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保健師による全戸家庭訪問健康調査 活動報告(東日本大震災救援・復興支援プロジェクト)

仮設住宅の「い(医)」「しょく(職・食)」「じゅう(住)」の「医」に取り組む
~医学系研究者・保健師が被災地住民とともに作り上げる高齢者の介護予防策~

震災直後、大槌町からの依頼を受け、医学系研究科教員が中心となり、全国から集まった100人以上の保健師たちとともに以下の計画を実施しました。
 ①  安否確認により住民基本台帳を整備 
 ②  町民の生活や心身の状況を把握して健康問題を明確にする 
 ③  早急に支援が必要な場合は速やかに対処して医療や町の保健師につなげる 
 ④  これらの調査結果を基に、町の復興に向けて提言する 
 ⑤  将来的に、町の保健福祉計画等の策定に生かしていただく

2012年度からは、震災直後からの家庭訪問を通じて見えてきた個別の健康問題について、具体的な予防策を住民の方々とともに作り上げるという段階に入っています。
大槌町の調査では、高齢者の方々には骨粗鬆症の有病率が高いことが指摘され、特に仮設住宅の生活では、高齢者の方々に適切な運動の実施を支援する必要があるとされてきました。

医学系研究科 永田智子准教授らのチームは、「仮設住宅における高齢者の介護予防」に焦点を当て、2012年からは何度も大槌町へ足を運び、住民の方々とともに、高齢者の介護予防となる体操の考案に取り組んできました。この取組みは大槌町の介護予防事業の中に位置付けられており、今は普及活動に取り掛かるところです。

永田准教授「訪問を通じて、特に介護予防のニーズがあると分かりました。高齢者の骨粗鬆症は、転倒・骨折などに結びつく危険もあります。仮設住宅のコミュニティづくりに取り組む工学系研究科都市工学専攻のチームと連携し、仮設住宅の高齢者の生活支援に必要な「い(医)」「しょく(職・食)」「じゅう(住)」の三本柱のうち、我々はケアに関わる「医」の部分を担当して、活動に取り組んでいます。」

博士課程院生松永氏「震災直後に保健師が訪問したことで初めて健康に問題があると分かった方もいます。震災後の町づくりには、それまで孤立していた高齢者の方々への見守りの体制も盛り込まれなくてはなりません。方法論をこちらが押しつけるのではなく、東京大学との取り組みを通じて、住民の方々が主体となって互いに健康を保てるような見守り体制、まちづくりを進められたらと考えています」

永田智子准教授   看護師・保健師・介護支援専門員でもある博士課程松永篤志氏

※写真左)永田智子准教授。「本人の力を発揮できるように環境を整えることは、保健師の『自助』を促す方法論の1つ」と話す
※写真右)看護師・保健師・介護支援専門員でもある博士課程松永篤志氏。毎月大槌町を訪れている。大槌町発行の広報紙にも活動が掲載されるとのこと。

大槌町版介護予防体操(大槌ぴんころ体操)企画会議   大槌町で行った研修会の様子

※写真左)大槌町版介護予防体操(大槌ぴんころ体操)企画会議。音楽には大槌町で愛される「大槌漁場音頭」を使用。「地元の方に興味を持ってもらえるものにしたい」との研究チームの思いから、音楽や振り付けなどは町で受け継がれる文化にちなんだものを会議で出し合い、合議で決定していった。
※写真右)大槌町で行った研修会の様子。地元の伝統芸能である虎舞をイメージしたポーズ。医学研究と地元文化の融合を目指して。

本活動は2013年度も継続予定です。このプロジェクトの活動には「東日本大震災救援・復興支援プロジェクト」へのご寄附が活用されています。ご支援を頂いた皆様に厚く御礼申し上げます。

引き続きご支援をお願いします(東日本大震災救援・復興支援プロジェクト)

※教職員肩書き、学生所属はすべて活動報告当時のものです。

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