新領域創成科学研究科は、「学融合」の理念を掲げて21世紀における新たな学問領域を創出することを目指し、東京大学の全学的支援のもとに多様なバックグラウンドを持つ教員研究者が全学および内外の研究・教育機関から結集して、1998年に創設されました。2000年には、本郷キャンパス、駒場キャンパスに続く東京大学の第三番目の極であり、豊かな緑と先進的な都市機能が融合された未来志向都市の中核をなす「柏キャンパス」(千葉県柏市)という拠点を得て、その名が示す通り、常に知のフロンティアを求めて挑戦してきました。
「基盤科学研究系」、「生命科学研究系」、「環境学研究系」に属する11の専攻と研究科が実施する博士学位プログラムである「サステイナビリティ学大学院プログラム」、そして、それぞれに特徴ある3つの研究センターから構成される本研究科には常時、各分野をリードする200名余の教員と1,500名余の学生が在籍し、ナノ、物質・材料、エネルギー、情報、複雑系、生命、医療、環境、国際協力などの専門性とそれらの相互刺激のもとに、伝統的な学問体系では扱いきれなくなった現代の様々な課題を俯瞰的に捉えた研究、教育を推進しています。
未知の分野を開拓し、研究と教育を高い水準で維持・発展させていくためには、安定的な財源を確保することが非常に重要となります。この「新領域創成科学研究科基金」を通じて次のような事業を強力かつ持続的に実施することによって、人類が直面する新しい課題に挑み続ける科学と21世紀の地球社会を担う、次世代人材の育成を進めてまいります。
みなさまからのご寄付は、新領域創成科学研究科における「若手研究者」や「大学院生」の研究活動に活かされ、日本の科学技術の未来を担う人材の育成につながります。
若手研究者は実績が少ないため、研究費の獲得が難しいのが現状です。そこで本研究科では、異分野横断型の新たな研究領域を開拓する研究者や、多様な学びに挑戦する大学院生を支援するためさまざまな制度を設けています。本基金では特に、次の制度を支援しています。
これらの取り組みは、研究における「学融合の推進」と「多様な学生教育の実現」という本研究科の中心的なテーマに基づいています。
2025年12月23日(火)
今年初め、過去200年の間に人々の自然とのつながりが大きく低下していることが報告されました。イギリスのシェフィールドでは、人々が自然の中で過ごす時間は1日あたり5分未満とされています。また、書籍において自然に関する言葉の出現頻度は、1800年代に比べて60%減少しています。
今夏『ガーディアン』紙で、マイルズ・リチャードソン教授は次のように述べています。「自然とのつながりの喪失は、環境危機の主要な原因として認識されるようになっています。それは私たちのメンタルヘルスにとっても極めて重要です。自然と人のウェルビーイングを結びつけるものでもあります。社会と自然との関係を変えるためには、変革的な転換が必要です。」
柏の畑プロジェクトは、この状況を変えるための取り組みを積極的に進めてきました。近頃では、気軽に参加できる農家コミュニティを立ち上げ、現在17名のメンバーが土地の管理に主体的に関わっています。さらに11月には、自然とのつながりを取り戻すための一連のイベントを開催しました。アウトドア版「気候フレスク」、持続可能な未来を考えるワークショップ、収穫を祝うさつまいもフェスティバルなど、多様な活動が行われました。
支援者の皆さまへ
皆さまの寛大なご支援に、心より感謝申し上げます。そのおかげで、私たちは不安なく目標の実現に向けて取り組み、豊かな社会・生態コモンズを再び紡ぎ直すことができています。近頃、ようやく私たちの努力の成果が形になり始めており、これは私たちが活動をさらに継続し、より公正で再生的かつレジリエントな社会へと向かう、この共有の旅路を一層強めていく大きな励みとなっています。
2025年01月24日(金)
新領域創成科学研究科基金は、研究科の「学融合研究推進調査費」と「学生創成プロジェクト支援プログラム」の予算として活用させていただくことになりました。
「学融合研究推進調査費」とは、研究科における学融合研究のシーズを発掘することを目的として、研究のスタートアップ的に使う調査費です。これまでも様々なテーマで、専攻を超えた他分野の教員が共同して研究を進めるきっかけ作りとなってきました。
「学生創成プロジェクト支援プログラム」とは、研究科の学生が中心となる学生団体が自主的に企画立案し、学内外における学術的コミュニケーションの促進や、地域や社会への学術的貢献などに資する萌芽的な試み及びその発展的な実施継続を経済的に援助する費用です。これまでも学生の地域支援などの活動を支援してきました。
なおこの二つの活動は、研究において学融合を目指すことと、柏キャンパスで多様な学生の教育を目指すという研究科の中心的なテーマに即したものです。また基金の目標とする5つのテーマのうち、下記の3つに合致するものです。
(1)日本人学生・留学生の修学支援、研究教育環境の整備
(2)未来の科学や産業の基礎となりうる学融合的シーズ調査・研究の推進
(3)大学の知を新しい社会構築につなげる地域連携プロジェクトの推進
2023年02月13日(月)
本基金の目的達成のため、規則を制定し、その使途について検討を行っています。
研究科基金は、目的を達成するため、次に掲げるいずれかの事業に充てることとします。
(1) 日本人学生・留学生の修学支援、研究教育環境の整備
(2) 未来の科学や産業の基礎となりうる学融合的シーズ調査・研究の推進
(3) 大学の知を新しい社会構築につなげる地域連携プロジェクトの推進
(4) SDGs (Sustainable Development Goals) の実現につながる各種プロジェクトの推進
(5) その他、研究科長が研究科基金の趣旨に合致すると認めたもの
新領域創成科学研究科は、「学融合」の理念を掲げて21世紀における新たな学問領域を創出することを目指し、 東京大学の全学的支援のもとに多様なバックグラウンドを持つ教員研究者が全学および内外の研究・教育機関から 結集して、平成10年に創設されました。
2018年度に研究科創立20周年を迎えたのを機に、20周年記念事業や研究科の教育、研究への支援を目的とした20周年記念基金を2年間の期限(2018.4.1~2020.3.31)で設置しておりましたが、それを引き継ぐ形で本基金を新たに設置いたしました。
引き続きのご支援とご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
2019年04月25日(木)
新領域創成科学研究科では、2018年度に研究科創立20周年を迎えたのを機に、20周年記念事業や研究科の教育、研究への支援を目的とした本基金を設置しました。
主な活動・寄付金の使途
2018年度に寄付募集を開始したばかりのため、まだ支出実績はありませんが、今後は以下のように活用させていただく予定です。
継続支援のお願い
新領域創立20周年基金は、未知の分野を開拓し、研究と教育を高い水準で維持・発展させていくために、非常に重要な安定的な財源を確保するための基金です。この資金を通じて上のような事業を強力かつ持続的に実施することによって、人類が直面する新しい課題に挑み続ける科学と、21世紀の地球社会を担う次世代人材の育成を進めてまいります。
皆様の篤いご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
<新領域創成科学研究科基金>