東京カレッジは、国内外の優れた研究者・知識人が集う場所として、2019年2月に設立されました。「地球と人類社会の未来」に向けた知の創造に貢献すべく、様々な活動を行っています。たとえば、世界中から多様な分野で業績を上げている学者・研究者を招き、東京カレッジにとどまらず東大の他の部局の構成員とも、分野を超えた議論と共同研究を促進しています。また、多様な分野の若手の研究者をポスドク・プログラムなどで受け入れ、将来の学際的研究のリーダー達の育成にも努力しています。そして、何より重要と考えるのは、こうした知の創造に向けた努力に社会一般の皆さんにも参加して頂くということです。いままでも講演会や研究会の多くを広くウェビナーで発信したり、東京カレッジをはじめとする東京大学の研究者とその研究成果を紹介する番組をユーチューブの東京カレッジチャンネルで公表したりしてきましたが、今後は社会との知の共創に向けた新しい試みなども考えていきたいと思っています。
こうした活動の資金の大きい部分はいまのところ東京大学本部からの支援などでまかなっていますが、今後東京カレッジがさらに発展するためには、皆さんからのご支援が不可欠です。個人の方々のご寄付のみならず、会社や組織レベルでのご寄付も歓迎いたします。共に「地球と人類社会の未来」に向けた知の構築を目指しましょう。皆様のご支援をどうぞよろしくお願いします。
東京カレッジ・カレッジ長
星 岳雄
「東京カレッジ」は東京大学と海外の研究者や研究機関を結ぶインターフェイスとして2019年に新しく東京大学に設立された他に類を見ないユニークな組織です。私たちの目標は東京大学を地球と人類社会の未来に貢献する「知の協創の世界拠点」とすることです。この目標を達成するために海外から卓越した研究者や知識人をお迎えし、学内の研究者との分野横断型の共同研究を企画しています。
もう一つの目標はこうして東京大学で生まれた独創的・先端的な知と学問の魅力を講演会・シンポジウム・ウェブサイトなどを通して学生や一般市民の皆様にいち早くお伝えすることです。日本の内と外の研究を結び付け、市民の皆さんと一緒に未来社会の様々な側面について考える場を作ります。
中心理念
「発見の喜び、知の力(Joy of Discovery and Power of Knowledge)の共有」
研究課題
「2050 年の地球と人類社会(The Earth and Human Society in 2050)」
重点を置く分野横断型研究テーマ
1)デジタル革命と人類の未来(Digital Revolution and Future of Humanity)
2)学際的アプローチによる地球の限界への挑戦(Tackling the Planetary Boundaries through Interdisciplinary Approaches)
3)内から見た日本、外から見た日本(Japan Viewed from Inside and Outside)
4)2050 年の人文学(Humanities in 2050)
5)生・命(いのち)の未来(Life and its Value for Future Society)
東京大学を「知の協創の世界拠点」とし、その「知」を皆様と共有するために以下の4つの活動を行っています。
東京カレッジでは世界中のさまざまな分野の第一線で活躍する著名な研究者と意見交換や共同研究を行い、研究の最先端を発信しています。講演者にはノーベル賞受賞者も迎えています。
東京カレッジの活動全般に活用させていただきます。
・著名な研究者の招へい
・シンポジウム等の開催
・若手ポスドク研究者の雇用
・運営スタッフの人件費
等々、ご寄付の集まり具合に応じて適宜充当させていただきます。
2024年03月12日(火)
皆様からの貴重なご支援は、東京カレッジが展開する多様な活動のために有効に使わせて頂いています。その一部をご紹介します。
【卓越研究者・知識人による講演会】
東京カレッジは、世界各地から招へいした研究者・知識人、本学の研究者による講演会やシンポジウム等の開催を通じて、先端的、分野横断的で総合的な知を学生や一般市民のみなさまへお届けしています。
今年も時宜にかなったイベントを数多く開催しました。これらは東京カレッジYoutubeチャンネル(https://www.youtube.com/@TokyoCollege/featured)でご覧いただけます。
また、毎月発行するメールマガジンでは、イベントや配信の最新情報など、東京カレッジの活動に関するさまざまなトピックをお届けしています。メールマガジンの購読登録はこちらです。
(https://www.tc.u-tokyo.ac.jp/media/#mail-area)
