
アーチェリー(洋弓)は、一般に大学から競技を始める学生が多く、また、練習方法の工夫や最適な弓具の選択など、各自の創意工夫が生きる場面が多いことから、東京大学の学生が大きな活躍をする可能性を秘めたスポーツです。実際に、東京大学運動会洋弓部は、国公立大学として関東屈指の強豪校であり、49 校(2020 年 10月時点)が加盟する関東学生アーチェリー連盟のリーグ戦(4 部制)においても、1部・2 部リーグの常連であり続けています。
このようなポテンシャルを持っている半面、洋弓部には、学内に洋弓場を持っていないという、練習環境面での大きなハンディキャップがあります(※)。このようなハンディキャップを克服すべく、これまで洋弓部としては、合宿費や七大戦をはじめとする遠征費の補助のほか、練習弓などの備品購入といった支援を、OB 会から受けてきました。
本基金設置の趣旨は、こうした洋弓部現役部員への直接的な金銭的支援の拡充を図ると同時に、東京大学スポーツ先端科学研究拠点(UTSSI)との連携を通じた競技力の向上を目指すことにあります。計画中のUTSSIセンシングフィールド@駒場(仮称)の建設費に活用し、弓を引き矢を射つ動作などを計測し解析する環境を整備します。
洋弓部がさらなる高みを目指すため、部員たちの練習環境向上とスキルアップにつながるこの取り組みに、どうか温かなご支援をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
※関東学生アーチェリー連盟の 1 部・2 部リーグに在籍する加盟校 24 校のうち、学内に常設の洋弓場を持たず、学外でしか練習できない環境に置かれているのは東京大学ただ 1 校です(2020年11月末時点)。
・歴史について
東京大学運動会洋弓部は、1973 年の創部以来、関東学生アーチェリー連盟 1 部リーグに長く所属し(2020年現在は2部リーグに所属)、また部員個人としても、過去にはナショナルチーム選手や国体選手の輩出等の優れた戦績を上げてきました。直近の戦績としては、全国七大学総合体育大会において、3大会連続で優勝を飾っています(2017年~2019年)。また、全日本学生選手権にも3年連続で出場者 を輩出しているほか、2017 年と2020年には全日本選手権にも出場者を出しています。
加えて、関東学生アーチェリー連盟や運動会総務部 に多数の役員を送り出すなど、スポーツとしてのアーチェリーの振興、東京大学のスポーツ活動の活性化にも大いに貢献してきたところです。 2020年現在、全日本学生アーチェリー連盟と関東学生アーチェリー連盟に、それぞれ1名ずつの役員を派遣しています。
・OB会について
洋弓部のOB・OGからなる東京大学運動会洋弓部OB会は、現在約500名の会員を擁しており、毎年100万円程度の支援を現役部員に行っています。OB会員たちは、学問や政治、ビジネスなど各界で活躍しており、責任ある仕事の傍ら、全日本アーチェリー連盟の要職に就いて、東京オリンピックに向けて尽力している会員も複数います。洋弓部を物心ともに支えてきているのも、洋弓部のOB・OG たちです。
・競技の説明、競技人口
アーチェリーは 1972 年のミュンヘンオリンピックから一貫してオリンピッ クの正式種目となっており、強豪国は韓国、中国、米国などです。
大きな大会などでは、一対一で 70mを交互に射つ「オリンピックラウンド」 というトーナメント戦も行われますが、大学生のリーグ戦では、50mと 30 mを 36 本ずつ射つ「ショートハーフ」が採用されており、洋弓部としても、 この競技をメインに据えています。
・現在の部の状況
(2020年11月末時点。今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で多くの行事が中止)
〇部員数ーーーー26 名
〇所属リーグーー関東リーグ 2 部
〇目標ーーーーー関東リーグ 1 部復帰
〇練習内容ーーー・週 1 回の全体練習
ーーーーーーーー・週 1 回の班別練習
ーーーーーーーー・週 1 回以上の個人練習
ーーーーーーーー※1 年生の夏季までは上級生による指導を週 3 回
〇年間スケジュール
4 月~5 月 リーグ戦
6 月 全日本学生選手権予選(フィールド)
7 月 関東国公立王座戦
8 月 全日本学生選手権予選(アウトドア)、 夏季合宿
9 月 全国七大学総合体育大会、 全日本学生選手権(アウトドア)
10 月 東京六大学戦、全日本学生選手権(フィールド)
12 月 全日本学生選手権予選(インドア)
1 月 全日本学生選手権(インドア)
3 月 春季合宿
〇社会貢献活動
全日本学生アーチェリー連盟に 1 名、関東学生アーチェリ ー連盟に 1 名、それぞれ役員を派遣
2023年04月24日(月)
2020年11月の基金設置以降、学内における洋弓場の整備を含めた洋弓部員の練習環境整備に向けた第一歩として、主として洋弓部のOB・OGに向けた募金活動を行ってまいりました。
