※この度、東京大学 動物医療センター未来基金(東大VMC基金)へと基金名称を変更致しました。なお設置主旨、使途を含む内容に変更はございません。
犬や猫、さらにエキゾチック動物など、伴侶動物は人の暮らしに潤いを与えてくれます。また動物との触れ合いは人の心を豊かにし、人間ばかりでなく地球上のすべての生き物、そして環境をも思いやる気持ちを育みます。
動物医療センターは伴侶動物の高度診療を通じて、人と動物の幸せなよりよい関係を構築し、人々の社会生活の平穏と健康を支援しています。
また、優れた技能と豊かな人間性を兼ね備えた次世代を担う獣医師の教育・育成機関として、日本はもとより世界の獣医臨床のトップリーダーとして大きく期待されています。
獣医療の未来を支える人材の育成・教育の推進には、診療施設・設備の充実と職員体制の拡充・待遇向上が必要です。
皆様の温かいご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
*2022年10月1日に「140周年記念基金」より「未来基金」に名称を変更しました。
動物医療センターは駒場農学校家畜病院として1880年11月に開設されました。同年にドイツから来日したヨハネス・ルードヴィッヒ・ヤンソン教師の指導のもと獣医臨床教育の場として活動を開始した、日本最古の獣医教育病院です。
現在は弥生(農学部)キャンパスに立地しています。獣医師53名・看護部職員8名・事務職員7名が所属し、臨床系研究室の大学院・学部生等71名を加えると総勢140名の大所帯です。
年間のべ1万3千頭程度の動物を診療し、症例を用いた教育・研究を行っています。また、広く一般の見学も受け入れています。
また、現在、センターの一部門として活動している獣医病理学研究室では忠犬ハチ公の肺、心臓、肝臓、脾臓の標本を保管管理し、死因の究明を行いました。その結果、ハチ公はこれまで確認されていた死因である「犬糸状虫症(犬フィラリア症)」に加えて、肺と心臓の腫瘍もその死因であったことが明らかになりました。この成果は、東京大学弥生キャンパスに築造された「上野博士と忠犬ハチ公の像」のお披露目(2015年3月)に先駆けて、2011年に発表されました。このように、標本を後世まで保管しておくことで、新たな知見が明らかになることがあります。
1880年に、はるか遠いドイツの地から日本へ赴き、日本の獣医学教育の基礎を築き上げたのはヤンソン先生でした。ヤンソン先生は獣医学教育だけでなく、鹿鳴館で社交ダンスのレッスンを行うなど、日本の文化の近代化にも貢献され、奥様と過ごされた鹿児島の地で永眠しました。
動物医療センターは、ヤンソン先生が目指した国際的な獣医師の養成を実現したいと考えています。そして、これからの10年・100年先の未来のために人と動物が幸せに暮らし、ともに共生できる社会の実現に貢献したいと考えています。高度診療と教育・研究という三本の柱の基に、まずは来院するすべての動物と人、そして働くスタッフ全てにやさしい動物病院づくりを行ってまいります。
動物医療センターは、これからも永続的に、病気を抱えた動物たちの治療を通して動物とそのご家族を支えていきたいと考えております。ドイツから来日し、我が国の獣医療の礎を築いたヤンソン先生は、当時から国際的な獣医師の養成を視野に入れ、英語による教育を行っていました。
ヤンソン先生が、我が東京大学に託した夢と未来像を実現することが教職員一同の願いです。また、センターを訪れる全ての人にとって、安心して未来を託すことのできる「動物にも人にもやさしい世界一の動物病院」を目指します。
世界に羽ばたく有為な人材を育成するというトップリーダーとしての使命を果たすには、多くの方々の支援が必要です。
皆様の温かいご支援をお待ちしております。
皆様からのご寄付は、下記のために大切に活用させていただきます。
・診療施設の整備:院内施設のバリアフリー化など動物と飼い主様にやさしい動物病院環境をめざします
・低侵襲治療の導入:最新の医療機器の導入により、的確で動物の体への負担が少ない診断・治療を実現します
・獣医師の教育と育成:夜間診療の充実や適切な獣医療サービスの実現をめざします
・疾患研究の推進:研究機器の導入や研究者育成などにより動物疾患の治療成績の向上をめざします
私の友人の愛猫も定期的に動物医療センターに通院しています。
幅広い知見と経験に基づき、人と動物分け隔てなく動物目線に立って真剣に治療くださった甲斐もあり、その猫は徐々に回復に向かっているそうです。
友人は、大切な家族の命を救ってくださった先生方に感謝しています。
動物にも人にもやさしい世界一の動物病院の実現のため、日々、研究、治療にエネルギッシュに取り組んでいらっしゃる先生方のお姿を拝見しております。
