グッゲンハイム美術館ビルバオ展示支援基金

ポストコロナ時代の「移動」から都市を考える

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プロジェクト設置責任者

工学系研究科建築学専攻 教授
千葉 学

今年度寄付総額
121,000円
今年度寄付件数
12件
現在の継続寄付会員人数
0人

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「東京大学基金」の特典が適用されます。

ご支援のお願い

 東京の未来は、果たしてどのような姿になるのか?
これは、私たちが建築の設計を考えながら常に抱き続けている関心です。東京の街は、世界のどんな都市にもない潜在的な魅力と可能性に満ちている。これも、私たちが常に確信を持って東京という都市に向けてきた眼差しです。この東京という都市に今、大きな変革が訪れようとしています。

 一つには、自動運転やスモールモビリティ※1、パーソナルモビリティ※2、さらにはドローンや古くから親しまれてきた自転車などが、都市の主要な移動手段として存在感を増していることです。これは、かつて電車や自動車、飛行機などが発明された際に、人々の働き方、住まい方、都市が大きく変わったことにも匹敵する大きな変革だと、私たちは捉えています。

 もう一つには、covid19の世界的な感染拡大によって、移動に大きな制限が課されているという今日の状況があります。これは、グローバリゼーションを支えた大量/高速の移動手段と、それ に伴う働き方、住まい方の限界が露わになったとも言えるでしょう。 この二つの事象が同時に起きていることは、決して偶然ではありません。「移動」は、人間の自由を支える基本的な権利です。そのあり方を再考する最大のチャンスが訪れているのです。

 私たちは、この「移動」の未来を、東京を舞台に構想/発展させてきました。それは、拡大成長を前提とした20世紀的な方法ではなく、既存の都市を読み替え(別の視点から見、その新たな可能性を模索し)、使い倒す想像力に支えられた、これまでにない「東京計画2021」、学生たちが中心となって描かれる未来の東京のかたちです。

制作風景02.jpg
模型製作風景

 この度、スペインのグッゲンハイム美術館ビルバオで開催される「Motion. Autos, Art, Architecture」展は、この「東京計画2021」を世に問う絶好の機会です。東京という世界に例を見ない都市から立ち上げた構想が、これからの「移動」、働き方、住まい方を考える契機となり、さらには東京という都市の魅力を世界に発信するまたとないチャンスです。 この展覧会への出展に向け、皆様方からの暖かいご支援、ご協力を必要としています。学生たちが中心となって描く未来の東京をかたちにし、世に問い、そして展覧会を通じた海外経験の支援ができますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻
教授 千葉学

※1 スマートモビリティとは
「モビリティ(mobility)」とは「流動性」や「移動性」を意味する言葉。つまり「スマートモビリティ」とは、AIや新しいテクノロジーを用いて、交通や移動をよりスマートにする新たな技術、またはその概念。代表的な物としては自動車運転技術やカーシェアリング。
※2 パーソナルモビリティとは
町中での近距離移動を想定した 1~2人乗りの小型電動コンセプトカーなどを指す次世代自動車の概念。
 

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グッゲンハイム美術館ビルバオ
グッゲンハイム美術館ビルバオは、バスク市行政とソロモン・R・グッゲンハイム財団との前例にない強い連携により創設された。
1997年10月の開設から25年の時を経て、博物館は、ビルバオ市とその周辺地域に都市的、経済的、社会的再生をもたらし、今やビルバオ市の象徴的な存在となった。設計は建築家フランク・ゲーリーによるもので巨大なチタン、石、ガラス彫刻が用いられている。

 

ご寄付の主な使途

  • 参加学生10名程度のスペイン・ビルバオへの渡航費
  • 「Motion. Autos, Art, Architecture」展にて展示する4m×4.5m程度の模型、
    大型展示パネル、 VR・AR等の製作費
  • 日本凱旋展覧会諸経費

