知の物理学研究センター支援基金

AIや機械学習のブラックボックスを解明する究極の物理学

PJ画像

プロジェクト設置責任者

知の物理学研究センター センター長
樺島 祥介

今年度寄付総額
10,405,250円
今年度寄付件数
22件
現在の継続寄付会員人数
3人
累計寄付総額
13,483,750円

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東京大学へのご寄付には税法上の優遇措置が適用されます。

知の物理学研究センターとは

know1.jpg近年、 AI(人工知能)や機械学習は劇的に発展し、人間社会の様々な場面に応用され、さらなる発展を目指して基礎および応用研究が進められています。その一方で、AIが導き出した結果を原因にさかのぼって検証することやその有効性の根拠となる根本原理の解明は、いまだ未知の領域にありブラックボックス化しているといえます。

「知の物理学」では、これまでの既存の物理学研究の枠を超えた新たな挑戦として、現在世界的に関心を集めている「説明可能なAI(Explainable AI = XAI)」を物理学の基礎原理に基づいて構築し、原因から結果に至る因果関係を演繹的にモデル化するなど、物理学とAIが融合する新しい学問領域の創出を目指します。そして、究極的には、人間の知性が発現する数理的構造の解明に取り組みます。

知の物理学研究センターは、物理学とAIの融合を目指す国際的に卓越した研究拠点として発展させると同時に、世界的に例を見ない物理学とAIの分野横断的な教育拠点として、物理原理の深い理解に根差した高度情報処理人材の育成も行います。

ご寄付のお願い

本センターによる基礎的学理研究による波及効果は、物理学や人工知能分野は言うに及ばず、様々な分野に応用可能な新しい高度情報処理技術への展開が可能であり、ひいては、AI技術の信頼性が物理原理によって担保される安全な社会応用へと繋がっていくことが期待されます。

特に、自動運転や医療・金融・司法判断など、説明責任が求められる分野において、機械学習の動作原理を根本的に理解するニーズに応え、私たちが直面している喫緊の課題の解決に貢献します。

また、従来の研究者・技術者教育とは一線を画する、物理原理の深い理解とAIの知見に基づき幅広い分野を俯瞰できる人材を育成・輩出することにより社会に貢献します。

このように、私たちの日々の生活を含めた社会を大きく駆動する「知の物理学研究センター」の活動に、個人や企業の皆様から裾野広いご支援を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。

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ご寄付の主な活用

  • 大学院生(若手研究者)の育成
    奨学金および研究費
    海外の大学や研究機関での研修
    国際学会への積極的参加および発表

  • ポスドク(博士研究員)雇用による研究の加速

202304図 知の物理学研究.jpg

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2023年活動報告
-センターシンポジウムを開催いたしました!-

2024年01月10日(水)

2023年10月24日、25日の2日間、東京大学小柴ホールにて、当センターとダイキン工業株式会社様共催の「ipi-ダイキン シンポジウム」を開催いたしました。
2018年12月に理学系研究科直下に発足した当センターは、2019年2月に当基金を設置、AIのトップ研究者である教授陣の獲得を開始し、2020年7月には当センターの取り組みにご賛同いただいたダイキン工業株式会社様のご支援により寄付講座を開設、現在専任4名、兼任7名の教授・准教授を擁し、若手研究者についても積極的に雇用、研究支援を行っています。
本格的に研究・教育活動を開始した2020年以降はコロナ禍にあり、センターのお披露目となるシンポジウムを行うことができませんでしたが、この度満を持して「ipi-ダイキン シンポジウム」を開催、皆様へのご紹介を行うことができました!当日のプログラム等についてはぜひ当センターのサイトをご覧ください。
シンポジウムの2日間は当センターの教授陣に加え、知能学習・数理情報・非線形非平衡の多彩な専門家にご講演を行っていただき、また当センター研究室の学生、学外研究者によるポスター発表、研究者同士での意見交換会、ダイキン工業株式会社様の寄付講座活動のご報告を行いました。当基金にご寄付いただいた皆様にもぜひご参加いただきたく、事前にご案内を送付させていただきました。
シンポジウムは多くの方々にご参加いただき、盛況のうちに終了いたしました。2024年には3日間の日程で国際シンポジウムを開催予定です。

