定量生命科学研究所(Institute for Quantitative Biosciences 以下、IQB)は、生命の動作原理を高精度で解明するべく、定量性を最重要視した生命科学研究を展開しています。ヒトゲノムプロジェクト以後、先進的な測定技術が登場し、生命現象を記述する膨大なデータを様々な切り口から短時間に得ることが可能となりました。これらの膨大なデータを統合的に解釈し、ありのままに生命現象をモデル化する、データ駆動型研究がIQBの特色です。我々の行っている研究は、基本的な生命現象の解明のみならず、人々の健康的な暮らしを実現するために必要な、創薬、治療、診断といった臨床応用の側面でも必須となっています。IQBでは新技術導入とともに、世界に伍する基礎研究に従事する若手研究者の育成に力を注いでいます。このためには物理的にも近い場所で欧米研究者のネットワークに身を置く必要があります。
IQBを主軸として、東京大学とスウェーデンの医科大学、カロリンスカ研究所(Karolinska Institutet)との間で国際拠点設置に係る基本合意書(UTokyo-KI Link for Innovative Networks and Knowledgeプログラム)が締結されました。これにより、国際共同研究による人的交流が促進され、最先端技術の共有によるイノベーションが見込まれるだけではなく、若手研究者が国際ネットワークに身を置くことが容易になります。このような取り組みを続けていくことで、国際ネットワークの中に自身の居場所を持つ研究者が増えれば、将来的には我が国の科学技術立国としてのプレゼンスを再確立することも可能となるでしょう。
このような我々のビジョンに基づく若手研究者育成、さらには日本の科学技術力進展のため、皆様からの温かいご支援をお願い申し上げます。
定量生命科学研究所長 白髭克彦

◆国際ネットワークの中での若手育成
創設以来、IQBでは若手の研究者の育成と国際化に最も注力しています。特に欧州の研究所との連携協定を通じた国際共同研究の推進と国際ネットワークの中での若手育成に力を入れており、本プロジェクトではスウェーデンのカロリンスカ研究所(Karolinska Institutet)との連携を強化し、異分野融合型共同研究、ビッグデータの可視化をテーマにした博士課程向けコースの実施、共創ラボの運営等を行います。
カロリンスカ研究所は、スウェーデンのストックホルムにある医科大学です。世界最大の医学系の単科教育研究機関であり、ノーベル生理学・医学賞の選考委員会が設置されていることでも有名です。それだけに、スウェーデン国内における医学教育の30%、医学研究では最大のシェアを占めています。
スウェーデンのカロリンスカ研究所と協創のフレームワークを設置するにあたり、カロリンスカ研究所にはIQBに所属する研究者が常駐し、次世代シークエンサーを設置し、海外でもIQB中央実験室を展開しています。またIQBには、カロリンスカ研究所出身の外国人研究者が常勤の研究者として雇用されており、拠点における様々な活動の推進を担っています。
IQBは、今後もUTokyo-KI Link for Innovative Networks and Knowledgeプログラムを継続的に発展させるべく、海外を舞台として活躍可能な若手研究者の雇用や、分野横断的国際共同研究を進めていく予定です。


