このプロジェクトは2023年12月31日をもって寄付募集を終了しました。
ご支援誠にありがとうございました。
本学は2015年、「変革を駆動する大学」という理念を中心に据え、「東京大学ビジョン2020」を策定しました。このビジョンに掲げてきた「知の協創の世界拠点」と「知のプロフェッショナルの育成」を担うグローバルな公共財として、東京大学は人類社会に向けて主体的能動的に働きかけ、自立した経営体となって行動することが求められています。ここでの「自立」と「経営」が大学において持つべき真の意味について、対外的にも学内的にも今あらためて再確認し、明確にしておく必要があります。
東京大学は、大学による初の長期債券の発行を行いました。これは東京大学だけでなく、日本の社会が未来への新しい第一歩を踏み出す契機でもあります。「未来構想ビヨンド2020」は、大学債が開いた未来投資への可能性を活用して、大学が自立した経営体となるために、組織と人材をより良い未来への駆動力として活性化して、大学の研究が有する多様で多元的な時間軸の活用とその価値を最大化する経営環境の構築、生命や権利や知的資産などの社会的価値を測るための新たなモデルの構築、次世代の人的資本の創出など、未来への投資の道筋を明確に指し示すものです。
資本集約型社会から知識集約型社会への転換の中で、経済システムにおける無形の資産の重要性が増しています。しかし、その中心となるべき、知的な資産に対する価値づけは必ずしも適正に行われていません。東京大学から輩出される「知のプロフェッショナル」たる学生の社会への貢献の度合い、長年の研究活動の結果として世界に先駆けて生み出された学術成果が日本の国際的なプレゼンスの向上に与えるインパクトや研究で生まれた技術が製品化されることによる経済的波及効果などは、測定する尺度(価値評価)が存在しません。
大学の持つ価値ある無形資産を経営資源として認識し、正しく社会に伝え、正しい価値で「収益化(マネタイズ)」につなげることが期待されます。
国から毎年与えられる運営費交付金等の資金を消費するだけの受動的な「運営」からの脱却はもちろんですが、目指すべき「経営」は、知識や技術をただ商品にして稼ぐことではありません。予測不能な変動の時代で、短期・長期の時間枠それ自体も揺らぐなかで、大学の研究が有する多様で多元的な時間軸の活用は重要で、その価値を最大化する経営でなければなりません。それは疲弊した現行の貨幣システムでは表すことが困難な価値なのです。閉塞感が拡がる現在の経済システムを変革する新しい資金循環は、公共財を生み出す活動を担うすべての機関を取り込むシステムへの駆動力です。より良い未来社会づくりに向けて、大学を起点に資金を動かし循環させることは、大学の機能拡張を支える財政基盤を強化し、柔軟で力強い経営を実現するうえで不可欠なためです。温かいご支援をお願い申し上げます。
これからまとめる「未来構想ビヨンド2020」の主要な柱である
・「グローバルな公共性を豊かにする大学の機能の拡張」
・「社会の変革を駆動する人材育成と卓越した研究」
・「場としての大学の充実と拡張」
の3つを軸に、東京大学未来社会協創事業戦略室の提案のもと総長が決定し活用いたします。
※ 未来構想ビヨンド2020プロジェクトは、未来社会協創基金(FSI基金)の枠組みで活動をいたします。
<未来構想ビヨンド2020プロジェクト>
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