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東京計画2021

 2022年4月から9月まで、グッゲンハイム美術館ビルバオにおいて、世界を代表する建築家ノーマン・フォスター卿が企画・展示を行う「Motion. Autos, Art, Architecture」展が開催されます。その中の「The Future」室では、世界から15大学が招かれ、未来をテーマに展示が行われます。東京大学では、工学系研究科建築学専攻の千葉研究室が中心となり、モビリティ革新の時代における未来の都市像を、「東京計画2021」として展示します。

 展覧会出展にあたり、展示作品の製作費およびプロジェクトに参加する学生の渡航費を支援する 「グッゲンハイム美術館ビルバオ展示支援基金」を立ち上げました。 モビリティの変革、コロナの世界的な感染拡大を受け、新たな都市の移動、働き方、住まい方を探るべく立ち上げた「東京計画2021」は、東京の銀座地区を中心に展開しています。特にAIによる最適化を核とした自動運転車やドローンが交通、物流を変革し、古くから世界中で親しまれてきた自転車が、インフラに頼らない簡便さと自由さ故に、既存の都市をフィールドに移動の様相を刷新しつつある今、東京という都市は、果たしてどのように描くことができるでしょうか。その未来を私たちはいくつかのプロジェクトに結実させました。

 ビルクライム※3は、高度経済成長期の車移動を支えたKK線(東京高速道路)がその役割を終えつつある今、そのインフラをリノベーションして全長2キロ、標高240メートルの丘としてのビルを作り、その屋上をサイクリストの聖地にしようというものです。さらに巨大地下駐車場を銀座の新しい物流/マーケットの拠点に、立体駐車場を都市農園に、またビル群の屋上は、ドローンポートやスポーツコートなど、第二の地面として再生し、地上は車だけでなく様々なモビリティが共存するフィールドにする計画です。

 地球温暖化が深刻な状況である今、低炭素社会や自然共生社会、循環型社会を構築するうえで、自転車利用の促進や多様なモビリティの共存、その先に描くことのできる新しい働き方や住まい方を視野に入れた社会を構想することは、とても重要なことだと私たちは考えています。世界的に注目を集めるであろう本展覧会において、こうした構想を千葉研究室の学生が模型を作成、グッゲンハイム美術館ビルバオにおいて展示することにより、多くのフィードバックを得るとともに、同テーマを通じた世界的な交流が活性化することを私たちは期待しています。

 展覧会への出展を成功させるため、研究成果を十分に表現する展示作品の製作と参加学生の海外経験の支援ができるよう、皆様のあたたかいご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

※3 自転車では坂や峠を上ることを「ヒルクライム」といい、タイムを競う人気の大会もあります。「ビルクライム」では役目を終えたビルの高低差を活かした坂を上ることをイメージしています。

ノーマンフォスター卿.png
 

ノーマン・フォスター卿
建築家。イギリス、マンチェスター生まれ。銀行、美術館、空港から地下鉄に至るまで世界中で多様なプロジェクトを手がける。主な建築作品に「香港上海銀行・香港本店ビル」「ドイツ連邦議会新議事堂」「ロンドン市庁舎ビル」「大英博物館グレート・コート」「ミヨー橋」等。
東京には「センチュリータワー」がある。
高松宮殿下記念世界文化賞、建築部門のノーベル賞とも言われるプリツカー賞など受賞多数。1990年に英国騎士の称号、1999年には爵位を受けている。

ノーマン・フォスター財団
建築、デザイン、テクノロジー、芸術を結びつけ、研究やプロジェクトを通じた総合的な教育を促進するために、新世代の建築家、デザイナー、将来有望な都市計画の専門家の学際的思考を身に着けること、研究を奨励している。グローバルのその活動を展開、本部はマドリッド。

 

期待される社会的インパクト

 AIによる最適化を核とした自動運転車やドローンなどモビリティ分野の技術革新が起こるなか、20世紀的な高速/大量移動を象徴する自動車や鉄道から、新たな「移動」のあり方へと再考する時期を迎えています。

