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剣道部OB 藤井 健志 様(スポーツ振興基金応援メッセージ)

剣道部OB 藤井 健志 様(スポーツ振興基金応援メッセージ)

藤井 健志 様
「未来に花咲く若き力のために」
プロフィール┃1969年生まれ。岡山県岡山市出身。宗治道場で剣道をはじめ、小学生時代に全国大会優勝。中学時代は全国個人三位。教育学部教育行政学科(当時)卒。

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教育の未来の力を福島で実感

東京大学医科学研究所特任教授の上昌広先生は私の東京大学運動会剣道部時代の一期上の先輩。福島の生んだ昭和の剣聖、故小沼宏至先生(元警視庁剣道部主席師範)を師範にお迎えし、本郷キャンパス剣道場「七徳堂」でともに汗を流した仲です。偉大な先人、そして人材育成のために投資を惜しまなかった日本の伝統の生み出した環境で、我々は本当に充実した学生時代を過ごすことができました。

そんな上先生が東日本大震災による原発事故後すぐに福島浜通りに乗り込み、研究室スタッフを指揮し、命がけで現場の医療を支えているという話はすぐに私の耳にも入ってきましたが、それから間もなく、上先生ご本人から「医療で命、健康の不安を落ち着かせたら次は教育。藤井、頼む。」と声をかけられたとき、私は「はい」と答える一方で、正直予備校講師に被災地で何ができるか全く見当もつきませんでした。

とにかく上教授から教えていただいたtwitterアカウントで情報収集を開始。それから程なく東大経済学部松井彰彦教授による福島県立相馬高校への教育支援に関する「つぶやき」が目に入り、私も加わりたいと上先輩を通じて申し出て、松井教授の快諾をいただきました。それ以降、東大内外の協力者、そして東大剣道部OB,現役部員によって、相馬の教育現場の中核を担う相馬高校を拠点にした支援が続き、今では運動部の全国レベルでの活躍と同時に、2013年度入試においては43年間で3人目、12年ぶりの東大現役合格者が生まれるに至っています。

現在七徳堂で剣に打ち込む後輩たちにこの伝統を引き継いでゆきたい

そんな中で私が学び、気付かされたのは、被災地の子どもたちへの教育の重要性であると同時に、私自身の子ども時代、学生時代に与えられた教育の力でした。我々を育てるため先人達、当時のおとなたちが投資し、与えてくれた環境。福島出身で、世界に名をとどろかせていた指導者である小沼宏至先生による、東京の、しかも大学剣道では必ずしも強豪とは呼ばれていなかった我々に対する無償の指導。そして、損得勘定抜きで無心に剣に打ち込む中でともに泣き、ともに笑った仲間…。

我々の福島での活動は、若い時期に当時のおとなたちから与えられたこのような学習、運動の環境なしにはありえませんでした。中でも1888年に創部し、GHQによる武道禁止措置を乗り越えて存続する東大剣道部の伝統は、「きょうのおまんま」を後まわしにしてでも若い世代の教育に投資した日本近代の歴史抜きには成立しなかったでしょう。我々は間違いなく日本の子ども、みんなの子どもでした。

七徳堂で開催された相馬高校vs剣道部の招待試合
【七徳堂で開催された相馬高校vs剣道部の招待試合】

微力ながらも後進を指導する立場、今現在おとなとなった私も、現在七徳堂で剣に打ち込む後輩たちにこの伝統を引き継ぐべく、OBとして彼らを支え、また彼らの力を借りて社会貢献を続ける所存でございますし、皆様にご協力をいただいたスポーツ振興基金によって育てられた若者たちが、この美しい日本の未来にさらなる輝きをもたらすよう応援し続けようと思います。皆様のご協力に心から感謝申し上げます。

相馬高校剣道部との一枚 東京大学運動会剣道部との一枚
【相馬高校剣道部との一枚】         【東京大学運動会剣道部との一枚】

※福島での活動の詳細については「復興は現場から動き出す」(東洋経済新報社)、朝日新聞「プロメテウスの罠」26シリーズ・生徒はどこだ、月刊剣道時代2013年3月号等をご参照ください。

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