東京大学は、世界のトップ拠点との教員・学生交流の推進や、国際連携及び国際発信の強化等を通じて、「グローバル・キャンパスの形成」や「学術の多様性の確保と卓越性の追求」を図ることを最優先課題としています。
本学と米国プリンストン大学は、様々な分野における長年の学術交流の実績をもとに、平成22年に全学学術交流協定を締結しておりますが、平成25年1月には共同研究や教員・学生交流のさらなる促進を図るため、両大学の信頼関係に基づいた戦略的な提携関係を構築することで両大学間で合意し、これに係る覚書を締結しました。
これに伴い、プリンストン大学との学生交流における学生の派遣費用を支援することを主な目的に、「プリンストン大学との戦略的提携」基金を立ち上げました。
同基金の立ち上げ以降、皆さまにいただきましたあたたかいご支援を大切に活用させていただき、下記の活動を中心にプリンストン大学との交流を発展させ、本学における教育・研究の更なる国際展開を推進してまいりました。特に学部学生の交流は画期的で、両大学の学生にとって素晴らしい機会になっています。
2023年1月には、全学学術交流協定と戦略的提携関係に係る覚書を更新し、両校間の教育・研究交流をより一層加速させていくことで合意しました。このような東京大学の動きにぜひともご支援よろしくお願いいたします。
東京大学とプリンストン大学における戦略的な提携関係に基づき、以下のような形で交流を行っています。
・相互の教員によるセミナー
・大学院レベルでの研究ワークショップ
・学部学生、大学院生のためのサマー・ウインターラボ
・教員、学生のための海外研修プログラム
具体的には、共同研究・教育プロジェクトの公募や学部学生向けのウインタープログラムを中心に、学生、教員、職員の継続的な相互交流を通した教育・研究交流を、大学全体として推進しています。
〇公募によるプリンストン大学との共同研究・教育プロジェクトの推進
両大学共同の研究・教育プロジェクトを “東京大学-プリンストン大学共同研究・教育プロジェクト”として公募し、両大学による審査・採択を経て、優れたプロジェクトの費用を助成しています。これまで2023年時点で10回公募を行い、合計32件の共同プロジェクトが採択され、両大学による共同研究及び共同教育を推進しています。戦略的な提携関係の構築以降、共同研究・教育プロジェクトの枠組みにおける対面での交流実績が、2023年時点で学生派遣約170名、学生受入約150名、研究者派遣約100名、研究者受入約160名となっています。両校を代表する世界的研究者が代表者となっている共同プロジェクトは研究的にはもちろんのこと、学生交流を通して教育的にも大きな成果をあげています。
【これまで費用を助成してきた共同研究・教育プロジェクトの例】
カブリ数物連携宇宙研究機構
プリンストン大学Department of Astrophysical Sciencesとの、超広視野多天体分光器(Prime Focus Spectrograph)や宇宙マイクロ波に関する共同研究・教育プロジェクト
先端科学技術研究センター
プリンストン大学Department of Computer Scienceとの、新たなAI技術の開発に関する共同研究・教育プロジェクト
東洋文化研究所
プリンストン大学School of Architectureとの、気候変動適応に関するアメリカ・イタリア・日本の国際比較をテーマとした共同研究・教育プロジェクト
人文社会系研究科
プリンストン大学Department of Sociologyとの、東アジアにおける人口統計や不平等に関する共同研究・教育プロジェクト
情報学環・学際情報学府
プリンストン大学Department of Anthropologyとの、都市セキュリティの変化に関する共同研究・教育プロジェクト
〇Go Global Gatewayでの合同ウインタープログラムの実施
2023年3月には、本学とプリンストン大学の学部学生が共に学び、交流する短期ウインタープログラムを新たな試みとして実施しました。本プログラムは、本学における学部学生の国際的な学習や交流の機会への参加を後押しする全学的な取り組みであるGo Global Gateway(国際総合力認定制度)の活動の一環としても位置づけられています(詳細は「活動報告」のタブからご参照ください)。両大学の学生にとって非常に実りあるプログラムとなったことから、2024年3月には規模を拡大して実施する予定です。