[知の物理学研究_写真1]シンポジウム_1.jpg
[知の物理学研究_写真2]シンポジウム_2.jpg

[知の物理学研究_写真3]シンポジウム_3.jpg「ipi-ダイキン シンポジウム」の様子(2023年10月24日~25日)

これまで30回以上を数えオンライン開催をしてきた「ipiセミナー」も2023年5月以降は現地・オンライン配信のハイブリッド開催としています。
この「ipiセミナー」は若手研究者の研鑽の場として本基金設置以降、トップ研究者によるご講義を行ってまいりました。下記に示すように2023年は8回のご講義を実施、毎回60名程度の熱心なご参加者の交流の場となりました。

[知の物理学研究セミナー一覧]

2023年
12月27日
深井 朋樹 氏(沖縄科学技術大学院大学)
「Graphical information representations in associative memory models」
12月12日  植村 誠 氏(広島大学)
「Data Science in Astronomy and Observation of Galactic Transients」
12月5日 太田 敏博 氏( サイバーエージェント AI Lab)
「Hopfield/Mixer correspondence: towards a better understanding of MetaFormers architecture design」
11月21日  Liu Ziyin 氏(東京大学)
「Understand and analyze deep learning through the lens of symmetry」
7月21日 山崎 隼汰 氏(東京大学)
「Quantum Ridgelet Transform: Winning Lottery Ticket of Neural Networks with Quantum Computation」
6月9日 奥野 彰文 氏(統計数理研究所)
「特定された不確実性を利用する貪欲かつ楽観的なクラスタリングと天文学への応用」
5月29日 玉井 敬一 氏(東京大学)
「Non-equilibrium phase transitions in artificial deep neural networks」
1月13日 一杉 太郎 氏(東京大学)
「Machine learning and robots change the way of our research」

 

[知の物理学研究_写真4]ipiセミナーの様子.jpg

研究・教育にますます邁進してまいりますので
引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

2022年活動報告
-プレスリリース情報-

2023年01月27日(金)

今年度は知の物理学研究センターのメンバーが主要な著者である研究論文発表について、2件のプレスリリースが行われました。ますますの研究推進が期待されます。

1)「AIのELSIセグメント」の提案
当センターHARTWIG Tilman助教と東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)、金沢大学による論文がAI倫理の国際的学術誌であるAI and Ethicsオンライン版に2022年9月1日付で公開され、プレスリリースを行いました。
Ikkatai, Y., Hartwig, T., Takanashi, N., and Yokoyama H.M.
“Segmentation of ethics, legal, and social issues (ELSI) related to AI in Japan, the United States, and Germany. “, AI Ethics (2022).

研究グループは、先端技術に対して人々が感じる倫理的・法的・社会的課題 (Ethical, Legal and Social Issues:ELSI) のレベルを数値で可視化するプロジェクトを進めてきました。このたび、倫理的、法的、社会的課題のレベルを3項目の測定を用いて、意見の傾向が異なる人々を4つのグループ(楽観的な人々、否定的な人々に加えて、法律に問題があると思う人々、法律に問題がないと考える人々)に分けることが適切であると結論づけました。これを研究グループは「AIのELSIセグメント」と呼び、今後AI技術のELSIに関する議論や対話にこのセグメントが有用であると考えています。

図1: 倫理的、法的、伝統的の3軸にプロットした日米独、4つのシナリオの回答。セグメントによって、楽観的なグループ(水色)、否定的なグループ(オレンジ)に加えて、法律を問題視するグループ(紺)、法律を問題視しないグループ(えんじ色)に分けることができた。(クレジット:Ikkatai et al./Kavli IPMU)
 

