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大型低温重力波望遠鏡(KAGRA)プロジェクト

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皆様からのご支援により、神岡町北部会館の全館を改修し、KAGRAの研究スペースを拡張しました

 宇宙線研究所附属重力波観測研究施設は、大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」の本格運転を控え、研究スペースを拡張するため、岐阜県飛騨市神岡町茂住地区の神岡町北部会館を改修しました。

北部会館 新たな研究スペース 新たな研究スペース
(左)北部会館
(中央・右)新たな研究スペース

詳しくは宇宙線研究所HPをご覧ください。

大型低温重力波望遠鏡(KAGRA)プロジェクトにご支援いただいた皆様へ

宇宙線研究所長 梶田 隆章 本プロジェクトにご寄付とご支援をいただいております皆様には、改めて深く御礼申し上げます。さて、本寄付の目的と、それにご賛同いただいた寄付者の皆様のご趣旨に添うべく、この貴重なご寄付の使用用途につきまして長く検討してまいりましたが、検討の結果、重力波観測研究施設における若手研究者、学生、外国人研究者の居室整備としまして、岐阜県飛騨市神岡町東茂住地区の地域施設である北部会館の居室化改修費用に充てさせていただきましたことをご報告いたします。
 まず、居室化改修の対象となった北部会館ですが、2012年に、大型低温重力波望遠鏡KAGRAの建設を始めるにあたり岐阜県飛騨市神岡町東茂住地内での拠点となる施設を探していたところ北部会館を使用させていただけるというお話があり、まずは、1階部分を改修して使用させていただいたのが始まりです。その後、KAGRAの建設が進むにつれて神岡に常駐して研究する研究者や学生、及び参加外国人研究者も次第に増えていったため、2014年には北部会館の直ぐ隣にデータ収集解析棟を建てさせていただき、2016年にはKAGRAの初期観測を行うことができました。現在は、4月からの本格運転を目指して日々地下や地上にて作業を進めているところですが、神岡に来る研究者や学生・及び外国人研究者が増加し、これらの建物だけでは手狭になってしまい大変困っておりました。
 このような中で、さらに、都竹飛騨市長様へ北部会館の2階部分を含めて全体を使用させていただけないかとご相談させていただいたところ、飛騨市様のご負担で北部会館の機能を夢館という別の近隣施設に移動させたうえで、北部会館全体の無償での使用許可をいただき、さらに北部会館の利用についても、東茂住地域の皆さまのご理解もいただくことができました。このような多大なるご理解とご協力のもと、あとは、実際に若手研究者・学生・外国人研究者用の居室化改修にかかわる予算的な確保の段階となったのですが、この改修が本寄付金の当初目標に合致するとの判断に至り、使用させていただいた次第です。本改修は2018年3月に完了いたしました。
 この北部会館はこれからのKAGRAを担う大勢の若い研究者や学生が日々研鑽する場所として使用させていただきます。これからKAGRAでは、2019年からの本格観測を目指して教職員や学生みんなで精一杯研究を進め、皆さまに新しい発見や嬉しい報告が出来るように努めてまいりますので、引き続きご支援ご協力を賜りますよう今後とも何卒よろしくお願いいたします。

2018年3月
 宇宙線研究所長
 梶田 隆章

KAGRAプロジェクトとは

 大型低温重力波望遠鏡(愛称:KAGRA)は、人類史上初めて、宇宙に響き渡っていると考えられている“重力波”という波動現象を捉えることを目指したプロジェクトです。重力波の検出は、一般相対性理論を創出したアインシュタインが我々に与えた最後の宿題です。重力波の検出により、宇宙に存在する万物を内包する入れ物である時空の根源的性質に迫り、ブラックホールが生まれる瞬間を観測するなどの重力波天文学の創生を目指しています。
 2010年より、岐阜県飛騨市神岡町にある神岡鉱山内において、日本の重力波望遠鏡(KAGRA)の建設が開始されました。山裾地下200メートルのところに、一辺3kmのL字型トンネルを新たに掘削し、その中に設置されます。KAGRAプロジェクトには、250人余に及ぶ国内外の研究者が協力しています。
 
 KAGRAプロジェクトの最新版PDF資料はこちら(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大表示されます)
 

