このプロジェクトは2023年12月14日をもって寄付募集を終了しました。
活動成果については「活動報告」タブをご覧ください。
これまでのご支援誠にありがとうございました。
みなさんはCanSatをご存じですか?
CanSatとは、空き缶サイズの模擬人工衛星 のことで、ロケットや気球で高空に運ばれた後に投下され、着陸や目標地点に到達するまでの間にミッションを行います。
CanSatには、コンピュータやセンサ、アクチュエータや通信機など実際の人工衛星の基本的な要素が搭載されており、学生が短期間で宇宙ミッションの立案から、設計、運用を体験できる貴重な機会です。学生が限られた期間内で宇宙工学の理論と実践の基本を学べることから、大学などで教育プログラムとして採用されており、国内外で大会が開催されています。
CanSat歴代チームは国内外において素晴らしい成績をおさめてきました。
・2019年
9月9日から13日にかけて米国ネバダ州で行われたCanSat打ち上げ実証実験ARLISSにて、工学部航空宇宙工学科3年生と電気電子工学科3年生により構成された有志チーム(Event Horizon)が、 Overall Winner 3位および Technical System Award 3位に入賞しました。
・2018年
2018年8月19日、工学部航空宇宙工学科の有志チーム(The Wright Staff)が第14回能代宇宙イベントで優勝(CANSATフライバック部門)しました。
・2017年
ARLISSにて航空宇宙工学科3年のチームが、ローバーにてComebackコンペティションでゴール地点より0m地点に到達し、全体優勝しました。
・2016年
同じく、ARLISSにて航空宇宙工学科3年のチームが、ローバーにてComebackコンペティションで3.8m地点に到達し、全体優勝しました。
・2002年
同じく、ARLISSにて中須賀研のチームが、ComebackコンペティションのFlyback部門にて歴代最高の45m地点に到達し、全体優勝しました。
新型コロナウイルスの影響で国内外の大会の参加がかなわない年度もありましたが、2021年からCanSatの活動が再開しました。
先述したとおり、2019年度に実施されたARLISSでは、「フライバック」部門において距離の記録としては国際大会歴代2位と3位を、固定翼機の記録としては国際大会歴代1位と2位を東京大学の2チームが独占するという目覚ましい成果を上げております。
世界大会において、非常に優れた成績を持つ東京大学のCanSatプロジェクトは、資金面という困難を除けば、今後も優れた成績を期待していただける活動になります。
また、本プロジェクトは将来の航空宇宙産業の担い手を育成する場としても大切な役割を担っています。
CanSatの活動では、可能な限り既存の部品の再利用や、設計段階で十分なシミュレーションを行うことで、必要以上の経費が生まれぬよう努力を続けておりますが、機体の製作過程やその飛行練習によって生じた機体破損部分の修理に費用が必要となります。
CanSatプロジェクトは、単なる機械工作に留まらず、機体制御や設計・製作に至る全てを学生が主体となって行うプロジェクトであり、学生のプロジェクト遂行能力を育成する教育的な側面を持ち合わせております。
本プロジェクトの趣旨へのご理解とご協力、そしてご寄付をどうぞよろしくお願いいたします。
2022年度学生メンバーが制作したドローンを搭載したロケット発射(飛行)の様子
本基金は、航空宇宙工学を学ぶ学生の貴重な研究機会を支えるために設立されました。
国内大会のみならず国際大会においても優秀な成績を残してきた背景には、模擬人工衛星の設計や製作に加え、飛行練習が可能で安全なエリア(航空等の周辺の上空の空域,緊急用務空域,150m以上の高さの空域,人口集中地区の上空,以外の空域)へ何度も足を運んでの飛行練習、国内外の大会出場費用など費用面で学生に大きな負担があります。CanSatプロジェクトチームの学生が、費用面で活動が制限されることなく、今後も研究の機会と活躍の場を広げていけるよう、ご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします。
2023年12月14日(木)
CanSatプロジェクト挑戦基金をご支援いただき、誠にありがとうございます。
これまでの活動報告および成果報告について以下のようにご報告させていただきます。
■活動報告
工学部航空宇宙工学科3年生を中心に、KINGFISHERチームおよびHumming Birdチームにわかれ、超小型衛星開発の基礎となる、小型模擬人工衛星「CanSat」を開発し、それを国内大会である「能代宇宙イベント」および国際大会である「ARLISS」(アメリカネバダ州の砂漠で開催)に参加させ、目標点にどれだけ自律的に帰還できるかを競う工学教育プロジェクトを実施しました。
CanSat開発は、超小型衛星の設計・開発・試験・運用の基礎鍛錬の題材として1999年から継続して実施しており、超小型衛星を開発する学生にとっては、技術だけでなくプロジェクトマネジメントやシステムズエンジニアリングを勉強できる貴重な機会であります。
2022年春から開発を開始し、各種のフィールド試験を大学内および河原を利用して実施してCanSatを完成させ、2022年8月15日~20日の能代宇宙イベントに参加、さらに同年9月9日~16日にアメリカ・ネバダ州での大会に参加しました。
■寄附の成果
いただいた寄付のおかげで実験装置を充実したものにすることができCanSatがより洗練されたものになり、工学教育・人材育成の効果が大きかったです。最終目標であるアメリカでのARLISSにおいてはKINGFISHERチームがドローンにおける歴代最大のフライト距離2kmを達成しましたが、バッテリの電力切れで目標点まで帰還することはできなかったです。Humming Birdチームは残念ながら通信系や展開機構の異常で満足なフライトができなかったです。いずれのチームもうまくいかなかった原因を検討し、その失敗の解析は次につながる大きな経験となりました。
本プロジェクトへの寄付を終了するにあたり、改めてご支援をいただいた方々に心より御礼申し上げます。
<小型模擬人工衛星CanSatプロジェクトへの挑戦基金>
<小型模擬人工衛星CanSatプロジェクトへの挑戦基金>