2)ナノダイヤモンド磁場イメージング ― 量子計測×機械学習の新展開
当センター小林研介教授、同研究室の大学院生らは、当センター蘆田祐人准教授とともに、ナノダイヤモンド中の窒素空孔中心の磁場依存性の精密な測定結果を機械学習し、従来法よりも最大で50倍程度正確性の向上した磁場イメージングに成功しました。
Tsukamoto, M., Ito, S., Ogawa, K., Ashida, Y., Sasaki, K., and Kobayashi, K. “Accurate magnetic field imaging using nanodiamond quantum sensors enhanced by machine learning”, Scientific Reports, 12, 13942 (2022) -published on Sep. 1, 2022

ダイヤモンド中の窒素空孔中心の電子スピンの量子状態は、室温においても長く保たれ、光学的に読み出せる稀有な特性をもつことから、量子センサとして期待されています。本研究では、膜状に分布させたナノダイヤモンド中の窒素空孔中心の磁場依存性を機械学習することで、精密な磁場イメージングに成功しました。磁性体、電子デバイス、生物、鉱物など、さまざまな形状を持つ測定対象表面の磁場分布の調査において強力なツールとなります。本研究はダイヤモンド量子センサを用いて高空間分解能かつ正確に磁場を推定する新手法を提示したものであり、局所的な磁場計測が必要となる物理、生物、地学など幅広い分野の研究の発展に貢献します。


●オンラインセミナーの実施
若手研究者の研鑽の場として、引き続き今年度も新進気鋭のトップ研究者によるセミナーを開催いたしました。当センターの基盤であるAIに関する知見だけでなく、今回より、研究連携している量子コンピューターにかかる、入門から専門的な内容を網羅するセミナーもセンターメンバーの人脈を通じて実現いたしました。新型コロナウィルス感染症の影響により対面は見送り、オンライン開催として計8回実施いたしました。全て英語講演、各回とも100名程度の学生、研究者の参加がありました。ご講演後の質問コーナーはトップ研究者との貴重な交流の場となっており、ここから新たな研究の可能性がうまれています。またご講演者の賛同を得て講演時資料をセンターHPに掲載させていただいており、多くの方々に閲覧可能となっています。

[知の物理学研究セミナー一覧]

2023年 1月17日

一杉 太郎氏(東京大学)
「Machine learning and robots change the way of our research」

2022年12月20日

富谷 昭夫 氏(東京国際工科専門職大学)
「Lattice QCD and Machine learning」

2022年12月 8日

Tomer GALANTI 氏(マサチューセッツ工科大学)
「On the Role of Neural Collapse in Transfer Learning」

2022年11月24日

原田 健自 氏(京都大学)
「Compressing neural networks by tensor networks」

2022年11月10日

橋本 幸士 氏(京都大学)
「Deep learning and emergent spacetime」

2022年10月19日

森脇 可奈 氏(東京大学)
「Deep Learning Application for Reconstruction of Large-Scale Structure of the Universe」

2022年 7月11日

南 賢太郎 氏(株式会社 Preferred Networks)
「Deep Learning for Financial Applications」

2022年 5月26日

秋山 進一郎 氏 (東京大学)
「Tensor renormalization group approach to quantum fields on a lattice」


●大学院教育研究活動 <教育実績>
2022年4月より当センターでの修士インターンを希望するフランス国籍学生1名を受入れ、当センターHARTWIG助教が研究指導を行いました。またオンラインではドイツ、中国の学生を指導し、うち1名は東京大学大学院理学系研究科に大学院生としての入学が決まりました。
また2022年12月より1か月間HARTWIG助教がドイツのハイデルベルク大学にてシミュレーションコードにかかる共同研究を行うため渡航しました。現地では学生、研究者に向けセミナーを行いました。



●広報活動
知の物理学研究センターおよび知の物理学研究センター支援基金を紹介するwebサイト(https://www.phys.s.u-tokyo.ac.jp/lp/ipi/)を適宜更新し本センターの活動、支援基金についての情報発信に努めております。
12月には東大150周年オンラインチャリティーイベント、「UTokyo Giving Campaign 2022」ファン☆レイジングへ参加し、当基金の知名度アップを目指しました。当基金プロジェクトに応援コメントをいただいた皆様に感謝申し上げます。
また当センターの活動ご報告として、これまで基金にご寄附いただいた皆様に第2弾となるニュースレター2022を作成し、発送いたしました。