KAGRAプロジェクトPDF資料

KAGRA俯瞰図

KAGRA俯瞰図
KAGRAプロジェクトの最新の情報はこちらから KAGRAプロジェクトについてはこちら

KAGRAプロジェクトリーダーからのメッセージ

写真:梶田隆章研究所長

 東京大学宇宙線研究所では、高エネルギー加速器研究機構と自然科学研究機構国立天文台を中心的協力機関とし、かつ、国内外の多数の大学及び研究機関の協力を得て、このKAGRAプロジェクトを進めています。重力波を検出する挑戦は、1970年代の構想から約45年が経過していますが、この計画には、アインシュタインからの最後の宿題に答え、重力波天文学を創生することで、人類の知の地平線を開拓し、21世紀の物理学と天文学に貢献したいと思う研究者達の45年分の思いが結集しています。そのような中、ついに、アメリカのLIGOグループの2台の重力波望遠鏡が、人類史上初めて、連星ブラックホールが合体する瞬間に発生した と思われる重力波を2015年9月14日に観測したという歴史的な報告がなされ、KAGRAのメンバーも我が事のように喜び、感動していますが、皆さんも、400年前にガリレオが初めて光学望遠鏡を製作し天体や宇宙を見た時と同じ感動と体験を、この重力波という新しい「窓」によって得られる歴史的な瞬間に遭遇しているといっても過言ではありません。
 この重力波天文学は始まったばかりです。今後この重力波を、より明瞭に、かつ、数多く検出するには、望遠鏡の高性能化と世界規模での望遠鏡の連携とその安定的運用が必要とされます。高性能化においては、望遠鏡の各部分ほぼすべてにおいて、現代の最高水準かそれ以上の技術が必要とされていますので、革新的技術開発による装置の継続的な性能改善、それを加速するための国際的に優秀な研究者の獲得と国際交流が必要です。また、KAGRAと同規模の重力波望遠鏡はアメリカとヨーロッパにあります。これらの望遠鏡も、さらなる改造が計画され、また進行中ですが、将来これらの重力波望遠鏡とで構成される国際的重力波観測ネットワークにおいて、日本のKAGRAは重要な一翼を担うことを切望されています。KAGRAは、日本政府のご理解と財政的支援を得て建設が進んでいますが、このKAGRAが、なお一層、国際的に競争力と魅力を持って重力波天文学を発展させるには、皆様のご支援を必要としております。なお、KAGRAという愛称は、重力波検出計画に興味を持っていただい方々から公募し、つけていただいた名前です。次は、みなさんと共に、重力波で観測する新たな宇宙の目撃者になりたいと思っています。

宇宙線研究所長
梶田 隆章

小説家・小川洋子さんよりKAGRAプロジェクトへの応援メッセージをいただきました

 KAGRAに寄せて

小川 洋子


 広く一般の方々が応募して下さった、大型低温重力波望遠鏡の名称について、最終的な決定をするための委員会が予定されていたのは、2011年、3月12日でした。名前が決まる、つまり望遠鏡に魂が吹き込まれる、まさに最初のその日は、東日本大震災により延期されました。宇宙に響き渡る波に耳を澄ませようとするこのプロジェクトは、もしかしたら人間以外の何ものかに近づく試みなのかもしれないと、厳かなまでの畏れを感じたのでした。結局、KAGRAという、神に捧げる歌舞に通じる名前が授けられたのも、重力波望遠鏡が持っている運命と無関係ではないのでしょう。
 宇宙科学に関しては全く素人の私ですが、とある偶然から命名委員長を務めさせていただき、以来、母親のような気持ちでKAGRAの成長を見守っています。人類の進歩のため、KAGRAが自ら背負う使命を、どうか無事に果たしてくれますように。いつも、そう祈っています。


小川洋子(おがわ・ようこ)さん 岡山県出身の小説家。1988年『揚羽蝶が壊れる時』でデビューし、1991年に『妊娠カレンダー』で芥川賞を受賞した。2004年に発表した『博士の愛した数式』はベストセラーとなって読売文学賞、本屋大賞を受賞するとともに映画化された。2007年からは芥川賞選考委員を務めている。

命名委員会の様子 愛称公表式
(左)KAGRAの愛称が決定された命名委員会の様子。中央が小川さん。(右)愛称公表式(2012年1月28日)。
(関連記事:http://gwcenter.icrr.u-tokyo.ac.jp/archives/1121

KAGRAの建設現場の様子

地下にあるKAGRA重力波望遠鏡につながるトンネルの入口 KAGRAで利用するビームスプリーターとその防振装置の真空タンク内への装着作業 KAGRAで最重要のサファイア鏡をマイナス253度に冷却するためのクライオスタット。
(左)地下にあるKAGRA重力波望遠鏡につながるトンネルの入口。手前の建物は、坑内に外気を取り込むためのファン室と居室。
(中央)KAGRAで利用するビームスプリーターとその防振装置の真空タンク内への装着作業。
(右)KAGRAで最重要のサファイア鏡をマイナス253度に冷却するためのクライオスタット。ISOクラス1のクリーンブースに格納されている。
KAGRAの3kmの腕の両端に設置される、サファイア鏡の懸架装置 エンドに設置されるサファイア鏡 KAGRA重力波望遠鏡の全てのデータを監視できる制御室
(左)KAGRAの3kmの腕の両端に設置される、サファイア鏡の懸架装置。
(中央)エンドに設置されるサファイア鏡。表面の保護れ防止のため、保護材が塗布されている。
(右)KAGRA重力波望遠鏡の全てのデータを監視できる制御室。

ご寄付への御礼

KAGRA銘板 10万円以上のご寄付をいただきました方へのささやかな御礼といたしまして、KAGRA重力波望遠鏡の実験室入口付近にネームプレートを掲げさせていただきます。


 KAGRA中央実験室の入口に銘板が掲げられています。地表より200メートル以深の地下に貴方のお名前を残しませんか?


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