これから航空輸送需要はますます増加し、特にアジア環太平洋地域に集中すると予測されています。将来的には、日常的に宇宙往還機などが空港を往来するなど、さまざまな形態の運航が関わることも予想されます。
一方で、気候変動の影響、管制官・パイロットなどの人手不足、日本をとりまく地政学的リスクなどの課題は深刻です。航空安全を担保しながら、航空輸送を含む日本のサプライチェーンをいかに強靭化するのか。これまで比較的手薄だったサプライチェーン分析に「輸送」という新たな側面を加え、経済安全保障の強化はもとより、航空ネットワークにおける地方創生にも波及する対策を考えなければなりません。
そこで本事業では、以下の3つの目的を主軸にします。
本事業では、学際的かつ国際的な研究開発を実施するため、長期的なフィールドワーク(現地での情報収集・実験など)を行う必要があります。そのための旅費(移動費や滞在費)や実験機材の購入費が必要です。
また、航空宇宙モビリティ分野は2023年4月に発足した新しい研究室であり、学内の研究環境の整備も進んでいません。航空交通データやシミュレーション実験施設も充実させる必要があります。
いただいたご支援は、以下の使途に大切に遣わせていただきます。
・日本およびアジア地域の市民に対し、安全な空の旅と安定した物流を提供するための研究活動
・航空宇宙産業、物流産業、地域創世に貢献する
・東京大学における文理融合研究を促進し、アカデミアの発展と高度人材の育成に貢献する
日本だけでなく、アジアの航空安全に資する事業です。宇宙往還機が日常的に空港を往来する未来に、航空交通の管制とどのように共存させるのかなどの研究は、世界的にも新しく、新規性があります。
さらに、半導体産業や有事等の影響も含む地政学的リスクを考慮した航空サプライチェーンの分析と設計は過去に例がなく、国際政治経済分野等との文理融合研究に期待できます。
本事業では、東京大学の学生が積極的に研究開発に参加することで、国際的かつ学際的に活躍する高度人材も育成します。
本プロジェクトは、上述の3つの目的に対して、一定の成果が得られるまで継続して実施することを目指します。
この研究を継続的に発展させ、世界に対して実際的な成果を提供するためには、皆様からのご支援が欠かせません。
ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
<航空宇宙モビリティ基金>