引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

2021年活動報告
-オンラインセミナーでトップ研究者たちと交流-

2022年01月27日(木)

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●オンラインセミナーの実施
新型コロナウイルス感染拡大の影響により中断していたセミナーを、学内、および、以前の参加者のご意見を伺い、今年度よりオンライン開催として新しい形態で行いました。全て英語講演、各回とも70名から120名程度の学生、研究者の参加者があり、ご講演の後には質問コーナーもあり活発な議論が行われ新進気鋭のトップ研究者との貴重な交流の場となりました。またご講演者の賛同を得て講演時資料をHPに掲載させていただいており、多くの方々に閲覧可能となっています。

[知の物理学研究セミナー一覧]

2022年
1月26日

 Quoc Hoan TRAN 氏(東京大学)
「Quantum Reservoir Computing - from Classical to Quantum Time Series Processing」
2022年
1月11日
坂田 綾香 氏(統計数理研究所)
「Statistical physics for the Bayesian statistical decision: an application to Group Testing」
2021年
12月16日
八井田 翔 氏(Meta AI)
「Effective Theory of Deep Neural Networks」                             
2021年
11月30日
Shirley Ho 氏(プリンストン大学)
「Interpreting (some) neural networks with symbolic regression」
2021年
10月28日
 吉野 元 氏(大阪大学)
「Design space of a deep neural network-its spatial evolution and robustness」
2021年
7月13日
今泉允聡 氏(東京大学)
「Generalization Analysis of Deep Learning: Implicit Regularization and Over-parameterization」
2021年
6月9日
Lenka Zdeborova 氏(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)
「Understanding machine learning via exactly solvable models」
2021年
5月27日
吉岡信行 氏(東京大学)
「Encoding many-body physics into neural networks」
2021年
4月22日
 大関真之 氏(東北大学)
「Quantum annealing and its application for practical problems」

●大学院教育研究活動 <教育実績>
 2021年12月より1か月間HARTWIG Tilman助教がドイツのハイデルベルク大学にてシミュレーションコードにかかる共同研究を行うため渡航しました。現地では当センターでの修士コースインターンを希望するフランス国籍学生2名の指導を行いました。

また2021年度は、理学系研究科物理学専攻の大学生、院生から構成される研究グループにおいて、HARTWIG助教による教育研究活動がゼミ形式によって行われました。

Time April-Sept. 2021
Objective "Galactic Dynamics"
Participants 3 international Graduate Students from the School of Science
Lecture Contents
based on
"Galactic Dynamics" by Binney & Tremaine
Topics Covered Statistics, Stellar Dynamics, Phase Space, Dark Matter, MCMC
Time Oct. 2021 - Jan. 2022
Objective "AI Applications for Astronomy"
Participants 6 Undergraduate Students from the School of Science
Lecture Contents based on "Generative Deep Learning:Teaching Machines to Paint, Write, Compose, and Play" by David Foster
Topics Covered Generative Modelling, Deep Learning, Variational Autoencoders, Astrophysics, Cosmology

●広報活動
知の物理学研究センターおよび知の物理学研究センター支援基金を紹介するwebサイトを適宜更新し本センターの活動、支援基金についての情報発信に努めております。
また継続会員としてご支援いただいている方々に謝意をお伝えするカードを発送いたしました。

●参画企業との共同研究へ向けた取り組み
1)「知の物理学研究」寄付講座の運営 
参画企業とその企業のもつ課題解決に向けた取り組みを開始するべく、2020年7月1日に寄付講座が設置されて以降活発な活動を続けています。
本講座は物理学と人工知能を融合する新しい学問を創生することを研究目的とし、本研究で得られる成果により、AIの信頼性が物理原理によって担保される様々な応用が期待されています。さらに、本成果により育成された人材が、物理学とAIの融合分野を発展させる役割を果たし、社会への貢献を図ると期待されています。人材育成の一環として、本学大学院生を対象にフェローシップ制度を創設、2021年度フェロー(第2期)生を選抜し、2020年度第1期生とともに支援を行っています。また世界トップクラスの高い能力を有する若手研究者を特任助教として採用、研究・教育のチャンスを提供しています。

