2019年末に発生した新型コロナウイルスは、世界中で未曽有のパンデミック(感染症の世界的大流行)を引き起こしました。欧米では、ウイルスの特定からわずか1年以内という驚異的な速さでワクチンが開発・承認され、提供が始まりました。一方、日本発のワクチン承認には約3年半を要し、緊急時の研究開発体制において日本と欧米の間に大きな差があることが明らかになりました。
この状況を受けて、日本医療研究開発機構(AMED)の先進的研究開発戦略センター(SCARDA)が中心となり、「ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業」が立ち上げられました。そして東京大学・新世代感染症センター(UTOPIA: The University of TOkyo Pandemic Preparedness, Infection and Advanced Research Center)がフラッグシップ拠点として採択されました。
UTOPIAには、感染症、免疫、ワクチンの専門家だけでなく、これまで感染症研究に関わってこなかったAI・構造生物学・社会科学など様々な分野の研究者が集結しています。分野の垣根を越えて知を融合し、感染症対策とワクチン開発を加速するため、国内外の研究機関や産業界との緊密なネットワークを構築しています。
UTOPIAは「100日でワクチンを世界に届ける」ことを目指し、産学界と臨床現場を直接つなぐ体制を整備しています。感染症とパンデミックから人々を守るため、世界トップレベルの研究者が一丸となり、新たな研究開発のフロンティアに挑んでいます。
日本がパンデミック対応で欧米に遅れをとった背景には、研究開発基盤の脆弱さがあります。特に重要なのが、GMP施設(人に投与できる基準で治験薬を製造する訓練付きの製造設備)です。アメリカでは大学内にGMP施設が設置されているのに対し、日本の大学ではそのような施設はほとんどなく、そのためワクチンの初期臨床試験への移行が大幅に遅れました。
ここにこそ、海外との決定的な差があります。
さらに、感染症・ワクチン分野では若手研究者や技術者の不足も深刻な問題です。
パンデミックへの対応は、非常時だけでなく平常時の地道な研究活動に支えられています。基礎研究と人材育成を継続する「止まらない基盤」の構築が不可欠なのです。
そこで、UTOPIAでは基金を通じて寄付による長期的・安定的な支援体制を確立し、以下の取り組みを推進します:
いただいたご寄付は、将来のパンデミックに迅速かつ的確に対応し、日本発のワクチンと感染症対策を世界に届けるための基盤強化に活用されます。
皆さまからのご寄付は、UTOPIAの研究基盤の強化と人材育成に活用され、次のパンデミックに迅速かつ的確に対応できる体制の整備を後押しします。具体的には、以下のような成果が期待されます。
皆さまのご支援が、未来の感染症危機を乗り越える力となります。
未来の世代を守るための「止まらない研究と人材育成」の実現に、皆さまの温かいご支援をお願いいたします。
<新世代感染症センター基金>
<新世代感染症センター基金>
<新世代感染症センター基金>
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