センターが岩手県立大槌高校と連携し実施している「はま研究会」の活動に参加することもできました。センターの教職員による講義から、震災後に海との物理的・心理的距離が生まれてしまったこと、そして現在は震災復興から地域振興へとフェーズが移り、若い世代が自らのつながりを活かして地域を盛り上げていく段階に入っていることなどを伺いましたが、実際に大槌高校の生徒がセンターの目の前の海で熱量をもって研究活動に取り組んでいることが感じられました。

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▲海水を採集・分析するセンター教職員と大槌高校生徒

復興の象徴として機能している施設も巡りました。大槌町文化交流センター「おしゃっち」は、震災前の中心市街地である御社地周辺にあった図書館や集会場などを集約し、2018年にオープンした施設です。2階に震災伝承展示室を備えつつ、1階は人々が自然に集まる居心地の良いオープンスペースとなっており、釜石鵜住居復興スタジアムとともに、復興後の新しい地域拠点としての役割を果たしていると感じられました。

〇地域の人々との交流
たくさんの地域の方々との出会いもありました。安渡公民館では大槌町の伝統料理「すっぷく」「ごまごはん」「ひょうじ団子」をいただきながら、釜石高校の有志が地域で取り組んでいる活動について学びました。震災伝承・防災活動を行う「夢団」からは語り部活動を披露いただき、考案した防災ゲーム「坊主めくり」で遊びながら、交流を深めることもできました。郷土芸能継承活動を行う「結凪會」の取り組みは、祭りを大事にしている能登町の高校生の想いとも通じるものを感じました。高校生という自分たちより若い世代が主体的に地域に関わる姿に、強い刺激を受けました。
大槌町、大船渡市ではそれぞれ、東日本大震災当時に中高生だった方々をお呼びして、発災時の行動や感じていたこと、その後の進路などを中心にお話を聞かせていただき、地元の若者、能登高生、そして東大生がそれぞれの思いを語りました。震災から時間が経過し、気持ちにどのような変化があったか、震災を振り返っていま何を思っているか、といったことを本音で話していただけたことは、能登町の未来を考えるうえでも、重要な経験になったと考えています。

〇今後の活動に向けて
四日間の活動で、東日本大震災被災後からの復興のあり方を実際に見聞きして感じ、また能登高校生とともに貴重な時間を過ごすことができました。
今回の活動は、本学からは秋山聰社会連携副本部長が帯同し、地域の方々との議論にも参加しました。そして日本航空株式会社社員、能登町役場職員、石川県立能登高校教員の皆さまのご尽力もあり、無事活動を終えることができました。
今年度、本学学生5名は、能登の中高生とともに3回の能登町での活動と未災地訪問を予定し、引き続き学びあいを続けてまいります。
本学学生によるこの活動は、基金へいただいたご寄付を通じて、実現することができています。今後とも皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。

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