2) 量子コンピュータにかかる寄付講座との共同研究
知の物理学研究センターに属するメンバーが深く関わる新たな寄付講座が2021年6月1日理学系研究科に設置されました。
本寄付講座は量子コンピュータを活用した新しい量子機械学習手法や量子アプリケーションの開発を進めることなどを目的とし、本プロジェクトとも連携していきます。

3) 企業との共同研究
センター所属の若手メンバーにより、企業様とのAIにかかる共同研究の準備を進めており、2022年度開始を目指しています。


いただいたご寄附については貴重な財源として活用を検討中であり、下記を計画しています。
・大学院生・若手研究者の支援
・研究費の支援
・研究セミナーの開催支援
・海外の大学や研究機関での研修
・国際学会への参加および発表支援

今後もご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

2020年活動報告
-セミナー実施、大学院教育研究活動、参画企業との共同研究へ向けた取り組み-

2021年02月10日(水)

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●セミナーの実施
2019年3月より2020年1月にかけ、国内外より気鋭の研究者を招きセミナーを開催していましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言発令により、4月以降の予定が全てキャンセルとなってしまいました。学内、および、以前の参加者のご意見を伺い、次年度以降はオンライン開催として新しい形態で継続して行う予定です。
[知の物理学研究セミナー]

2020年1月9日 Themis Palpanas 氏(Paris Descartes University)
「Scalable Machine Learning on Large Sequence Collections」

●大学院教育研究活動

写真1
2020年3月コンセプシオン(チリ)で開催された「First Stars」国際会議でHARTWIG Tilman助教が招待講演を行い、また3人の学生とポスター発表を行い、1位を獲得しました。このポスターでは、宇宙最初の星(初代星)が生まれる様子のコンピューターシミュレーションを行い、近傍宇宙の観測から初代星の特徴をさぐるための理論計算を行う数値計算プログラム「A-SLOTH」についての発表をしました。
画像
 

2020年 Sセメスターに理学系研究科物理学専攻の大学院生12名から構成される「機械学習に関する研究グループ」において、HARTWIG助教による教育研究活動がオンラインによって行われました。

Time April-July 2020
Objective Study together "Generative Deep Learning" and its application to our research.
Participants Students and faculty from the University of Tokyo and international research students. In total 12 participants.
Lecture Contents based on "Generative Deep Learning: Teaching Machines to Paint, Write, Compose, and Play" by David Foster
Topics Covered Generative Modelling, Deep Learning, Variational Autoencoders, GANs, LSTM Networks, reinforcement learning

●広報活動
知の物理学研究センターおよび知の物理学研究センター支援基金を紹介するwebサイト(https://www.phys.s.u-tokyo.ac.jp/lp/ipi/)を適宜更新し、本センター・支援基金についての情報発信に努めました。
また、ご支援による研究活動のご報告のために「知の物理学研究ニュースレター vol.1 2020」を作成しました。基金にてご支援いただいている知の物理学研究センターについて、設立の経緯、メンバーの紹介、活動報告等をコンテンツとし、A4 6ページの冊子を今までご寄付いただいた皆様に12月に発送しました。

●参画企業との共同研究へ向けた取り組み

  1. 「知の物理学研究」寄付講座の設置

    参画企業とその企業のもつ課題解決に向けた取り組みを開始するべく、2020年7月1日に寄付講座が設置されました。
    本講座は物理学と人工知能を融合する新しい学問を創生することを研究目的とし、本研究で得られる成果により、AIの信頼性が物理原理によって担保される様々な応用が期待されます。さらに、本成果により育成された人材が、物理学とAIの融合分野を発展させる役割を果たし、社会への貢献を図ると期待されます。人材育成の一環として、本学大学院生を対象にフェローシップ制度を創設、2020年度フェロー(第1期)生を選抜し支援を開始しています。また特任助教の公募を開始し、高い能力を有する若手研究者を2021年3月より雇用予定で、研究・教育のチャンスを提供する予定です。
     