みなさまより、温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。
寄付者の方、東京大学の卒業生、在校生などから応援メッセージをいただいております。
応援メッセージvo.1 はこちら
応援メッセージvo.2 はこちら
2024年01月18日(木)
皆様から賜るご支援の使途は、① 診療施設の整備、② 低侵襲治療の導入、③ 獣医師の教育と育成、④ 疾患研究の推進です。2023年度は検査機器の購入や夜間勤務獣医師の診療業務経費などに充当しました。基金に寄せられる皆様からのご厚志により、動物と飼い主様に優しい動物病院の環境整備とともに、これまで以上に的確な診断・治療を実現できるよう、努めてまいります。
・デジタル細密画像の制作
基金の特典として院内ツアーを企画していましたが、新型コロナウイルス感染症の蔓延による活動制限で実施ができませんでした。代わりに、バーチャルで院内を体験できるデジタルデータを作製し、対象となる方々にお送りいたしました。
・夜間勤務獣医師の診療業務経費
基金の一部を夜間勤務獣医師の診療業務経費としてつかわせていただきました。
・ステラッドNX高速滅菌機(写真A)
過酸化水素ガスプラズマで 最短28分の高速滅菌が可能です。緊急手術や医療器材の突然の持ち込みにも柔軟に対応できます。
・超音波装置(写真B)
高性能の超音波装置を購入しました。画像検査の精度が格段に向上しました。
・ドプラー式血圧測定システムVet-Dop2(写真C)
ドプラー超音波方式は血圧測定の世界標準とされています。当センターには導入されていませんでしたが、今回の購入により確度の高い血圧測定が可能になりました。
・ToFscanユニット(写真D)
筋弛緩モニター機材を新たに導入しました。正確な麻酔管理を行うことができるようになりました。
・NanoScopeユニット(写真E)
フォーカス調節や煩雑な作業が不要な持ち運び式の関節鏡の一種です。特に犬の膝関節の内部観察が可能で、手術適応症例の前十字靭帯断裂状態の術前確認や診断に利用できます。
2023年07月28日(金)
腎泌尿器科では、腎臓・尿管といった上部泌尿器、そして膀胱・尿道・前立腺といった下部泌尿器の疾患を対象に診療しています。
腎数値の上昇、つまり高窒素血症の背景には腎前性、腎性、腎後性といった様々な要因があり、特に慢性腎臓病はその主たる原因となります。
しかし、慢性腎臓病に至る経緯は症例によって異なるため、そのような背景および経緯を考慮に入れ、症例毎に治療計画を策定する必要があると考えています。
当科ではご家族との綿密な相談の上で検査内容を決定し、血液検査、尿検査、腹部超音波検査といった一般的な検査に加えて、血液ガス検査や腎機能検査などを実施することで、患者様それぞれに適した治療をご提案できるよう努めています。
また、尿管結石や尿管炎による閉塞性腎症は、内科療法と併せて外科療法が必要となる場合があります。このような疾患では、軟部組織外科や画像診断部、麻酔・集中治療部と連携して、外科的介入の是非について迅速に判断するよう心がけています。その他、下部泌尿器疾患に対する尿路造影検査を含めた精査、ならびに移行上皮癌や前立腺癌といった腫瘍性疾患に対する新薬の導入など、最新の研究結果に基づいた泌尿器疾患の診断および治療にも積極的に取り組んでいます。
2023年02月06日(月)
皆様から賜るご支援の使途は、① 診療施設の整備、② 低侵襲治療の導入、③ 獣医師の教育と育成です。2022年次は、内視鏡や超音波検査装置の高額部品の購入と、待合室に併設しているベランダの改修工事などに充てました。基金に寄せられる皆様からのご厚志により、動物と飼い主様にやさしい動物病院の環境整備とともに、これまで以上に的確な診断・治療を実現できるよう、努めてまいります。
写真左:内視鏡プローブ、写真右:超音波検査プローブ
内視鏡スコープはとても繊細な作りになっており、プローブの性能が高いと格段に診断効率が上がります。犬や猫の検査に用いるプローブの径は非常に細いため高額です。今回導入したのは5.4mmの極細先端部かつ高解像度の画像を得られるプローブで、鉗子機能や吸引も行いやすい高性能タイプです(写真左)。また、入院中の動物に対して、階下の超音波検査室で検査するのではなく、入院室に検査機器を持って行って超音波検査ができると動物への負担を軽減できます。今回、検査プローブを追加購入することにより、入院室でも精度の高い超音波検査が可能になりました(写真右)。
写真左:改修前のベランダ、右:改修後のベランダ
