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長く研究され利用されてきたX線に全く新しい現象を見つけることができたことに私自身驚いています。
その応用範囲は、今想像できるだけでも多義に渡ります。
是非、若い研究者がこの全く新しいX線技術に関する研究を主体的にできる環境を整えてあげたいと願います。
温かいご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
2018年に世界で初めて、それまで全く議論されることがなかった物質動態を起因とするX線強度ゆらぎおよびX線明滅現象を確認しました。この新しい現象を広い研究領域に適応させ、多方面で社会実装できる新規X線ダイナミクス計測技術を、X線1分子追跡法(Diffracted X-ray Tracking = DXT)、X線回折明滅法(Diffracted X-ray Blinking = DXB)を活用して、新しい計測技術を考案・開発してきました。
<例えばこんな技術!>
・タンパク質1分子内部の動態高速計測 ⇒薬の開発期間の大幅短縮
・線虫やクワガタの幼虫等、不凍タンパク質をもつ小動物の分子活性状態観察 ⇒食品の保存期間延長
・広い時間軸と空間軸を利用した新規動態物性探索 ⇒ゴムやプラスチック等の基盤材料の耐久性向上
・新たなX線照射技術の開発 ⇒人体等への放射線ダメージ軽減
これらの計測技術は多分野に適応が可能であり、社会実装によって、より良い社会の実現へ貢献します。
◆産業を支える基盤材料等の耐久性向上や、多くの日用品の機能性や安全性向上
持続可能な社会を目指す現代において、日々の生活に関わる基盤材料(合成繊維、プラスチック、ガラスファイバー、木材、断熱材、防火材、電池、接着剤、塗料、化粧品、など)や食品の分子計測によって、有効期限延長や耐久性向上につながることが期待できます。
◆高度な医療技術やオーダーメード化された医療による健康長寿社会実現に貢献
医療の領域では、唾液や汗からの分子動態情報によるオーダーメイド的医療の開発や、人体への放射線によるダメージを軽減した新しい放射線治療技術の実現、生体や液体の中のたんぱく質分子を低ドーズ量X線で動態測定することで、多くの臓器や薬剤効果の高感度観察を実現することを目指しています。
特に「若手人材育成」においては、多分野での社会実装のためには、若手研究者が本技術をどのように活かせるかを自由な発想で継続的に考える必要があります。そのような人材育成にかかる資金は、科研費や競争的資金ではカバーしきれません。若い世代に新規計測科学分野を理解し、習得してもらうための活動、そして失敗を恐れず研究にチャレンジ、継続できるように、消耗品の確保など、研究環境を整えるための資金を寄附によって補いたいと考えています。
また、本研究は柏キャンパスや国内の研究施設に留まるものではなく、各国の最先端技術に触れる国際交流が、研究レベルを向上させるために必要不可欠です。現在はイギリス、フランス、ドイツの放射光施設との共同研究を進めており、今後は本研究を欧州全体に広げることも視野に入れています。
BL40XU。X線1分子追跡法のメイン測定施設。
▼実験装置についてはこちら
◆多分野の若手研究者の育成費(計測技術の習得等)
◆国際交流費(若手研究者の海外放射光施設への出張費等)
◆研究設備費(社会実装のための小型装置開発費、実験装置維持費等)
◆実験に必要な消耗品のための費用(試薬品や金ナノ結晶ラベル等)
2024年06月21日(金)
次世代X線ダイナミクス計測技術研究基金の佐々木裕次教授が、英国の放射光施設(The Francis Crick Institute)において、X線を用いた新しい計測技術で、木材の中の水分の動きを計測することに世界ではじめて成功しました。
X線は複雑な天然組織をナノレベルで観察することは本来苦手なのですが、ナノレベルで揺らいでいる水分の部位のみを観察できる新しい計測技術を用いると、広葉樹と針葉樹の違いや乾燥状態の違いが検出できます。
木材は空気中の湿度が低いと水分を放出して縮み、湿度が高いと水分を吸収して膨らむ特質があります。たとえば、破損した部分を水分の含有量が異なる木材で補修すると、逆にその部分が破損の原因になる可能性があります。
日本には世界最古の木造建築である法隆寺をはじめ、貴重な木造文化財が多く残っています。この計測技術が木造文化財の状態を解析し適切に修復することに貢献するのではと期待されています。
2024年04月25日(木)
4月はじめ、企業の研究所の方がX線計測装置を見学に来られました。
次世代X線ダイナミクス計測技術〔X線1分子追跡法(Diffracted X-ray Tracking = DXT)〕〔X線回折明滅法(Diffracted X-ray Blinking = DXB)〕は化粧品や新薬の開発、プラスチックや合成繊維などの材料、そして食品など、様々な分野における分子計測に応用できます。
この計測技術を広く活用いただくために、多分野の若手研究者を多業種に輩出したいと思います。
ぜひ、皆様のご支援をお願い申し上げます。
左:X線計測装置 右:開発中の手の平サイズのX線装置
2024年02月02日(金)
「新しい社会変革を牽引するナノテクノロジーがここに集結」と銘打った第 23回国際
ナノテクノロジー総合展・技術会議(1月31日~2月2日 於:東京ビッグサイト)に
産総研と参加し、多くの来場者(社)に「次世代X線ダイナミクス計測技術」をア
ピールしました。1月中旬に出展した国際化粧品展に続いて、多くの方々とこの新し
いX線技術の利用法について議論できました。そこでは私たちの想像を遥かに超えた
広大なニーズが存在することが分かったのです。そのニーズに応えられるように皆さ
んのご支援をお願いします。
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