オープンヒューマニティーズ基金は、新たなヒューマニティーズの問いと実践の場に、みなさんにも加わっていただきたいという思いから生まれました。私たちの目指すヒューマニティーズの活動を、研究者だけのものにせず、社会の共有物として有効に活かすために、みなさんのお力をぜひお借りしたいのです。
ヒューマニティーズとは、人の営みについて考える学問です。歴史・思想、言語・文学・芸術、また、教育、法律、政治、社会、さらに建築や生活環境など、その研究対象は多岐にわたります。文明の発祥とともに生まれた伝統的な人文学をふまえつつ、隣接するさまざまな分野の知見を生かしながら、人類の過去と現在と未来を問う学問として成長を続けています。
東京大学には、ヒューマニティーズにたずさわる多様な研究者が大勢います。独創的な研究で世界に影響を与えている研究者も少なくありません。ヒューマニティーズセンターは、そうした研究者たち相互の対話と連携の場として、さらに、学術と社会との対話と連携の場として生まれました。多岐にわたる分野の研究者が、相互に連携してプロジェクトを進め、さらに社会との対話を積み重ねることで、ヒューマニティーズの新たな地平を目指しています。オープンヒューマニティーズ基金は、学術が社会に開かれ、未来を開くための歩みを支えます。
【主なプロジェクト】
・公募研究A
戦間期中国東北三省と国際社会:国際金融協調の試みの挫折とその原因に関する歴史社会学的考察(平和で安定的な国際経済社会の条件を探るために)/ 日本の保護司制度の未来:デジタル化を考える/ 荻生徂徠の詩文と荻生家資料/ 中華人民共和国初期、草の根世論の外的要因に関する研究
・協働研究
「顔」は何を語るのか――過去から未来へ/ 現代作家アーカイヴの構築と発信/ 大江健三郎氏寄託資料に関する基礎的研究/ 開かれた人文学のための文化資源デジタルプラットフォーム/ アジアの都市におけるノスタルジアの表出と文化遺産の創出
◆ ブックレット出版
ブックレットは、研究と対話の活動を共有する場の一つといえます
HMCでは、人文学及び隣接諸分野に関する新たな研究協創をめざした「Humanities Center Booklet シリーズ」を刊行しています。こちらは、東京大学学術機関リポジトリUTokyo Repositoryで公開中です。
◆ ヒューマニティーズ・リエゾン活動
オープンセミナー/リエゾントーク
【オープンセミナー】
公募研究、協働研究に参画しているHMCフェローを中心に、研究報告の形で随時セミナーを開催しています。一般公開形式、参加費は無料です。今年度末で約100回目となり、次年度以降の企画も進行中です。
【リエゾントーク】
「つながる人文学」をテーマに、HMCスタッフが企画・運営する学術的討論の場として、2022年4月から「リエゾントーク」が新たにスタートしました。
第1回と第2回は「香り」をテーマに、文学&オペラの「表現」、教会&芝居小屋の「空間」の二つのパートに分かれて、HMCスタッフが連続トークを行いました。第3回は「デジタル」をテーマに、坂井修一附属図書館長、大向一輝准教授(人文社会系研究科)、齋藤希史HMCセンター長がトークを行いました。こちらも、一般公開形式、参加費は無料です。次回以降の企画も進行中です。
◆ 研究補助金
国外派遣を含めた若手教員の研究活動を支援します。
HMCの活動は、学内外の研究者コミュニティのみならず、社会の様々な人々をつなぐプラットフォームとして新しい役割を果たしつつあります。社会とのつながりを重視するパブリックヒューマニティーズは国外では注目を浴びつつあるように、社会との関わりはヒューマニティーズにとって本質的な課題であるといえます。
寄付をきっかけに、単なる資金援助ではなく、ヒューマニティーズというプラットフォームへの参加を意味するという側面を重視し、社会に開かれたヒューマニティーズの構築の実現に向けて、皆様より温かいご支援を賜りますよう、何卒お願い申し上げます。
2024年01月23日(火)
2023年3月から本格的に募集を開始したオープンヒューマニティーズ基金では、これまでに20件を超えるご寄付がありました。ほとんどの寄付者の方が普段からHMCのイベントにおいでくださる方で、今年多く開催されたハイブリッド形式のHMCイベントにお運びいただいた寄付者の方々とHMCスタッフは現地で直接交流を持つことができました。また、直接お目にかかる機会がなかった寄付者の方からもHMCの活動に賛同いただくメッセージを頂戴し、今後のHMCの活動の方針を考える上で大いに励みとなっています。
2023年は、オープンセミナー17回、リエゾントーク6回を開催しオープンセミナーは第100回目の記念イベントも行いました。東京藝術大学図書館、東京大学芸術創造連携研究機構(ACUT)等学内外の組織と連携したイベントを多数企画したことで人文学の面白さを伝える組織の横の繋がりが強化され、また、東京大学生活協同組合とHMCとの間で包括連携協定を結ぶことで、書籍文化の深化と振興をより一層図ることとなりました。2024年は、より多くの方々にHMCの活動を知っていただき、HMCスタッフ(リエゾン)が運営・企画するイベントや出版物を「つながる人文学」の未来に向けて発信していく予定です。今後も引き続き温かいご支援を賜れば幸いです。
<社会と未来を開くオープンヒューマニティーズ基金>
<社会と未来を開くオープンヒューマニティーズ基金>
<社会と未来を開くオープンヒューマニティーズ基金>
<社会と未来を開くオープンヒューマニティーズ基金>
<社会と未来を開くオープンヒューマニティーズ基金>