世界初の「電」の字を冠する学科である工部省工学寮電信科をルーツに持つ東大電気系2学科(電子情報工学科・電気電子工学科)は、2023年に満150歳を迎えました。これを祝し、学科ならびにそこに集う若者の過去・現在・未来を「受け継ぎ育み飛躍する」ための記念事業を行います。
「捕雷役電(ほらい えきでん)」とは、日本の電気工学の進展に大きく貢献した渋沢元治名誉教授の博士号取得を記念して、岳父であり東京大学法学部名誉教授であった穂積陳重から贈られた額に揮毫された句で、今は電気系の基幹会議室に掲げられています。
この言葉の本質は、散在する個々のリソースを集約し、制御した形で使用することだと考えています。リソースを知恵と読みかえれば、「放っておくと散在する知恵を(適切な形で集約して活用する、つまり)受け継ぎ育てること」となります。これは、大学の重要な使命のひとつです。
私たちは、この精神を引き継ぎ、若者たちが飛躍するための環境を整備したいと考えています。
本事業でのご寄付の目標額は、電気系2学科の150周年にちなみ、10年間で1.5億円を目指しています。
この記念事業を通じて、東大電気系2学科に集う若者たちの未来を一緒に支えるため、皆さまの温かいご支援を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
工学部2号館を北東入口より望む
1.「過去」を受け継ぐ ― 明治期からの歴史的卒業論文アーカイブ
明治から現在に至る多くの貴重な卒業論文(紙媒体)を、最新の技術でスキャンしてアーカイブします。先人のオリジナリティあふれる研究(明治期から1941年までの卒業論文1,890点)のデジタル化により、研究教育の資源へのアクセスが向上します。
2.「現在」を育む ― 電気系の教育・発信・交流環境の改善
講義室・実験室を中心とする教育・発信・交流環境をアップグレードします。
①ディジタル教育環境の更新・整備
特に10年前に購入したままのプロジェクタのアップグレードを予定しています。資金不足により教育環境のDX化が遅れている現状を改善し、世界からも見劣りしない環境を整備します。
②「電気の回廊」整備
工学部3号館1階の廊下に、1教員1ポスターで電気系教員100名の研究を紹介します。本学の優れた研究を一覧できるコンテンツが充実し、学内外へのアピールとなることが期待されます。
③工学部3号館1Fへの交流スペースの設置
新たなイノベーションは、それぞれが得意とする分野を持ち寄る交流から生まれます。本郷地区の建物の中でも、唯一交流スペースが欠けている工学部3号館へ交流スペースを設置し、研究グループを超えた活発な議論から、多くのイノベーションが生まれることが期待されます。
3.「未来」に飛躍 ― 電気系としての国際交流プログラム
学科を主体とした短期・中期・長期国際交流の強化に新たに取り組みます。例えば、「博士学生武者修行プログラム」の留学対象の拡大や、2024年3月予定のグラスゴー大学との合同シンポジウムでの招聘旅費への活用を予定しています。この海外との交流の活発化により、世界に飛躍できる人材の育成が可能になります。
<東大電気系教育発信交流支援基金 -捕雷役電150->
<東大電気系教育発信交流支援基金 -捕雷役電150->
<東大電気系教育発信交流支援基金 -捕雷役電150->
<東大電気系教育発信交流支援基金 -捕雷役電150->
<東大電気系教育発信交流支援基金 -捕雷役電150->
<東大電気系教育発信交流支援基金 -捕雷役電150->