歴史家ワークショップ支援基金

若手歴史研究者を育成し「歴史的思考法」をひろく日本社会と共有したい

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プロジェクト設置責任者

経済学研究科マネジメント専攻 准教授
山本 浩司

今年度寄付総額
0円
今年度寄付件数
0件
現在の継続寄付会員人数
5人

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東京大学へのご寄付には税法上の優遇措置が適用されます。


山本浩司准教授からのメッセージ
 

「歴史的思考」 ― 社会を活性化させるための基本ツール

社会を活性化させるための基本なツールとしての「歴史的思考」を社会にひろげたい。それがわたしたちの理念です。

世界的な感染拡大や金融危機、想定を超えた災害や紛争など、未曽有の出来事に直面するとき、現在の状況を的確に把握し、危機を乗り越えるための手がかりを求め、わたしたちは歴史を紐解きます。目指すべき未来社会の設計を考える際も、工学や医学をはじめとする諸学問と並び、歴史を遡る視点が重要な役割を果たします。

歴史を学ぶ意義はそれだけにとどまりません。歴史研究者は人々が遺した手稿などの記録を読み解き、過去を再構築する過程で、史料の内容そのものを鵜呑みにせず、史料が生み出され、受け継がれてきた背景に目を凝らします。歴史研究が育んできたこのような「史料批判」の手続きにふれることは、あらゆるメディアから情報が飛び込んでくる現代社会に欠かせない情報リテラシーの基盤ともなるでしょう。また、過去を生きた人々の境遇をエビデンスに即して誠実に理解しようとする試みは、ものごとの背景を想像し、他者に共感し、現在の「あたりまえ」から距離をとって自らを省みることにもつながります。このように、歴史的思考を身につけることは、社会をより豊かに、より公正に、より活力あるものとするための基本条件なのです。

ところが現在、社会の活性化に不可欠な歴史的思考は先細りしつつあります。長らく文系の学問が軽視されてきた日本では、歴史的思考を担う若手研究者の育成に十分な資源が投じられていません。その知見や研究成果の社会還元は滞り、財源とロールモデルの減少にともなって研究者も減少し続けるという負のサイクルに陥っているのです。

 

歴史家ワークショップ――100年続く学問の基盤形成

そのような現状を改善し、歴史研究を盛り上げ、歴史的思考法とその成果をひろく発信するため、わたしたちは2016年に「歴史家ワークショップ」を立ち上げました。以来、当ワークショップは全国の若手研究者を対象に、初めての英語発表から英文原稿の推敲と査読のノウハウ、一流国際誌への投稿、一般向け講演の技術と実践まで、国内外で最高水準の研究者に期待される成果発信の工程をシームレスに支援し、学術成果を社会と共有する場を提供してきました。

過去を振り返り、過去から学ぶことの価値が実感を伴って受け継がれていく社会。歴史的背景を考えることが汎用性の高いスキルの一つとして認知され、奨励され、活用される社会――そのような社会の実現を、わたしたちは目指しています。

「歴史家ワークショップ」の詳細はこちらをご覧ください。
・HPはこちら
・これまでの実績はこちら
・参加した方々の体験談はこちら
・歴史家ワークショップ憲章はこちら



■歴史家ワークショップパンフレット
(画像をクリックして拡大。PDF版はこちら
 

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歴史家ワークショップの社会発信

最新の歴史研究の知見を社会に還元するため、歴史家ワークショップでは参加型ワークショップや連続講座などを企画・開催しています。英米圏のアカデミアで重視されつつあるパブリック・エンゲージメントを実践するボトムアップの取り組みです。お誘いあわせのうえ、ぜひご参加ください。

Warm Heart Cool Headと共同で2022年から開催している「困難の時代に歴史を学ぶ・歴史から学ぶ アカデミア×ビジネス」は、研究者とビジネス・パーソンのあいだに架け橋を築く連続セミナーシリーズです。また、エンターテイメントを通した歴史との関わり方に着目する「ウラガワ!」シリーズもご好評いただいています。

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2019~2022年に3回開催した「史料読解ワークショップ」では、専門家の解説の後、事前配付された資料を用いて参加者同士が議論するグループワークを行い、史料を読み解く楽しさを共有しました。
2020~2021年に開催した連続講座「伝記の読み方を考える」では、歴史上の偉人のイメージの形成に伝記が果たしてきた役割を考えました。講演動画はYouTubeで配信しています。

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2018~2019年には、国立西洋美術館の企画展に合わせた講演会シリーズ「『ミケランジェロ展』を3倍楽しむ。」「『ルーベンス展』を3倍楽しむ。」「『ハプスブルク展』を4倍楽しむ。」を開催しました。それぞれの芸術が生まれた時代背景を新進気鋭の研究者が解説しました。