  2. 量子コンピュータにかかる寄付講座との共同研究

    知の物理学に属するメンバーが深く関わる新たな寄付講座も2021年度理学系研究科に設置予定です。
    本講座は量子コンピュータを活用した新しい量子機械学習手法や量子アプリケーションの開発を進めることなどを目的とし、本プロジェクトとも連携していきます。

 

いただきましたご寄付については、貴重な財源として以下のように活用させていただくことを検討しております。今後もご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

  • 大学院生・若手研究者の支援
  • 研究費の支援
  • 研究セミナーの開催支援
  • 海外の大学や研究機関での研修
  • 国際学会への参加および発表支援

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2019年活動報告 
-人工知能と物理学の融合を目指す人材育成に貢献しています-

2020年03月13日(金)

PJ画像4

●セミナーの実施
 2019年3月より2020年1月にかけてセミナーを開催し、国内外より気鋭の研究者を招き、研鑽を重ねました。開催状況は下記の通りです。本セミナーは、次年度も継続して行う予定です。
 

201937

船井(柴)正太郎 氏 (沖縄科学技術大学院大学)
Renomalization, Thermodynamics, and Feature Extraction of Machine Learning

201944

Tarin Clanuwat (国立情報学研究所,人文学オープンデータ共同利用センター)
Pre-modern Japanese Kuzushiji Character Recognition with Deep Learning

2019424

池田思朗 氏 (統計数理研究所)
「スパースモデリングと Event Horizon Telescope によるブラックホール撮像」

201966

白崎正人 氏 (国立天文台)
De-noising image of cosmic large-scale structure with deep learning

201978

小林研介 氏 (知の物理学研究センター)
Fluctuations in Mesoscopic Systems

201988

Denny Wu 氏 (University of Toronto & Vector Institute for Artificial Intelligence
Generalization of two-layer neural networks: an asymptotic view

 201995

Shreya Sharma (NECデータサイエンス研究所)
Deep learning in remote sensing

20191011

田中秀宣 氏 (スタンフォード大学/Stanford
 From deep learning to mechanistic understanding in neuroscience: the structure of retinal prediction

20191017

Ziyin Liu 氏 (東京大学大学院理学系研究科物理学専攻)
Careful Deep Learning: Learning to Abstain by Training on A Simple Loss Function

 2019125

Gentiane Venture (Tokyo University of Agriculture and Technology)
Vincent Hernandez (Tokyo University of Agriculture and Technology & Surfclean)

Deep learning for human activity recognition

202019

Themis Palpanas 氏(Paris Descartes University
Scalable Machine Learning on Large Sequence Collections

●大学院教育研究活動 <教育実績> 2019年 Sセメスター
 理学系研究科物理学専攻の大学院生10名から構成される「機械学習に関する研究グループ」において、Tilman HARTWIG助教による教育研究活動が行われました。

●国際教育研究活動 <国際コミュニティへの貢献>
【リベリア大学におけるAIコロキウムの開催】 2019年8月
 リベリア大学において、「キャンパスでの学術討論と政策議論を奨励および促進するために設計された大学プログラム」であるLux Talkを行いました。

 Tilman HARTWIG助教による「人工知能:科学的発見への応用」に関する講演において、知の物理学研究センターの研究活動と将来のプロジェクトを紹介しました。コロキウムへは50人以上の教員および学生が参加、活発な議論を行い、将来の共同研究に向けた基盤を築くことができました。

知の物理1.jpg


●社会連携活動
【「宇宙の謎にAI(人工知能)で迫ろう!」の開催】 2019年8月

 AI(人工知能)に関する 公開レクチャーを開催、10代から50代まで、性別を問わず 計20名以上が参加しました。当日はAIについての講義(適用例、使用機会、リスクなど)と、教師なし学習のアルゴリズムを用いた2種類の実習を行い、AIについて多くの方が興味を持っていることが伺えました。