2026年02月04日(水)
2025年度の活動実績
この度は、私たちのプロジェクトにご寄付を賜り、誠にありがとうございます。心より御礼申し上げます。
皆様からの温かいご支援により、東京大学定量生命科学研究所(以下、IQB)とスウェーデンのカロリンスカ研究所(Karolinska Institutet)との連携がさらに拡大し、国際共同研究の推進に大きな進展がありました。特に、本年度はストックホルムにおける共同研究拠点の整備や国際シンポジウムの開催など、ネットワーク拡大に関わる取り組みが充実しております。これらの活動を通じて、IQBの若手研究者たちは貴重な国際経験を積み、さらなる成長を遂げています。
それでは、2025年度における主な活動実績をご報告いたします。
【国際ネットワークの拡大】
2025年には、スウェーデン・ストックホルムにIQBの海外共同研究拠点「UTokyo-KI Link Lab」は東京大学の公式な海外拠点として認定されました。現地に研究拠点を構えることで、カロリンスカ研究所との共同研究体制が一段と強化され、本年度は、以下に挙げるように国内外で複数のイベントを開催し、産学連携および学術交流のネットワークをさらに広げました。
2025年8月に、カロリンスカ研究所内のBiomedicum講堂において、JETRO、AMEDとの共催、在スウェーデン日本大使館のご協力の元、企業向けの産学連携ピッチイベント「UTokyo-KI LINKシンポジウム」を開催しました。東京大学とカロリンスカ研の研究者が研究成果を英語で発表し、スウェーデン企業関係者と交流しました(参加者約120名、うちスウェーデン側約70名)。産業界とのネットワーク構築を目的とした本イベントを通じ、共同研究や研究成果の社会実装に向けた新たな連携の可能性が生まれました。
2025年9月には東京大学にてカロリンスカ研究所との一般公開の国際シンポジウムを開催し、東京大学およびカロリンスカの研究者による講演を行いました。約120名の参加者(一般の方を含む)を迎え、最先端の研究成果や科学の未来について活発な意見交換が行われました。
また、2025年5月に、カロリンスカ研究所にて現地の子供向けにサイエンス粘土教室を開催しました。スウェーデンでは、アートとサイエンスを学ぶことに非常に積極的で、大盛況でした。さらに、2025年9月には「国際化ってなんだろう?」をテーマにサイエンスカフェを実施し、カロリンスカの研究者も交えて約70名が参加しました。これらを通じて、研究者同士の結びつきだけでなく一般の方々との交流も深まり、IQBの国際的なネットワークは一段と広がっています。
【人材交流】
本年度も、IQBからカロリンスカ研究所への研究者派遣、およびカロリンスカ研究所からの研究者受け入れを活発に行いました。若手研究者を中心に約20名の研究者をスウェーデンへ派遣し、同程度の人数の海外研究者を日本に受け入れています。派遣された研究者たちは現地で最先端の研究に従事して貴重な経験を積み、新たな知見や技術を習得しました。一方、受け入れたカロリンスカの研究者たちはIQBの研究チームにも刺激を与え、双方の協働により新しい視点やアイディアが生まれています。特に若手にとって、海外の著名研究機関で研鑽を積む機会は視野を広げる大きな糧となっており、国際的に活躍できる人材の育成につながっています。
【海外渡航・研究発表】
IQBの研究者たちは2025年、国内外の様々な国際会議やシンポジウムにおいて研究成果の発表を行いました。ゲノム科学や医療・生命科学分野の大型学会を含む多数の国際会議で講演・ポスター発表を実施し、研究内容を世界に向けて発信しました。また、カロリンスカ研究所の研究者と共同での研究論文も複数、国際誌に掲載され、共同研究の成果をグローバルに共有しています。
こうした活動により、IQBの研究成果は国際社会で広く認知され、研究所のプレゼンス向上と新たな共同研究の機会創出につながっています。なお、発表された論文には本基金からの支援に対する謝辞も明記されており、皆様のご支援が世界レベルの研究成果に直結していることが示されています。
改めまして、皆様のご支援に心より感謝申し上げます。
皆様のご支援があってこそ、これらの活動が実現し、若手研究者の育成と最先端研究の推進につながっております。今後も頂いた寄付を最大限に活用し、さらなる成果を上げていけるよう全力を尽くしてまいります。引き続き温かいご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。改めて厚く御礼申し上げます。
2025年02月21日(金)
この度は、私たちのプロジェクトにご寄付を賜り、誠にありがとうございます。心より感謝申し上げます。
皆様からの温かいご支援により、スウェーデンのカロリンスカ研究所(Karolinska Institutet)との連携をさらに強化し、国際共同研究の推進に大きな前進がありました。特に、異分野融合型の共同研究や博士課程向けの教育コースに加え、共創ラボの運営が順調に進んでおります。これらの活動を通じて、IQBの若手研究者たちは貴重な国際的経験を積み、さらなる成長を遂げています。
また、頂いた寄付金は以下の用途に活用させていただきました:
皆様のご支援があってこそ、これらの活動が実現し、次世代研究者の育成に繋がっています。今後もいただいた寄付を最大限に活用し、成果を上げていけるよう、全力を尽くしてまいります。
改めまして、心より感謝申し上げます。
今後の募集計画について
今後、私たちはこのプロジェクトをさらに発展させるべく、引き続き寄付を募っていく予定です。具体的には、以下の活動を支援するための資金を集めていきます:
これらの活動に必要な資金を調達するために、今後も定期的に募金活動を行い、プロジェクトの目標達成に向けて邁進していく所存です。引き続き、皆様の温かいご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


<東京大学定量生命科学研究所-カロリンスカ研究所国際活動支援基金>
<東京大学定量生命科学研究所-カロリンスカ研究所国際活動支援基金>