図2.png

歴史家ワークショップをご支援ください

「歴史家ワークショップ」は、卓越した研究者を輩出し、世界最高水準の研究成果を広く社会に還元すべく、事業の組織化と拡充を進めています。そこで、当事業の継続とさらなる発展のため「歴史家ワークショップ支援基金」を設立し、皆さまからのご支援をお願いすることとしました。当基金を通じていただくご支援を、より良い未来社会の構築につなげていくことをお約束たします。皆さまのご理解・ご協力を心よりお願い申し上げます。
 

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「史料読解ワークショップ」を開催しました

2022年05月26日(木)

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日頃から歴史家ワークショップをご支援いただき、誠にありがとうございます。

2021年の史料読解ワークショップ:議事録編に続き、2022年2月19日(土)と3月12日(土)、講師に速水淑子氏(横浜市立大学)と中島浩貴氏(東京電機大学)をお招きし、史料読解ワークショップ:言説編「書き手と読み手を読む」をオンライン(Zoom)開催いたしました。今回は大学院生や大学教員に加え、中学・高校の教員や官公庁の職員も含む延べ50名の皆さまがご参加くださいました。

開催報告は以下に掲載しております。

●史料読解ワークショップ:言説編「書き手と読み手を読む」開催報告書
企画者である峯沙智也さん(東京大学博士課程)による報告です。
 


●史料読解ワークショップ:言説編「書き手と読み手を読む」参加レポート
参加者のおひとり、宇野真佑子さん(東京大学博士課程)によるレポートです。
 

 

3人の写真​​

左から、講師の速水淑子先生、企画・司会進行の峯沙智也さん、講師の中島浩貴先生


グループワークでは、事前に講師から配付された資料を題材に参加者同士が闊達に議論しました。また、海外に史料調査に行くことができないコロナ禍の状況のため、オンライン公開されているデジタルアーカイブを活用して歴史研究を進める手法も学びました。参加者からは、「文学作品を歴史資料として扱うことについて考える機会となってとても良かった」「研究テーマの新たな視点を得ることができた」「自身が高校教育に関わっていることもあって、大学の方々の意見を聞けて良かった」といった声が寄せられました。

ーーーーーーーーーー
この他以下のようなイベントを開催いたしました。

1)国際発信力強化
◆リサーチ・ショウケース
 ・第1回日本語リサーチ・ショウケース(2022年2月21・22日、発表者13名/参加者25名)
◆フロントランナー・シリーズ:多言語論文執筆セミナー
 ・フロントランナー・シリーズ11(2022年3月17日、参加者39名)
◆国際シンポジウム
 ・海外の日本中世史研究:「日本史」・自国史・外国史の交差(2022年3月8日、発表者・コメンテーター6名/参加者98名)

2)知識共有・ピアサポート
◆コーヒータイム・シリーズ
 ・Coffee Time Series 7「研究と多様なキャリアプラン」(2022年1月28日、参加者27名)
 ・Coffee Time Series 8「当事者ミーティング」(2022年2月28日、参加者10名)
◆パブリック・エンゲージメント
 ・史料読解ワークショップ:言説編「書き手と読み手を読む」(2022年2月19日、参加者37名/3月12日、参加者13名)

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歴史家ワークショップは、所属機関や専門領域の垣根を超えたコミュニティ形成とスキル共有のため、若手研究者自身による企画を支援しています。上記のイベントは、東京大学総合文化研究科・博士課程に在籍する院生が企画及び当日の司会進行を担当しました。今後も高度な研究成果を広く社会と共有するイベントを展開していく予定です。

 

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宮崎 亮太

2024年02月09日

3,000円

社会に歴史学や歴史に関係する諸学問の有用性を訴えかける、大変興味深い試みです。ぜひ継続していただきたいです。 <歴史家ワークショップ支援基金>

齊藤 太一

2024年01月28日

1,000円

応援していします。 <歴史家ワークショップ支援基金>

武末 朝生

2023年12月31日

30,000円

「人文社会科学国際化推進センター(仮称)」の設立、おめでとうございます!来年度以降も素晴らしい成果を拝見させて頂くことを益々楽しみにしております。今後とも、ご指導の程、宜しくお願い申し上げます。本年はご無沙汰してしまい、申し訳ございませんでした。 来年こそ心機一転、勉強し直します。 <歴史家ワークショップ支援基金>

