★本基金へのご寄付は、理系あるいは環境に関わる人材育成が目的ですので、所得控除だけでなく、「税額控除」も適用可能です。
税制の優遇措置についてはこちらをご覧ください。
貴金属とは、化合物をつくりにくく、希少性のある金属という条件を満たす元素の総称で、金 (Au)、銀 (Ag)、白金 (Pt)、パラジウム (Pd)、ロジウム (Rh)、イリジウム (Ir)、ルテニウム (Ru)、オスミウム (Os) の8種類の元素を指します。
貴金属は資産としての価値を有するため、今後も人類は採掘と精錬、リサイクルを続けるでしょう。一般的に貴金属は、その美しさや希少性から工芸品や宝飾品に用いられると思われますが、一部の貴金属は、耐熱性、耐蝕性に優れ、特異な触媒特性を有することから、電子部品、自動車用排ガス触媒をはじめとする様々な分野で用いられています。スマートフォンや環境対応自動車など、貴金属は現代の私たちの豊かな生活には欠かせない金属です。
金および銀を除く貴金属の元素群は、白金族金属 (Platinum Group Metals: PGM) とよばれています。白金やパラジウム、ロジウムなどは、融点が高く、耐熱性、耐蝕性に優れ、特異な触媒特性を有することから、今では自動車用排ガス触媒、窯業の坩堝、電子部品などの様々な分野で用いられています。しかし、白金族金属の中で抜きん出て生産量が多い白金(Pt)やパラジウム(Pd)でさえ、世界生産量は年200トン程度と寡少です。白金族金属は稀少な元素で生産量に制限があるだけでなく、鉱石の供給源となる鉱山が南アフリカおよびロシアのごく限られた国の特定地域に偏っています。このため、資源セキュリティ・安定供給の面からも使用済みの製品(スクラップ)からのリサイクルによる信頼性の高い資源バッファを築き、長期的に循環利用できる供給ルートを確立することは緊急かつ重要な課題です。
現在も、高価な貴金属をスクラップから回収することは精力的に行われています。今後は、新たな用途や需要が増えれば、スクラップの特性に応じた多様な新しいリサイクル技術を開発する必要があります。日本には工業製品という形で多量の貴金属が蓄積されているため、資源の有効利用・安定供給の面からも、スクラップを効率良く、かつ環境を害さずに循環利用するルートが注目されています。
意外と知られていないことですが、日本は、世界中から多量の電子材料のスクラップや自動車排ガス浄化触媒のスクラップなど、貴金属を含むスクラップ(廃棄物)を輸入して処理し、貴金属をリサイクルしています。貴金属スクラップのリサイクルを推進する国の中では、日本は、技術的には世界のトップランナーです。
しかし、この貴金属のリサイクルは環境負荷を伴うため、環境調和型リサイクルプロセスの確立は極めて重要な課題です。
今の日本では、貴金属の精錬やリサイクルの研究を行う研究者や技術者が大幅に不足しています。
実のところ、貴金属の精錬・リサイクルプロセスは、研究に必要な最低限のインフラを整備するのに多大な手間とコストを要します。また、実験の難易度が高いため、費やす時間や努力の割には研究成果が上がりません。即効性が高い研究成果が求められる昨今、「貴金属精錬・リサイクルの研究」に取り組む人材は減っています。しかし、貴金属の精錬・リサイクル技術の開発は、困難な分、深みがあり、とても重要な研究分野です。貴金属に関する研究の重要性、将来性に魅了された若手は、研究者・技術者として大きく成長する可能性を秘めています。
若い世代が貴金属研究を長期的に続けるためには、新しいアイディアと高い使命感をもって、大きく変化する社会に柔軟に対応しつつ、研究や技術開発を推進できる安定した研究・教育環境が不可欠です。新しいアイディアは、多様な交流や経験によって生まれます。当基金は、シンポジウムや学生・若手研究者の海外派遣の実施など質の高い安定した環境の整備によって、研究者・技術者としての視野を広げるとともに、貴金属の研究と教育の進展、貴金属産業の飛躍的な発展を目指します。さらに、日本の貴金属生産の世界生産シェアをさらに向上させ、今後も、貴金属のリサイクル技術の圧倒的な大国として、全世界に貢献しつづけることを目的とします。
このような活動には、多額の経費がかかりますが、現状では、資金は恒常的に不足しております。貴金属の研究や教育の重要性や将来性に共感して頂ける皆さまのご理解、ご協力を賜り、どうか温かいご寄付を賜りますようお願い申し上げます。
2023年09月01日(金)
岡部 徹 教授が、学術・芸術・スポーツ分野で著しい業績を挙げた方に授与される令和5年春の紫綬褒章を受章されました。岡部教授のこの度の受賞は、以上のレアメタルの製錬やリサイクル分野の研究、教育、啓発活動の功績が高く評価されたものです。
詳細はこちらをご覧ください。
2022年05月26日(木)
2022年1月7日(金)、本所非鉄金属資源循環工学寄付研究部門(JX 金属寄付ユニット)、本所持続型エネルギー・材料統合研究センター、ならびに、レアメタル研究会の合同による特別シンポジウム「貴金属の製錬・リサイクル技術の最前線(第 9 回貴金属シンポ)」が東京大学生産技術研究所で開催されました。
当日は、岡部徹特任教授(生産技術研究所 所長)による開会の挨拶の後、黒川晴正特任教授と大内隆成特任講師による司会で進行し、貴金属製錬・リサイクルの現状や展望、さらには貴金属の利用について、5 件の講演が行われました。
生産技術研究所教授、所長の岡部徹先生が第62回(令和3年度)東レ科学技術賞を受賞されました。賞状の贈呈は、3月14日(月)に開催予定の(公財)東レ科学振興会の設立60周年記念式典において行われる予定でありましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により延期され、3月31日(木)に贈呈式のみが開催されました。
岡部先生は、35年以上にわたって一貫して、チタンをはじめとするレアメタルの精錬やリサイクルに関する研究に取り組んでこられました。この度は、「レアメタルの環境調和型リサイクル技術の開発」に関する先駆的な研究業績が認められ、本賞が授与されました。