 一方、古くから世界中で親しまれてきた自転車が、インフラに頼らない簡便さと自由さ故に、既存の都市を活用する際の小さなモビリティとして注目を集めています。しかし、我が国の現状を見れば、いまだ自動車や鉄道が交通の中心にあり、自転車レーンなどの街中のインフラは整備されているとは言い難い状況です。低炭素社会や自然共生社会、循環型社会を構築するうえでも、自転車利用を促進するとともに多様なモビリティが共存することが重要であると考えます。個別のモビリティの研究にとどまらず、モビリティが共存する未来の都市の姿を描くことを通じ、これからの時代に相応しい「移動」のあり方、そこに必要となる知見や技術、さらには新たな建築や都市の使い方/デザインの開発にも繋がると考えています。

 世界的に注目を集めるであろう「Motion. Autos, Art, Architecture」展において、これまで発展させた内容を含め研究成果を展示することで、多方面より多くのフィードバックを得ることのほか、同テーマにおける世界的交流が期待できるでしょう。

 また、コロナ禍で活動が制限されるなか、学生が海外の関係者と交流することは貴重な海外経験となると考えています。

 

プロジェクト設置責任者 千葉教授略歴

東京都生まれ。2001年千葉学建築計画事務所設立。2013年より工学系研究科建築学専攻教授。スイス連邦工科大学(ETH)客員教授、東京大学副学長、ハーバード大学(GSD)デザインクリティークなどを歴任。
代表作に「日本盲導犬総合センター」「大多喜町役場」「工学院大学125周年総合教育棟」。学内では「安田講堂改修」や「目白台インターナショナルビレッジ」の設計(東京大学キャンパス計画室)などがある。日本建築学会賞、BCS賞、ユネスコ文化遺産保全のためのアジア太平洋賞など受賞。主な著書に「そこにしかない形式」(TOTO出版)、「人の集まり方をデザインする」(王国社)など。

安田講堂.jpg
安田講堂改修
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目白台インターナショナルビレッジ

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お名前 日付 金額 コメント
前田 隆也 2022年01月03日 10,000円 自転車部OBです。プロジェクトに賛同して寄付させて頂きます。
<グッゲンハイム美術館ビルバオ展示支援基金>
******** 2021年12月27日 10,000円 こんな状況ですが、ぜひ学生の皆さんが海外でも積極的に挑戦してご活躍することの助けになれば幸いです。
<グッゲンハイム美術館ビルバオ展示支援基金>
嘉門 佳顕 2021年12月25日 10,000円 千葉学研究室の活動、応援しています。未来の都市を大胆に構想する想像力に感銘を受けています。些少ながらですが、お役に立てば幸いです。
<グッゲンハイム美術館ビルバオ展示支援基金>
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工学系研究科建築学専攻
教授
千葉 学

今年度寄付総額
121,000円
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このプロジェクトの特典

一括10万円以上のご寄付

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ツーリングイベント「ポタリング牡鹿」オリジナルグッズ進呈
※ロゴデザイン:野老朝雄氏、デザイン監修:千葉学
※セレクトはお任せください。

一括50万円以上のご寄付

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千葉学の著書または寄稿誌1冊進呈
※直筆メッセージ入り 。
※セレクトはお任せください。

一括100万円以上のご寄付

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Jpeak Manabu Chiba 進呈
(千葉学作品集 2014年 Equal Books社)

累計100万円以上のご寄付 

千葉学「東京計画2021」手描きスケッチ
および展覧会カタログ進呈
※カタログが入手困難となった場合は千葉学作品集に代えさせていただきます。

ご寄付いただいた皆様

成果報告会等ご案内を原則メールでお知らせ
※寄付のお申込みの際に必ずメールアドレス登録をお願いします。

東京大学へのご寄付には税法上の優遇措置が適用されます。

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