齊藤 太一

2023年08月17日

1,000円

歴史xアカデミアxビジネスをつながるプラットフォームとして素晴らしいと思います。持続的な活動を支援できればと思います。 <歴史家ワークショップ支援基金>

八十川 紀夫

2023年07月16日

300,000円

R5年7月14日読売新聞1面「世界秩序の行方」で、「データに基づき、<歴史戦>でしっかりと反論できる人材を育てる必要がある。」との記述がある。 私は<反論>だけでなく<先手>を打てる人材を育てる必要があると思います。 とにかく<歴史戦>という表現は驚きでした。 <歴史家ワークショップ支援基金>

宮崎 亮太

2023年07月12日

3,000円

歴史家ワークショップを歴史を様々な方へひらいていくチャレンジングな取り組みだと思います。応援しています。 <歴史家ワークショップ支援基金>

齊藤 太一

2023年06月04日

1,500円

歴史家ワークショップの素晴らしいゲストや参加者の方々が、まさに企画の価値を表していると思います。 <歴史家ワークショップ支援基金>

********

2023年03月03日

2,000円

セシルの女王のイベントの内容が想像以上に興味深く、このような歴史以外のコンテンツと歴史をつなぐような発信を支援したく寄付させていただきます(歴史付きですらないのですが)。 陰ながら応援させていただきます。 <歴史家ワークショップ支援基金>

齊藤 太一

2023年02月08日

2,000円

歴史とビジネスの企画、また心待ちにしております。 <歴史家ワークショップ支援基金>

照井 敬生

2023年01月31日

10,000円

歴史家ワークショップは、歴史学の成果を社会に還元し、同時に研究コミュニティの活性化も担う、日本における掛け替えのない理念と実績を持った組織です。応援しています! <歴史家ワークショップ支援基金>

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2022年12月25日

3,000円

「歴史を鑑とする」を旨にみなさん研究に励んでください <歴史家ワークショップ支援基金>

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2022年12月09日

10,000円

歴史家ワークショップさんの主催される講座などに参加させて頂き、一般の者にも歴史を学ぶこととの繋がりを得られ、感謝しております。運営の皆さまや研究者の方々の思念が広まるよう、願っております。 <歴史家ワークショップ支援基金>

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2022年12月07日

10,000円

歴史的思考と、歴史家ワークショップの方達の相互研鑽と社会貢献の志は、これからの社会に必要で、広まって欲しいと願っています。 <歴史家ワークショップ支援基金>

********

2022年11月01日

10,000円

歴史的思考は社会にとって、とても大切だと思っています。応援しています。 <歴史家ワークショップ支援基金>

齊藤 太一

2022年10月13日

3,000円

歴史業界の活性化、持続性の向上を歴史ビジネスで目指しています!歴史家ワークショップさんの活動が、さらに盛り上がることを信じています。 <歴史家ワークショップ支援基金>

武末 朝生

2022年03月29日

50,000円

『「歴史的思考法」をひろく日本社会と共有したい』という山本浩司先生のメッセージに感銘致しました。「歴史家ワークショップ」を通じた社会貢献に賛同しております。 日本が誇る気鋭の歴史学者、山本浩司先生の利他的・献身的な社会貢献を微力ながら支援させていただくことができれば幸甚に存じます。 <歴史家ワークショップ支援基金>

八十川 紀夫

2022年02月27日

300,000円

津波、噴火、洪水など自然災害の歴史を視覚化し政策に反映させることがようやく始まりました。噴火による寒冷化がフランス革命や田沼意次の失脚を引き起こし、松平定信や二宮尊徳のように事前準備と手際よい対策で危機を救った人物も現れる。歴史の教訓を政策立案に活かせるか?歴史は面白い。 <歴史家ワークショップ支援基金>

********

2021年12月31日

10,000円

歴史的思考は社会を活性化させるための基本ツールというキャッチフレーズにハッとしました。情報がこれだけ溢れている現代において、歴史を学ぶフレームワークを教えていただきたい。是非とも100年、いや、もっと長く続く「歴史研究」という学問の基盤を作ってください。応援しています。 <歴史家ワークショップ支援基金>

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プロジェクト設置責任者

経済学研究科マネジメント専攻
准教授
山本 浩司

今年度寄付総額
0円
今年度寄付件数
0件
現在の継続寄付会員人数
5人

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東京大学へのご寄付には税法上の優遇措置が適用されます。

ご寄付の謝意・記念品

「東京大学基金」の謝意・記念品が適用されます。

このプロジェクトの謝意・記念品

  • 歴史家ワークショップ主催の各種イベントをご案内いたします(原則としてメールでお知らせいたします)

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