
1903年のライト兄弟の初飛行、ツィオルコフスキーのロケット理論発表後、約120年の間に世界の航空宇宙工学は著しい発展を遂げました。その中で、1920年に東京帝国大学工科大学(現 東京大学工学部)に創設された航空学科(現 航空宇宙工学科)は、2020年に100周年を迎えます。
その間、本学科の卒業生は戦後初の国産航空機YS-11の実現や、「はやぶさ」など宇宙活動の展開を通じて、わが国の航空宇宙分野の先駆的な役割を果たしてきただけでなく、自動車産業など、その技術を活かした関連産業の発展にも大いに貢献してきました。その活躍の場は地上から宇宙まで広範囲にわたり、競争と協力の国際関係のなかで指導的立場にあります。
航空宇宙工学を志す学生および若手研究者は国際性を身につけ、海外の研究者・技術者と積極的に交流する必要があります。このため、2020年の航空学科創設100周年を機に、当該学生および若手研究者に海外渡航費や滞在費を経済的に支援する「航空宇宙研究教育支援基金」(愛称:世界に羽ばたく「ソラびと」を育てよう)を東京大学基金に設置しました。
航空学科創設100周年を祝い、次の100年への期待を込めて、ご支援をお願い申し上げます。
1903年 | ライト兄弟初飛行、ツィオルコフスキーのロケット理論 |
1918年 | 東京帝国大学工科大学航空学講座設置 |
1920年 | 航空学科創設 |
1945年 | 活動休止 ~1954年 |
1954年 | 航空学科再開、航空学専修・原動機学専修の2コース制 |
1963年 | 宇宙工学専修設置により3コース制 |
1993年 | 航空学科を航空宇宙工学科に改組 航空宇宙システム学専修と航空宇宙推進学専修の2コース制 |
2020年 | 航空学科創設100周年 |
次の100年を牽引する優秀な学生および若手研究者の海外武者修行のために、渡航費や滞在費等を支給する基金です。ぜひご協力ください。
【事業内容のお問い合わせ】
航空宇宙会事務局
E-mail:kokukai★aero.t.u-tokyo.ac.jp
( ※電子メール送信の際は、 ★を@に直してください。)
URL:http://www.aerospace.t.u-tokyo.ac.jp/alumni
2022年10月19日(水)
田中直輝(令和3年3月 推進コース卒業)
この度、航空宇宙工学科100周年記念の海外渡航支援ソラビトプログラムを利用させていただき、ドイツ留学に行くことが出来ました。僕にとって人生初の海外渡航がこのような形で実現できたことを本当に嬉しく思います。貴重な経験を通して得たものは何だったのか、自分なりの回答を綴り渡航報告とさせていただきます。
昨年2021年の10月から12月までの3ヶ月間、シュツットガルト大学宇宙システム研究所のGeorg Herdrich研究室に留学生として滞在しました。シュツットガルトは、ドイツ南西部のバーデン・ヴュルテンベルク州の州都であり、メルセデス・ベンツやポルシェの本社があることで有名です。中心部から少し離れたところに大学の工学系のキャンパスがあり、静かで研究をするにはとても良い環境です。
滞在中の活動としては、大気圏再突入を模擬したプラズマ風洞実験で宇宙機の破壊挙動を解析する研究に参加していました。低軌道からの再突入は落下地点の事前予測が難しく、パーツの分離や破壊の挙動を予測する必要があります。コンピューターシミュレーションのみでは予測が難しい箇所について実験を行い、破壊挙動のデータを取得することが研究の目的です。大気圏再突入チームのメンバーはアダム、ヨハネス、マルクス、クレメンスの4人でした。それぞれが小テーマを持っていましたが、実験が大掛かりなため、チームで協力して実験を行う方式でした。スイスからの留学生で3週間研究室に滞在していたアレクサンダーも一緒に実験を行いました。ランチの際の会話では、ドイツや日本の文化のことはもちろんですが、スペースエックスが開発中のスターシップのことや、ソユーズによる前澤氏の宇宙旅行のこと、日独仏で共同開発している再使用ロケット実験機CALLISTOのことなど、宇宙開発の話題で盛り上がりました。海外の学生に出会い、普段と異なる研究に触れ、宇宙開発について語り合うことで多くの刺激を受けました。
寮での生活では、研究室とは違う友人ができました。最初に仲良くなったのはインド人留学生のアルパンでした。部屋が隣だった彼とは渡航初日に知り合い、その日のランチを一緒に食べました。アルパンからアクシャイ、シダールタ、ロヒット、ジャナビと芋づる式にインド人の友人が増えていき、ものの一週間でインド人30人くらいのコミュニティに僕一人日本人という状況になりました。ここは実はドイツではなくインドなのではないかと錯覚してしまうこともありましたが、英語が母国語である彼らとのコミュニケーションは僕にとってはとても良い勉強になりました。彼らとの会話の中では将来のことについてよく聞かれました。日本で宇宙開発をやるよ、と説明しましたが、それ以上具体的に語るには自分の中に明確なプランがまだないことを痛感しました。
研究室が休みの土日には、いくつかの都市を旅行しました。特に印象的だったのはチェコの首都プラハです。赤い屋根の街並みの美しさも圧巻ですが、この都市はヨハネス・ケプラーとその師ティコ・ブラーエが天体観測をした場所としても有名です。旧市街広場の天文時計の横で夜空を見上げながら、ニュートンの法則が知られる前の世界で地道な観測結果のみから天体の運動に規則を見いだしたその偉業に思いを馳せました。かなりおこがましい気もしますが、自身の研究に対して身が引き締まる思いでした。
現在、宇宙開発の最前線としてはNASAを中心にESAやJAXAも参加して月、火星を目指すアルテミス計画が進行しています。スペースエックスをはじめとした多くの民間企業も宇宙開発をリードし始めています。今回のドイツ留学は僕にとって、自分が目指したい場所はどこなのか、そのために今やるべきことは何なのかを改めて考えるとても良い機会になりました。5年後や10年後に日本の宇宙開発の前線に関わっていたいという思いはより強くなりました。そして今回出会った友人たちと互いの分野で活躍する姿を見せ合えれば、この上なく喜ばしいことなのではないかと思います。将来のビジョンを見据えつつ、日々の研究に精一杯向き合いたいと思います。
2021年02月04日(木)
航空学科創設100周年記念事業に関連し、下記の活動を行いました。
また、皆様から賜りましたご寄付につきましては下記の活動に活用いたしました。
今後ともご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします。
<航空宇宙研究教育支援基金>
日本も、和をベースにしたJapaneseスタイリッシュジャンボプライベートジェットの生産を。
中型、大型のPJ、ビジネスジェットの生産を、日本も。
需要はある。
<航空宇宙研究教育支援基金>
<航空宇宙研究教育支援基金>
<航空宇宙研究教育支援基金>
<航空宇宙研究教育支援基金>
<航空宇宙研究教育支援基金>
<航空宇宙研究教育支援基金>
MSJの苦戦の現在はどちらを向いているのでしょうか
空も宙も次に目を配って
<航空宇宙研究教育支援基金>
<航空宇宙研究教育支援基金>
<航空宇宙研究教育支援基金>
<航空宇宙研究教育支援基金>
<航空宇宙研究教育支援基金>
<航空宇宙研究教育支援基金>
<航空宇宙研究教育支援基金>
<航空宇宙研究教育支援基金>
<航空宇宙研究教育支援基金>
<航空宇宙研究教育支援基金>
<航空宇宙研究教育支援基金>