具体的には、毎年11月のOB総会の場で、また、OB・OGの多くが加入するメーリングリストを通じて寄付の呼び掛けを行ってまいりました結果、基金設置当初からの累計で約790万円の寄付をいただいております(2023年2月末時点)。
懸案の練習環境整備に向けては、2022年10月31日に東京大学スポーツ先端科学連携研究機構(UTSSI)の機構長以下関係者と面談させていただき、洋弓場の候補地を含む一帯をUTSSIが「駒場FUSIONフィールド」として近々に管理運用を開始する旨、また、洋弓部の練習環境整備を早期に具体化するとの方針を確認しました。2023年も、従来の募金の取り組みを継続しつつ、具体的な施設整備に向けた取り組みを一層推し進めてまいります。
2022年06月06日(月)
4月16日(土)、17日(日)、23日(土)、24日(日)に夢の島公園アーチェリー場にて、関東学生アーチェリー男女リーグ戦が開催されました。そのリーグ戦において、東京大学は男子2部リーグにおいて完全優勝を果たし、見事1部リーグ昇格を果たしました。東京大学洋弓部は今年で創立50周年を迎えますが、節目となるこの年に1部リーグ昇格という素晴らしい結果を残すことができたことは、まさしく快挙と言えるでしょう。
アーチェリーは、弓で数十メートル離れた的の中心を狙って矢で射抜き得点を競うとてもシンプルなスポーツです。ですが、それ故に心技体いずれも軽んじることができず、とくにメンタル面が点数を大きく左右するという非常に繊細な面も持ち合わせた競技でもあります。そんな緊張感溢れる試合の中で、思い通りの射を的の中心に入れたときの喜びは、他の競技では得られないものとなっています。
(試合に向けた練習の様子)
今回の活躍について、洋弓部からのコメントです。
【津島主将コメント】
このたびのリーグ戦で、東大洋弓部は1戦目、2戦目、入れ替え戦のすべてで優勝し、1部に復帰を果たしました。大学に練習場を持たず、スポーツ推薦もない東大が、上位校に引けを取らない点数をとり、関東トップテンの座に返り咲いたことには大きな意味があると思います。我々はこの一年間、常勝軍団への基礎を築き上げることを目的に、オンラインツールや新しいトレーニングの導入、指導方法の見直しを行い、東大としての勝ち方を模索しました。
コロナ禍で満足な練習ができない苦しい期間が長く続きましたが、有終の美を飾ることができ本当に良かったです。一方で、全国のトップ大学との差はまだまだ大きく、来年に向けての課題は多く残っています。来年のリーグ戦ではさらに高い結果を出せるよう、反省を生かしていく所存です。
最後に、いつも応援していただき本当にありがとうございました。これからも洋弓部は、王座進出、全国1位を目指して精進してまいりますので、さらなる応援のほどどうぞよろしくお願いします。
(オンラインミーティングの様子)
皆様からいただきましたご寄付は、将来東京大学スポーツ先端科学研究拠点(UTSSI)に設置される研究施設のうち洋弓場部分の建設費に充てることを計画しております。今後とも、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
(洋弓部集合写真)
2022年04月01日(金)
この1年間で、のべ67人のOB・OG及び関係者の皆様から、計画を上回る650万4,000円(基金設置当初からの累計で674万6,000円)のご寄付をいただきました。温かいご支援に深く感謝申し上げます。
また、学内における洋弓場の整備を含めた洋弓部員の練習環境整備に向け、施設整備構想の全体像が固まるのを待たず、まずは施設の一部(洋弓場部分)だけでも先行して整備・稼働することで東京大学スポーツ先端科学研究拠点(UTSSI)の機構長と方向性の一致を見ました。2022年は、具体的な施設整備に向けた取り組みを加速してまいります。
皆様からいただきましたご寄付は、将来東京大学スポーツ先端科学研究拠点(UTSSI)に設置される研究施設のうち洋弓場部分の建設費に充てることを計画しております。今後とも、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
2021年11月12日(金)
東京大学基金活動報告会2021 第2部オンライン交流会グループDの冒頭にて行いました、プロジェクト活動報告の動画です。
<洋弓部>
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100名近い大所帯だった当時とは全く異なり、少数精鋭で頑張っている現役の姿には勇気づけられます。
1部での活躍を期待しています!
<洋弓部>
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①場外発射完全防止設計(隣は小学校)
②照明のある常設の的小屋(リーグ戦優勝を目的に50m設計)
③30m用可動的台
④射線上の屋根(雨天練習可)
⑤近射スペース
<洋弓部>
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