〇教育機関として大学がどのような社会的責任を果たしてゆくべきか、学知を生み出す活動のあり方に焦点を当てて議論する「高等教育の未来」と題する対話シリーズを6回、ディスカッションフォーラムを1回実施しました。
〇「AIと創造性」と題する座談会を開催し、囲碁棋士、ピアニストと本学研究者が生成AIの人間・社会にとっての意味、意義、問題点等を議論しました。Youtube動画の視聴回数は24万回を超えています。
〇東京大学の卓越教授5名によるオンサイトの連続講演会を実施し、延べ1,000人以上の学生が出席しました。
〇「生命」をテーマとして最先端かつ分野横断型の研究を行っている“UT7 次世代生命概念創出研究グループ”のインタビューシリーズや東京大学の文系の卓越研究者との対談である“ザ・サロン”シリーズを製作し、東京大学の研究者による研究成果の配信にも力を入れました。
以上の他にも、
「世界史における皇帝:統率力、世襲君主制と帝国の支配」(Dominic LIEVEN ケンブリッジ大学教授、羽田 正 東京大学東京カレッジ長)
「染色体の機能と維持-生命の継承のしくみ」(Camilla BJÖRKEGREN カロリンスカ研究所教授、宮園 浩平 東京大学卓越教授)
「がん研究-ノーベル賞からのインスピレーション」(Carl-Henrik HELDIN スウェーデン王国ウプサラ大学分子細胞生物学教授、宮園 浩平 東京大学卓越教授)
「近現代の記憶の移りゆく風景:新旧産業遺産」(Andrew GORDON ハーバード大学教授、岡橋 純子聖心女子大学教授)
「科学における人権:誰の権利と義務?」(Samantha BESSON コレージュ・ド・フランス教授、隠岐さや香 東京大学大学院教育学研究科教授)
「環境破壊と存亡の機-科学知識の限界」(John LIE カリフォルニア大学バークレー校教授、斎藤幸平 東京大学大学院総合文化研究科准教授)
「インド太平洋地域における抑止力と外交のバランス」(Bill EMMOTT氏、佐橋 亮 東京大学東洋文化研究所准教授)
「成長と安定のためのマクロ経済政策」(清滝 信宏 プリンストン大学経済学部教授、中空 麻奈BNPパリバ証券株式会社グローバルマーケット統括本部副会長)
など、50回以上の講演会等を実施しました。
これら動画の総視聴回数は120万回を超え、東京カレッジが掲げるテーマに対する社会の関心の高さが伺え、大変うれしく思っています。
【卓越研究者招へい】
ハーバード大学、オックスフォード大学、プリンストン大学、オーストラリア国立大学、パリ第1大学、カロリンスカ研究所、延世大学、ケンブリッジ大学等の卓越した研究者・知識人を27名招へいし、本学の研究者・学生との共同研究や交流、講演会を行いました。
そのほかにも、全学協定に基づきコレージュ・ド・フランスから2名の研究者を招へいし、講演会を実施しました。
【若手研究者育成】
国際公募によって選ばれた優秀な若手研究者4名が、ポスドク研究者として着任しました。
令和6年度採用の国際公募では、プリンストン大学との共同プログラムも含めて197名の応募があり、5名を選考しました。
【共同研究】
招へいした研究者・知識人、本学研究者、東京カレッジに所属する研究者が参加して「人文学の未来」「サステナビリティと社会」「アイデンティティ」「ジェンダーとセクシュアリティ」などの分野横断的テーマの共同研究を展開し、その成果の一部は通常の学術成果公開の方法に加えて、YouTube動画で配信しています。
これからも「2050年の地球と人類社会」に貢献する新しい知を皆様にお届けしてまいります。
皆様のご支援に改めて感謝申し上げます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
2023年02月03日(金)
皆様のご支援により、様々な活動を行うことが出来ました。心より感謝申し上げます。活動の一端をご報告します。
【卓越研究者・知識人による講演会】
東京カレッジでは、世界中から招へいした研究者・知識人、本学の研究者による講演会やシンポジウム等の開催を通じて、先端的、分野横断的で総合的な知を学生や一般市民のみなさまへお届けしています。
今年も時機を得た講演会を数多く開催しました。これらは東京カレッジYoutubeチャンネルでご覧いただけます。
また、毎月発行するメールマガジンでは、イベントや配信の最新情報など、さまざまなトピックをお届けしています。メールマガジンの購読登録はこちらです。
〇中東やアフリカ・ラテンアメリカなどでウクライナ危機がどのようにとらえられているのかを研究者が解説する「ウクライナ危機を見る複数の眼」を6回のシリーズとして実施しました。
