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荻生徂徠(1666~1728)は、江戸時代を代表する儒学者であり、朱子学や仁齋学を批判して、独自の学問体系―いわゆる徂徠学―を構築したことで知られています。江戸時代においてもっとも大きな影響力を有した思想家といえるでしょう。
2021年に徂徠のご子孫より、徂徠の自筆稿本などを含む荻生家伝来の資料が東京大学駒場図書館に寄贈されました。江戸時代の大思想家の貴重資料が寄贈されたことは、江戸時代以来の知の伝統の継承という点で、本学にとって非常に意義深いことです。この「荻生家史料」の整理・修復・目録作成を進め、東京大学デジタルアーカイブで画像を公開するなど、広く「荻生家史料」の魅力を発信していきたいと考えています。
「荻生家史料」の中には、長い年月を経て劣化してしまい、修復をしない限り内容を確認できない資料があります。資料の修復は一点ずつ手作業で行うほかないため、多くの費用がかかり、大学の通常の予算・研究費でまかなうことが困難です。また、荻生家にもともとあったと考えられる資料で、早い時期に既に他の人の手にわたったと推測される資料もあります。このような資料が市場に現れた際に購入することで、「荻生家史料」のコレクションとしての価値を高めていく計画です。
皆さまからのご寄付は、以下の目的に使わせていただきます。
史料の保存・公開
- 状態の悪い資料の修復
- 資料の撮影とデジタル公開
- 保存環境の整備
史料の充実と人材育成
- 「荻生家史料」関連資料の購入
- 調査に従事する大学院生・若手研究者の育成
これまでの調査で、従来知られていなかった徂徠の著作などが複数点発見されました。整理と修復が進めば、こうした発見がさらに続き、日本思想・日本文化研究に新たな展開をもたらすことができると確信しています。
私たちが目指すのは、デジタルアーカイブで、誰でも、どこからでも「荻生家史料」を閲覧できる状態にすることです。荻生徂徠は、国内だけでなく海外の研究者からも注目されている存在です。「荻生家史料」の公開は国際的な日本研究の発展に大きく寄与することでしょう。また、「大儒学者 荻生徂徠の冒険―荻生家史料寄贈記念―」展(東京大学駒場博物館、2026年10月3日~11月29日)がそうですが、展示などを通じて、江戸時代の学問・文化への一般の方々の関心を一層高めていきたいと考えています。2028年は徂徠没300年の記念年になります。江戸時代の大思想家を、多くの人々にとって身近な存在にすることも、この基金の目標です。
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