約30年前に建てられた動物医療センターのベランダは、コンクリート打ちっぱなしで、経年劣化や水流による腐食や変色が目立つようになりました(写真左)。そこで、床には緑のウレタン防水塗装を施し、足洗い場を改装しました。また、木製のルーバーやベンチを置いて憩いの場になるよう改めました(写真右)。
2022年07月25日(月)
安田講堂で開催された東大基金活動報告会2022において、センター長の西村が動物医療センター140周年記念基金の活動を報告しました。これまで、皆様より2,500万円を超えるご寄付を賜り、そのご厚志を様々な活動に遣わせていただきました。ご支援を寄せてくださった皆様に心から御礼申し上げます。また、ご寄付とともにこれまで数多くの激励のお言葉も頂戴しました。
スタッフ一同これからも "物言えぬ動物たちの健康を守るのが獣医師の使命" をモットーに診療活動に励んでまいります。
引き続きご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
2022年02月07日(月)
皆様から賜るご支援の使途は、① 診療施設の整備、② 低侵襲治療の導入、③ 獣医師の教育と育成です。2021年度、ご寄付を関節鏡および核酸自動抽出器の購入に充てました。基金に寄せられる皆様からのご厚志により、動物と飼い主様にやさしい動物病院の環境整備とともに、これまで以上に的確な診断・治療を実現できるよう、努めます。
引き続き、附属動物医療センターへのご支援を賜りますよう、何卒宜しくお願い致します。
・関節鏡:カメラのレンズと同じように、関節鏡のスコープの性能が高いと映像も綺麗に見えます。犬や猫の検査に用いるスコープの径は非常に細い(直径2.3mmほど)ため、高額です。しかし、この機器を用いることで、関節を大きく切開することなく、たった二箇所の小孔を開けることにより、関節手術をすることが可能です。疼痛も少ないため、術後の機能回復が早いのもメリットです。
・核酸自動抽出機:動物の細胞や組織からDNA、RNAなどの核酸を自動で抽出する機械です。技術者の少ない病理/遺伝子検査部でメンバーの一員として活躍しています。抽出した核酸は腫瘍や遺伝性疾患などの遺伝子検査に使用しています。
2021年04月23日(金)
おかげさまで、賜りましたご支援により、より充実した診療のため、院内施設の環境整備が順調に進んでいます。 その主な使途は以下の通りです。
・院内環境整備(看板設置、クリーニング、パーティション設置、床壁シート、マガジンラック導入など)
・オンラインセミナー室の整備(ビデオカメラ・防音装置など)
・入院用動物ケージの更新
・超音波画像診断装置
私共、附属動物医療センターに於いても、新型コロナ対策を行いながら診療することが求められています。 引き続き、本センターの使命である伴侶動物の高度診療を通じて、人と動物の幸せなよりよい関係を構築し、 人々の社会生活の平穏と健康推進に取り組んでまいります。 引き続き、ご支援賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
2021年02月25日(木)
皆さまにいただきましたご支援は、① 診療施設の整備、② 低侵襲治療の導入、③ 獣医師の教育と育成、に関わる事業に大切に活用いたしました。具体的には、① 待合室の誘導標識の刷新(写真左上)、テラスへのバリアフリー化(写真右上)、階段・待合椅子等の洗浄、② 集中治療室 動物ケージ(写真左下)、動物用ストレッチャー、③ オンライン・セミナー実施のための配信室の設置(写真右下)、およびガジェットの購入、などを行いました。皆さまのご支援により、動物と飼い主様にやさしい動物病院環境とともに、これまで以上に的確な診断・治療の実現が期待されます。あたたかいご支援を賜り誠にありがとうございました。
東京大学基金HP、附属動物医療センターHP、facebookなどによるインターネットを介した広報活動やパンフレットの配布を行い、皆さまに本基金の取り組みを広く知っていただくため努めました。
また、一定額以上のご寄付をいただいた方へ、webサイトへ掲載の特典を贈呈いたしました。具体的には、礼状及び返礼品のご送付(写真左)、HPおよび玄関受付横の銘板への掲載(写真右)を行いました。誠に残念ながら、予定していた特典のうちの「動物医療センター見学ツアー」に関しましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を鑑み2020年度の実施を見送らせていただきました。
皆さまの力強いご支援にあらためて御礼申し上げます。
引き続き動物と飼い主様にやさしい動物病院環境を目指してまいります。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
2020年09月07日(月)