〇「AI×囲碁×人間~トップ棋士の見たAI囲碁~」では、トップ棋士と本学研究者が囲碁AIと、進化する人工知能に関して語り、16万回を超える再生回数となりました。AI×囲碁×人間のシリーズは第3弾まで公開しています。
〇初代の欧州理事会常任議長(EU大統領)であるヘルマン・ファン・ロンパイ氏が「欧州の将来と日欧パートナーシップの行方 ~ウクライナにおける戦争、欧州そして世界への影響~」として講演しました。
〇仏国立東洋言語文化学院のギブール・ドラモット氏が本学先端科学技術研究センター池内恵教授、政策研究大学院大学岩間陽子教授と「ロシア・ウクライナ戦争が変えるヨーロッパ国際秩序、日本の立場」について語りました。
他にも、
「独裁者との対話:北朝鮮との首脳外交によって得ることと失うこと」(Alastair Morgan元北朝鮮英国大使ほか)
「家族と格差-日本における「運命の二極化」?」(James Raymo プリンストン大学教授ほか)
「大地震の前に地下で起きること、社会がやっておくべきこと」(Yehuda Ben-Zion南カリフォルニア大学教授ほか)
「原発に異を唱えたノーベル賞学者 ーハンネス・アルヴェ―ンと20世紀の科学者像」(Svante Lindqvistスウェーデン王立科学アカデミー元会長ほか)
「著者と考える「わたしが人間であるために」ー米国と日本における障がい者の公民権運動ー」(Judith E. Heumann氏ほか)
「グリーントランスフォーメーション(GX)、炭素市場、ブロックチェーン ー世界銀行とChia Networkとの対話ー」(Bram Cohen 氏(Chia Network創業者兼CEO、BitTorrentインターネットプロトコル開発者)、Gemma Torras Vives氏 (世界銀行 気候変動グループ ITオフィサー)ほか)
「デジタル革命:データが導く21世紀の繁栄に向けて」(N.Chandrasekaran タタ・グループ/タタ・サンズ会長ほか)
など、多くの講演会等を実施しました。
これら動画の総視聴回数は47万回を超え、東京カレッジが掲げるテーマに対する社会の関心の高さが伺え、大変うれしいことです。
【卓越研究者招へい】
ハーバード大学、プリンストン大学、コロンビア大学、ケンブリッジ大学、パリ第1大学、カロリンスカ研究所、オーストラリア国立大学、ヨハネスブルク大学 などから25名の著名な研究者・知識人に一定期間本学へ滞在いただき、本学の研究者・学生との共同研究や交流、講演会を行いました。
【若手研究者育成】
国際公募により世界中から150名超の応募の中から選考した5名の若手研究者が着任しました。
令和5年度採用の若手研究者を国際公募による120名超の応募の中から4名を選考したほか、新たにプリンストン大学と共同で若手研究者を育成するプログラムを立ち上げ、世界中38名の応募の中から1名の若手研究者を選考しました。
【共同研究】
招へいした研究者・知識人、本学研究者、東京カレッジに所属する研究者による「人文学の未来」「高齢化社会」「サステナビリティと社会」「アイデンティティ」などの分野横断的テーマの研究を展開し、その成果を学内外の研究者とのダイアローグシリーズとして動画配信を行いました。
これからも「地球と人類の未来」に貢献する新しい知を皆様にお届けしてまいります。
皆様のご支援に改めて感謝申し上げます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
2022年06月13日(月)
東京カレッジでは、下記の通り2件のオンサイト講演会を開催いたします。 どなたでも無料でご参加いただけますので、是非ご登録ください。
①「欧州の将来と日欧パートナーシップの行方 ~ウクライナにおける戦争、欧州そして世界への影響~」講師:ヘルマン・ファン・ロンパイ 元EU大統領
ウクライナにおける戦争は、欧州、そして世界の平和と繁栄に対する私たちの信頼を揺るがした。この国際関係の危機を乗り越えるために何が求められているか。初代の欧州理事会常任議長(EU大統領)であるヘルマン・ファン・ロンパイ氏が「欧州と日本の将来」について考えを共有し、学生等と議論を行う。
日時/Date:2022年7月12日(火)13:00-14:45 (12:30 開場)
会場/Venue: 東京大学・安田講堂|Yasuda Auditorium, Hongo Campus, The University of Tokyo
要事前登録|Pre-registration required: 事前登録はこちらから|Register here
言語|Language:英語(日本語同時通訳)|English with Japanese simultaneous translation