東京大学‐プリンストン大学合同プログラムに参加した学生たち
2024年01月25日(木)
・「東京大学-プリンストン大学共同研究・教育プロジェクト」
両大学において共同プロジェクトの公募を行う“東京大学-プリンストン大学共同研究・教育プロジェクト”において、2022年度に新規で採択した3件を含め、13件のプロジェクトの費用を助成しました。2023年は、実際の渡航を伴った学生・教員交流がコロナ禍前の水準まで回復し、約30名の学生をプリンストン大学に派遣することができました。
・「2023 Princeton-Day at UTokyo」の実施
2023年1月には、プリンストン大学との戦略的パートナーシップ覚書締結10周年を迎える記念として、両大学による共同イベントである「2023 Princeton-Day at UTokyo」を、本学にてハイブリッド形式にて開催しました。プリストン大学のChristopher Eisgruber学長、本学藤井総長からの挨拶、また寄付者である小笠原敏晶記念財団の小笠原理事長よりご挨拶をいただきました。基調講演ではDavid Macmillanプリンストン大学教授(Dept. of Chemistry, 2021年ノーベル化学賞受賞者)よりご自身の研究に関する講演がありました。加えて、「東京大学-プリンストン大学共同研究・教育プロジェクト」の参加者からの発表や、関係教員によるパネルディスカッションを実施し、現地・オンラインを含め約100名の参加がありました。詳細は以下のウェブページをご覧ください。
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z1311_00051.html
また、これまでの両校間における共同研究や教員・学生交流実績を踏まえ、同月にプリンストン大学との国際交流協定(全学協定)と、戦略的提携関係に係る覚書を更新しました。
・「東京大学‐プリンストン大学合同プログラム」
2023年3月には初めての試みとして、「東京大学‐プリンストン大学合同プログラム」として、本学とプリンストン大学の学部学生が共に「環境と持続可能性」について学ぶ機会を提供するプログラムを実施しました。本プログラムは、本学における学部学生の国際的な学習や交流の機会への参加を後押しする全学的な取り組みである国際総合力認定制度(Go Global Gateway)の活動の一環としても位置づけられています。本プログラムは2023年3月12日~3月20日にかけて実施し、国際総合力認定制度の認定者である5名の学部学生とプリンストン大学の3名の学部学生が意見交換と交流を行いました。
3月12~16日までは東京大学ニューヨークオフィスにて様々なフィールドで活躍する専門家の講義※を受講し、ニューヨーク市内でのフィールド学習に取り組みました。3月17日にはラトガース大学にて同大学と日本との関わりについて学びました。3月18~19日はプリンストン大学にて講義を受講するとともに、同大学大学院生のプレゼンテーションを聴講しました。また、プログラム期間中にはフィルムナイト(映画観賞会)や両大学合同の食事会が催され、それぞれの大学の学生は親睦を深めました。
多岐にわたるテーマについて共に学び、共に活動に取り組んだことで、双方の大学の参加学生が友好関係を築くことができました。学生は本プログラムのテーマである「持続可能性」についての理解を深めたのみならず、お互いの違いを認め合い、交流をすることで自身が“当たり前”だと思っていた自文化の特徴に疑問を投げかけることができました。
両大学の学生にとって非常に実りあるプログラムとなったことから、2024年3月には規模を拡大して実施する予定です。
※各講義を担当した教員・専門家、及び各講義のテーマは以下のとおりです。
○東京大学ニューヨークオフィス(3月12~16日)
・佐藤 仁 教授(東京大学):Justice and Climate Action: Resilient Communities in Asia
・Gregory Jaczko 講師(プリンストン大学):Nuclear Power: Climate Savior or Opportunist?