知の物理3.jpg


●広報活動
 知の物理学研究センターおよび知の物理学研究センター支援基金を紹介するwebサイト(https://www.phys.s.u-tokyo.ac.jp/lp/ipi/)の開設や更新の他、2019年3月にリーフレットを制作しました。
 制作したリーフレットは、関係研究者、セミナー等の参加者に配布、また、東京大学オープンキャンパス(理学系研究科/理学部)、大学院理学系研究科物理学専攻大学院入試ガイダンス開催時などに設置し、本センター・支援基金についての情報発信に努めています。

●「知の物理学研究」寄付講座の設置(予定) 参画企業との共同研究へ向けた取り組み
 参画企業とその企業のもつ課題解決に向けた取り組みを開始するべく、寄付講座が設置される予定です。
 本講座は物理学と人工知能を融合する新しい学問を創生することを研究目的とし、本研究で得られる成果により、AIの信頼性が物理原理によって担保される様々な応用が期待されます。さらに、本成果により育成された人材が、物理学とAIの融合分野を発展させる役割を果たし、社会への貢献を図ると期待されます。





 

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寄付目的・支援先を指定できます
お名前 日付 金額 コメント
松岡 浩 2023年04月03日 300,000円 私のライフワークは、流体と弾性構造体の超高速連成解析手法の開発です。空間格子点上における仮想粒子集団挙動の確率的な時間発展計算のAI実行を検討してきました。この種の課題に潜む奥深い物理原理の存在を予感し「AIや機械学習のブラックボックスを解明する究極の物理学」の発展を応援します。
<知の物理学研究センター支援基金>
******** 2022年11月26日 50,000円 民間サービスはともかく、大学が生むAIは説明可能であることが重要だと思います。
<知の物理学研究センター支援基金>
******** 2021年09月03日 10,000円 毎日くる猫が腎臓病で肺にも腫瘍がありもう長くはないかも知れません。しかし若い猫などの腎臓病が良くなる、治る、とても素晴らしい研究で猫達が病気になっても安心できる日々がくる事を願っています。
<知の物理学研究センター支援基金>
******** 2021年08月23日 5,000円 上田先生の研究室では非常に基礎的で重要な研究をなされてきていると思いますので、深層学習に関してブレークスルーを生み出して頂きたいと思います。また物理寄りの教科書がないので物理の視点からの専門書を出して頂けることを期待しています。
<知の物理学研究センター支援基金>
******** 2020年11月30日 1,000円 入りたかった理物
<知の物理学研究センター支援基金>
******** 2020年11月30日 1,000円 プリンストンの人を若い内に体験出来ますように
<知の物理学研究センター支援基金>
小川 悠仁 2020年02月02日 5,000円 科学を前に推し進めようと前線で頑張る方々の役に少しでも立つことができればうれしいです。少額ですが。
<知の物理学研究センター支援基金>
大下 範晃 2019年05月14日 2,000円 深層学習の解明,応援しております.
<知の物理学研究センター支援基金>
1

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プロジェクト設置責任者

知の物理学研究センター
センター長
樺島 祥介

今年度寄付総額
10,405,250円
今年度寄付件数
22件
現在の継続寄付会員人数
3人
累計寄付総額
13,483,750円

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ご寄付の特典

「東京大学基金」の特典が適用されます。

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教育学部・教育学研究科教育研究創発基金「教育学部創立70周年記念基金」

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国際舞台で活躍する優秀な人材を社会へ輩出

PEAK奨学金制度(東京大学総合文化研究科・教養学部基金)

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ヒトの知性はどのように生じるか?

ニューロインテリジェンス国際研究機構(IRCN)基金

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小型模擬人工衛星CanSatプロジェクトへの挑戦基金

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分子の仕事人が世界を変える

統合分子構造解析拠点「FS CREATION」における研究と教育の支援基金

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新しい「生命の概念」をつくる

UT7(次世代生命概念創出研究グループ)基金

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東日本大震災救援・復興支援プロジェクト

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異才発掘プロジェクトROCKET基金

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