VMCオリジナルグッズとして、お散歩バッグとオリジナル手ぬぐいを作成しました。
お散歩バッグにはVMCのロゴマークがついています。
こちらのロゴマークは、VMC関係者の知人で、当時藝大生だった堤岳彦さん(https://c-depot-terminal.jp/artist/takehiko-tsutsumi/)にデザインしていただきました。
犬・猫・馬のモチーフがバランス良く配置されています。
オリジナル手ぬぐいは、市松模様をベースに東大のシンボルであるイチョウの葉と、附属動物医療センターで診察する機会のある動物達のモチーフをちりばめました。
都内の動物病院ということもあり、診るのは犬や猫が主ですが、牛・豚などの産業動物や、ウサギなどのエキゾチック動物、ライオン・アシカなどの動物園にいる動物達を診察する機会にも恵まれます。
動物を愛する東大VMCならではの意匠が出来上がったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。お気に召すと幸甚に存じます。
完成品を手に笑顔の福岡玲医師(左手)と赤熊帆波獣医師(右手)
東京大学大学院農学生命科学研究科
附属動物医療センター 病理診断部
特任助教 坪井誠也
2020年08月21日(金)
【活動報告】
VMCの140周年記念基金の設置より半年が経過し、卒業生をはじめ、多くの方々よりご支援を賜りました。皆様から賜りました温かいご支援は合計70件、総額 6,274,000円に達しました(8 月20日現在)。改めまして、基金に対する深いご理解とご協力に対し、厚く御礼申し上げます。
賜りました寄附金の最初の使途として、院内施設の環境整備(診察室の扉の改修・ベランダのスロープの設置)を行いました。
今後の活動内容につきましても、基金ホームページ、病院ホームページおよびFacebookページにて定期的に報告させていただきます。
引き続き、ご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
2020年07月06日(月)
東京大学附属動物医療センター(VMC)は最先端の医療を提供する場であると同時に、免許取得後の獣医師にとっても貴重な学びの場です。私が在籍していた2016年頃は、夜遅くまで最新の論文を読んだり皆で症例について意見交換をしたりしていました。切磋琢磨した大切な仲間はVMCを巣立ち、各地で活躍しています。
今このコロナ禍で、VMCの診療活動には多くの制限があることと思います。VMCが日本の獣医療を牽引していく動物病院であり続けられますよう、皆様からの温かいご支援をお願いいたします。
北海道大学遺伝子病制御研究所 分子神経免疫学分野 博士研究員 内田 萌菜
東京大学附属動物医療センター(VMC)は教育病院としての役割も大きく、わたし達 獣医学専修の学生達の学びの場でもあります。VMCには、毎日たくさんの動物が来院しますが、病気の原因が分からない子や、症状の重い子が多くを占めています。そんな子たちに最善の検査・治療を提供できるよう、日々奮闘する獣医師、看護師さんの姿から学ぶことは、他に替えがたいものがあります。
VMCで培った知識と経験をもとに、わたしも、病気で苦しむ動物たちだけでなく、その子を大切に思うご家族のために全力を注ぐ獣医師になりたいと思います。VMCに皆さまからの温かいご支援を頂けますようお願い致します。
獣医学専修6年 篠原 悠里
2020年07月06日(月)
私が学んだのは、約33年前、平屋の“家畜病院”という名前でした。“家畜”と名前にはありましたが、ペットの診療がほとんどで、日本初のCTスキャンも導入されていました。巣立ってすぐに、今の“東京大学附属動物医療センター(VMC)”が竣工されました。当時としては日本一の規模と設備を誇る動物医療施設でした。そのころ私は駆け出しの臨床医でしたが、この新しい施設でもご指導を頂いたり、重症患者を紹介して助けていただいたりしました。
しかし年月が経ち、施設や設備も古くなり、VMCが「動物にも人にもやさしい世界一の動物病院」を目指すには、あらためて資金が必要なように思います。特に重大な疾患や災害は予測できず、十分な備えが必要です。
皆さんの家族や、多くの動物の命を救うための“最後の砦”としての、“東京大学動物医療センター”へご寄付をご検討頂けないでしょうか。また、この想いが拡散されることを切に望みます。
みずほ台動物病院 名誉院長 兼島 孝
<東京大学動物医療センター140周年記念基金(東大VMC基金)>
<東京大学動物医療センター140周年記念基金(東大VMC基金)>
<東京大学動物医療センター140周年記念基金(東大VMC基金)>
<東京大学動物医療センター140周年記念基金(東大VMC基金)>