・Karen Shimakawa 准教授(ニューヨーク大学):Performing Possible Futures
・市川 小百合 氏(国際連合日本政府代表部一等書記官):What does my work and career mean for my life
○ラトガース大学(3月17日)
・若林 晴子 准教授(ラトガース大学):Rutgers Meets Japan: A Trans-Pacific Network of Students, Teachers, and Missionaries in the Late Nineteenth-Century
○プリンストン大学(3月18~19日)
・James Raymo 教授(プリンストン大学):Population and Sustainability
皆さまにいただきましたご支援は、上記の活動へ大切に活用させていただきました。あたたかいご支援に心より感謝申し上げます。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
2023年05月30日(火)
2023年5月22日、プリンストン大学との戦略的パートナーシップ事業へ継続的なご支援をいただいている公益財団法人小笠原敏晶記念財団様を訪問し、本事業の運営に主に関わる教員より2022年度の活動報告を行いました。
同財団様は自然科学・技術分野および文化・芸術等人文社会科学分野への助成、支援、顕彰等並びに国内外の人的交流促進等を図り、創造的で豊かな社会生活の実現に寄与することを目的としており、本事業の趣旨に賛同して2013年度よりご寄付の支援をしてくださっています。
報告に対して同財団様から本事業への評価やご提案もいただき、今後のプリンストン大学との連携強化の参考になる有意義なディスカッションが行われました。
なお、ディスカッション終了後、同財団様からのこれまでのご支援を称え、東京大学基金「特別栄誉会員※」記念プレートを贈呈させていただきました。
※「特別栄誉会員」の称号は累計寄付金額1億円以上の寄付者様に贈られます。
2023年05月15日(月)
両大学において共同プロジェクトの公募を行う“東京大学-プリンストン大学共同研究・教育プロジェクト”において、2022年度に新規で3件を採択し(現在まで合計32件)、助成を行いました。2022年度は、新型コロナウイルスにかかる渡航規制が緩和され、実際の渡航を伴った交流も徐々に再開されました。
2023年1月には“2023 Princeton-Day at UTokyo”を、戦略的パートナーシップ覚書締結10周年を迎える記念として本学にてハイブリッド形式にて開催しました。Eisgruberプリンストン大学学長、本学藤井総長からの挨拶、また寄付者である小笠原敏晶記念財団の小笠原理事長よりご挨拶をいただきました。共同研究・教育プロジェクトでの参加者からの発表や、関係教員によるパネルディスカッションを実施し、現地・オンラインを含め約100名の参加がありました。
また、2023年3月には初めての試みとして、本学のGo Global Gateway(国際総合力認定制度)の一環で、「環境と持続可能性」をテーマに、本学とプリンストン大学の学部学生が共に学び、交流する短期プログラムを実施しました。東京大学ニューヨークオフィスにて様々なフィールドで活躍する専門家の講義を受講し、ニューヨーク市内でフィールド学習に取り組みました。ラトガース大学では同大学と日本との関わりについて学び、プリンストン大学では講義を受講するとともに、同大学大学院生のプレゼンテーションを聞きました。
皆さまにいただきましたご支援は、上記の活動へ大切に活用させていただきました。あたたかい ご支援に心より感謝申し上げます。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
2021年04月01日(木)
・2021年3月にプリンストン大学とのオンラインイベント「2021 Princeton-UTokyo Day」が開催され、本学およびプリンストン大学の関係者約80名の出席がありました。
両校においてこれまで活動してきた教員自身の研究分野とこれまでの成果に沿って交流実績についての発表や、両校の複数の大学院生・若手研究者のパネルセッションが行われ、実際に交流に参加した感想や、今後のパートナーシップに対する具体的な提案など活発な議論がありました。
本シンポジウムは強固な関係を構築しているプリンストン大学と、今後どのように交流を発展していくかについて考えさせられる非常に有意義なイベントとなりました。
・2020年度の共同研究・教育プロジェクトの公募については、4件採択(現在まで合計27件)されました。
皆さまにいただきましたご支援は、上記の活動へ大切に活用させていただきました。あたたかいご支援に心より感謝申し上げます。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
<プリンストン大学との戦略的提携基金>
(東京銀杏会・岡田幸村)
<プリンストン大学との戦略的提携基金>
<プリンストン大学との戦略的提携基金>
<プリンストン大学との戦略的提携基金>
<プリンストン大学との戦略的提携基金>