イベントURL | Event URL: 日本語はこちらへ | Click here for English
問い合わせ先 | Contact: tokyo.college.event@tc.u-tokyo.ac.jp
②「プルースト再読 2022年」講師:Antoine Compagnon教授
プルーストという作家は、今もなお、その輝きを失っていません。2022年はマルセル・プルーストの没後100周年であり、多くの出版、展覧会が行われ、歓呼と称賛が送られています。元日に刊行されたイタリアの雑誌La Repubblicaでは、プルーストが「マン・オブ・ザ・イヤー」に選出されました。この記念すべき2022年は、小説『失われた時を求めて』の偉大さを再評価し、プルースト生誕100周年の1971年の状況と比較する特別な機会です。
日時|Date:2022年6月23日(木)16:00-17:30(15:30開場)
会場|Venue: 東京大学・鉄門記念講堂|Tetsumon Memorial Hall, UTokyo Hongo Campus
要事前登録|Pre-registration required: 事前登録はこちらから|Register here
言語|Language:英語(日本語同時通訳)|English with Japanese simultaneous translation
イベントURL | Event URL: 日本語はこちらへ | Click here for English
問い合わせ先 | Contact: tokyo.college.event@tc.u-tokyo.ac.jp
2022年04月13日(水)
ロシアのウクライナ侵攻について、連日多くの報道がなされています。そのニュースソースのかなりの部分は、アメリカと西ヨーロッパの通信社や報道機関が発信したものです。これらの情報によれば、主権国家であるウクライナへのロシアの軍事侵攻が非難の対象となるのは当然のように思えます。しかし、国連のロシア非難決議に賛成しなかった国が、193か国中52か国(全体の27%)もあった点は見逃せません。中国の立場は比較的よく知られていますが、その他にも南アジアや中東、アフリカの多くの国々が決議案に賛成しませんでした。それはなぜなのでしょう。
当事者であるロシアとウクライナからの情報が大事であることは言うまでもありませんが、今後の世界秩序と平和維持を考えるにあたっては、欧米以外の世界各地で今回の事態がどのように受け止められ、報道されているのかをも丁寧に調査し、把握しておく必要があるでしょう。世界各地における多様な立場や見方を知ることによって、今回の危機に関しても、よりバランスの取れた解決への道筋が見えてくるかもしれません。
このシリーズでは、世界各地の政治や経済、社会や文化に関心を持って研究を展開している研究者に、研究対象の地域や国で今回の危機がどのように受け止められ、報道され、理解されているのかをインタビュー形式で語って頂きます。解説対象の地域と解説を担当する研究者は以下の通りです。
中東:池内 恵(東京大学先端科学技術研究センター教授)
アフリカ:遠藤 貢(東京大学大学院総合文化研究科教授)
南アジア:堀本武功(岐阜女子大学客員教授)
中国:川島 真(東京大学大学院総合文化研究科教授)
東南アジア:岡田泰平(東京大学大学院総合文化研究科准教授)
ラテンアメリカ:大串和雄(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
インタビューは2022年4月中、東京カレッジYouTubeチャンネルにて順次公開されます。
2021年11月22日(月)
開催日:2021年12月10日(金)17:00-20:00
会場: オンライン、要事前登録
言語: 日本語、フランス語同時通訳
要旨:
シモーヌ・ド・ボーヴォワールの作品の著作権承継人で哲学者のシルヴィ・ル・ボン・ド・ボーヴォワールが、シモーヌ・ド・ボーヴォワールの未刊の自伝的作品『離れがたき二人』を紹介します。この作品は、少女たちを妻と母の役割にはめ込み自由でものを考える女性となることを禁じようとする世間や、身持ちのよい女性を育てる性と知識の教育に反抗する二人の少女たちを描いています。
今回のシンポジウムは、この未刊の作品の紹介だけにはとどまりません。日本の人々が、近代フェミニスムの創始者とその作品を、現代のフェミニストたちの闘いの中に位置づけながら、発見、あるいは再発見する機会ともなるはずです。
<東京カレッジ支援基金>
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