日本の学校教育において、特別支援教育対象児童・生徒が増加し、ますます学校の中での「隔離」が深刻となる中、インクルーシブ教育を日本の公立学校において実現することは喫緊の課題となっています。最近の10年間で、特別支援学校在籍児童生徒の割合は1.3倍、特別支援学級は2.1倍、通級による指導の対象は2.3倍と急増しています。学校の包摂力が社会的マイノリティに対して低下しており、懸念されています。東京大学バリアフリー教育開発研究センターの使命は、背後にある問題の構造を解明し、同時にフル・インクルージョンを実現するための学校のビジョンと教育方法を明らかにすることです。この度、インクルーシブ教育を実現するための研究と教育を加速させ誰一人取り残さない教育と社会の実現に寄与することを目的として、本基金を設置いたしました。本活動を通じて、子どもたちがインクルーシブな環境で学ぶことができる未来を支えるために、 皆様からの温かいご支援を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
バリアフリー教育開発研究センター:
知の生産と普及によるインクルーシブな社会形成の促進
バリアフリー教育開発研究センターは、文化や社会が歴史的にその構成員の一部に課してきた「バリア(障壁)」を可視化し、それを打ち破り、「学校も社会も多様な人間により構成されるのが本来の姿である」という市民社会の基礎概念の確立と普及を目指し、教育研究活動を行っています。
現代社会では、異なる背景や特性を持つ人々が共存する際に生じる問題を解決し、多様な人々の生活が尊重されるような包括的な社会に変革するために、適切な知識を生み出して広めることがますます重要になっています。特に教育学では、この課題に立ち向かうための知識と実践に貢献することが要求されています。バリアフリー教育開発研究センターは、この課題に対応するための研究や教育の拠点として、包括的な社会の形成に向けた新しい知識の生成と普及を積極的に進めています。
研究プロジェクト
・ダイバーシティ教育
・インクルーシブ教育
若手研究者育成プロジェクト
・lバリアフリー教育開発研究センターでは、東京大学大学院教育学研究科の大学院生を対象に、バリアフリーやインクルーシブ社会、ダイバーシティ等に関わる意欲的な研究プロジェクトを助成し、研究の支援を行っています。
フルインクルーシブ教育の実現をめざして国立市教育委員会、障害者の当事者団体であるDPI日本会議と連携協定を締結し、活動を加速させています。
(2023年5月29日)
(2023年8月31日)
インクルーシブ教育定例研究会は、年間延べ参加者が2万人を超えており、市民社会におけるインクルーシブな知性が浸透・共有されることが期待されています。さらに、日本の公立学校ではインクルーシブ教育の理念と技法が共有され、共に学ぶ教育の充実が期待されています。
これにより、全ての子どもに学びの居場所を保障する学校づくりが実現し、日本の子どもたちの自殺率低下や不登校の減少、校内暴力やいじめの認知件数の低下などの結果が期待されます。また、子どもたちがインクルーシブな環境で成長し、市民社会の重要な担い手となることで、インクルーシブな地域社会の実現にも貢献することができます。さらに、教職員にとっても働きやすい職場環境が実現され、教職員の精神疾患による休職者数の低下が期待されます。
みなさまの温かいご支援とご協力をお願いいたします。
2024年03月13日(水)
2023年7月から開設された「インクルーシブ教育実現のための研究教育基金」ですが、これまでに、143人の方にご寄付いただくことができました(2024年2月時点)。今年度につきましては、主に、インクルーシブ教育定例研究会のための講師謝金・文字保障の謝金・院生謝金に使わせていただきました。
ご寄付によって開催した研究会は、以下の通りです。
<2023年>
7月22日 「豊中市教育長、『国連に日本の状況を伝えに行き、特別支援教育廃止勧告出して貰って、信じてやれば叶って出来ると思った豊中育ちなウエダの話』も聞いて、豊中市のインクルーシブ教育のこれからを語る」(1609名)
8月11日 「カナダの学校に学ぶインクルーシブ教育」(2069名)
8月31日 「東京大学大学院教育学研究科×特定非営利活動法人DPI日本会議 フルインクルーシブ教育事業に関する連携協定記念イベント トークセッション 『どうする東大、どうするDPI 、国連勧告とインクルーシブ教育をどう実現する?』」(1319名)
9月15日 「木村英子国会議員にうかがう『なぜインクルーシブ教育でないとだめなのか』」(1919名)
10月13日 「弁護士が見た学校で起きている差別-インクルーシブ教育のために知っておいて欲しい権利と制度」(2156名)
11月4日 「『障害の人権モデル』でインクルーシブ教育を創る」(1559名)
12月23日 「<年末特別企画>すべての子どもが育つ学校とはどんな学校か」(3483名)
<2024年>
1月12日 「イタリアのフルインクルーシブ教育の現在」(2296名)
1月13日 「子どもの「障害」を受容するとはどういうことなのか-保護者・教育者との対話を通して」(1834名)
2月9日 「私にとってのインクルーシブ教育(実践録) 〜とても困難、でもとても幸せ〜」(1994名)
3月1日 「「それでもここにいたいんです」(1807名、2月27日現在)
なお、ご寄付をいただいた方には、6か月間、特典として、お申込みいただくことなく、当日のウェビナー参加のためのURLをお届けしています。
また、富士電機株式会社様並びに(特例子会社の)富士電機フロンティア様からのご厚意でいただいたご寄付を用いて、2023年度冬季に障害者の就労を体験する集中講義を開催いたしました。2024年度には、夏季・冬季2回に拡大して集中講義を引き続き実施する予定です。
来年度からは、若手研究者育成プロジェクトとして大学院生への研究助成を開始するとともに、様々な自治体連携などの事業にも、ご寄付を活用させていただく予定です。ご寄付いただいた皆様に改めて感謝するとともに、センターの活動を一層強化していくことをお約束したいと思います。
<インクルーシブ教育実現のための研究教育基金>
<インクルーシブ教育実現のための研究教育基金>
<インクルーシブ教育実現のための研究教育基金>
<インクルーシブ教育実現のための研究教育基金>
<インクルーシブ教育実現のための研究教育基金>
<インクルーシブ教育実現のための研究教育基金>
<インクルーシブ教育実現のための研究教育基金>
<インクルーシブ教育実現のための研究教育基金>
ぜひこのような学びの場、またインクルーシブを日本全国に広げていく活動を続けて頂きたいと思っております。
いつもありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。
<インクルーシブ教育実現のための研究教育基金>
<インクルーシブ教育実現のための研究教育基金>
<インクルーシブ教育実現のための研究教育基金>