詳細はこちらをご覧ください。
2021年3月26日(金)に、"URBAN MINING" - developing new and more sustainable methods for the production and resource recovery of metals used in modern electronic devises (都市鉱山からのレアメタル回収:電子材料スクラップからの新規かつ環境調和型のレアメタルの回収・生産技術の開発)の貢献に対して、ノルウェー科学技術大学 (NTNU) から岡部徹教授に名誉博士号 (the Degree of Doctor Honoris Causa at NTNU, Honorary Doctor of the Norwegian University of Science and Technology) が授与されました。
詳細はこちらをご覧ください。
2021年08月16日(月)
研究の紹介は4:39から始まります。
2021年05月17日(月)
2021年1月8日(金)に貴金属シンポジウム(第8回)を開催いたしました。講演会、交流会ともにオンラインのみでの開催となりましたが、約300名の方にご参加いただきました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、シンポジウム等はオンライン開催となり、学生・若手研究者の海外派遣の機会も無かったためご支援の活用はございませんでした。いただいたご寄附は2021年度以降の活動で活用させていただきます。
2021年04月20日(火)
岡部 徹 教授、竹田 修 リサーチフェロー、大内 隆成 助教が
「レアメタルの環境調和型リサイクル技術の開発に関する研究」で
令和3年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞しました。
○受賞コメント:
このたび、私どもが取り組んできました、レアメタルの環境調和型リサイクル技術の開発に関する研究に対して、このような栄誉ある賞を受賞することができ大変光栄に存じます。スクラップの中から、レアメタルをリサイクルする技術開発は、かつては、だれも見向きもしないマイナーな研究分野でした。
しかし、今では、電動車やスマートホンなどが普及し、レアメタルを多量に消費する社会になったため、注目を集めるようになりました。今後、技術発展と持続可能性の両立への要請から、さらに、この研究分野の重要性が高まると考えられます。
一連の研究活動を支えてくださいました関係者の方々に、この場を借りて心より感謝申し上げます。
今回の受賞を励みに、これからも環境調和型リサイクル技術の研究・開発を推進して世界をリードし、同時に、若手人材を育成する活動を多角的に展開していきたいと考えています。
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詳細はこちらをご覧ください
https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/news/3540/
2020年10月22日(木)
2020年1月10日(金) に、本学 鉄門記念講堂にて、特別・合同シンポジウム(第7回貴金属シンポ)「貴金属の製錬・リサイクル技術の最前線」を開催しました。300名近くの参加者があり、盛会に終わりました。来年2021年1月にも同様のシンポジウムを開催予定ですが、コロナ禍の影響を考慮し、Web開催を視野に入れ、現在、企画中です。
活動内容はこちらをご覧ください。
活動報告書PDF(6MB)
2020年05月01日(金)
皆様方の心温まるご支援により、東大基金「貴金属研究・若手育成支援基金」は、多くのご寄付が集まりました。心より感謝申し上げます。東大基金「貴金属研究・若手育成支援基金」の立ち上げから、まだ1年も経過しておりませんが、貴金属をはじめとするレアメタルに関係する私どもの活動をここにご報告させていただきます。
活動内容はこちらをご覧ください。
活動報告書PDF(6MB)
微力ながら応援させていただきます。
<貴金属研究・若手育成支援基金>
幅広い分野で未来を切り開いていけるでしょう。
<貴金属研究・若手育成支援基金>
しかしながら追々に、個人的にも興味を惹かれてございましたところ、当基金をご紹介いただく機会がございました。
微額ではございますが寄付を通じ、更なるご発展を個人的にも応援いたします!
<貴金属研究・若手育成支援基金>
<貴金属研究・若手育成支援基金>
希少金属抽出技術は半導体、蓄電池、磁石などの先端製品開発の基礎にもなると思います。基礎を固めずに慌てても空回りするだけかも知れません。
最近いったん捨てたドラフターを買い戻す会社がかなりあるようです。新人にいきなりCADでは全体像を見失うようです。
<貴金属研究・若手育成支援基金>
<貴金属研究・若手育成支援基金>
<貴金属研究・若手育成支援基金>
世界各国のTopたちと協力しながら、有効資源をフルに活用してゆく地球に優しい日本へ
<貴金属研究・若手育成支援基金>
しかも現実を徹底的に見つめ仮説と現実を行き来する必要がある。
基礎的研究手腕を身に着けるのに絶好のテーマと思います。
<貴金属研究・若手育成支援基金>
<貴金属研究・若手育成支援基金>
<貴金属研究・若手育成支援基金>
他の方面でも獲得した思考パターンが生きるでしょう。
現実遊離した思考が災難をもたらした例が金融工学と思います。
<貴金属研究・若手育成支援基金>
<貴金属研究・若手育成支援基金>
シリコンバレーの研究者たちは競って子供たちを、スマホ・パソコン・タブレット禁止の学校に通わせている。
リアルな人間関係や探求心の育成にそれらが有害だということらしい。
<貴金属研究・若手育成支援基金>
<貴金属研究・若手育成支援基金>
知恵を出し合って実現してください。
<貴金属研究・若手育成支援基金>
進展を願っています。
<貴金属研究・若手育成支援基金>
<貴金属研究・若手育成支援基金>