大型低温重力波望遠鏡(KAGRA)プロジェクト

アインシュタインからの最後の宿題に挑戦~宇宙をとらえる新しい目「KAGRA」

PJ画像

プロジェクト設置責任者

宇宙線研究所 卓越教授
梶田 隆章

今年度寄付総額
739,000円
今年度寄付件数
28件
現在の継続寄付会員人数
7人

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東京大学へのご寄付には税法上の優遇措置が適用されます。

KAGRAプロジェクトとは

大型低温重力波望遠鏡(愛称:KAGRA)は、宇宙に響き渡っていると考えられている“重力波”という波動現象を捉えることを目指したプロジェクトです。重力波の検出は、一般相対性理論を創出したアインシュタインが我々に与えた最後の宿題です。重力波の検出により、宇宙に存在する万物を内包する入れ物である時空の根源的性質に迫り、ブラックホールが生まれる瞬間を観測するなど重力波天文学に貢献することを目指しています。
2010年より、岐阜県飛騨市神岡町にある神岡鉱山内において、日本の重力波望遠鏡(KAGRA)の建設が開始されました。山裾地下200メートルのところに、一辺3kmのL字型トンネルを新たに掘削し、その中に設置されます。KAGRAプロジェクトには、250人余に及ぶ国内外の研究者が協力しています。

KAGRAプロジェクトの最新版PDF資料はこちら(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大表示されます)

KAGRAプロジェクトPDF資料

KAGRA俯瞰図

KAGRA俯瞰図

KAGRAプロジェクトの最新の情報はこちらから  KAGRA-logo.gif

KAGRAプロジェクトリーダーからのメッセージ

 東京大学宇宙線研究所では、高エネルギー加速器研究機構と自然科学研究機構国立天文台を中心的協力機関とし、かつ、国内外の多数の大学及び研究機関の協力を得て、このKAGRAプロジェクトを進めています。重力波を検出する挑戦は、1970年代の構想から約45年が経過していますが、この計画には、アインシュタインからの最後の宿題に答え、重力波天文学を創生することで、人類の知の地平線を開拓し、21世紀の物理学と天文学に貢献したいと思う研究者達の45年分の思いが結集しています。そのような中、ついに、アメリカのLIGOグループの2台の重力波望遠鏡が、人類史上初めて、連星ブラックホールが合体する瞬間に発生した と思われる重力波を2015年9月14日に観測したという歴史的な報告がなされ、KAGRAのメンバーも我が事のように喜び、感動していますが、皆さんも、400年前にガリレオが初めて光学望遠鏡を製作し天体や宇宙を見た時と同じ感動と体験を、この重力波という新しい「窓」によって得られる歴史的な瞬間に遭遇しているといっても過言ではありません。
 この重力波天文学は始まったばかりです。今後この重力波を、より明瞭に、かつ、数多く検出するには、望遠鏡の高性能化と世界規模での望遠鏡の連携とその安定的運用が必要とされます。高性能化においては、望遠鏡の各部分ほぼすべてにおいて、現代の最高水準かそれ以上の技術が必要とされていますので、革新的技術開発による装置の継続的な性能改善、それを加速するための国際的に優秀な研究者の獲得と国際交流が必要です。また、KAGRAと同規模の重力波望遠鏡はアメリカとヨーロッパにあります。これらの望遠鏡も、さらなる改造が計画され、また進行中ですが、将来これらの重力波望遠鏡とで構成される国際的重力波観測ネットワークにおいて、日本のKAGRAは重要な一翼を担うことを切望されています。KAGRAは、日本政府のご理解と財政的支援を得て建設が進んでいますが、このKAGRAが、なお一層、国際的に競争力と魅力を持って重力波天文学を発展させるには、皆様のご支援を必要としております。なお、KAGRAという愛称は、重力波検出計画に興味を持っていただい方々から公募し、つけていただいた名前です。次は、みなさんと共に、重力波で観測する新たな宇宙の目撃者になりたいと思っています。

 宇宙線研究所 卓越教授
梶田 隆章

小説家・小川洋子さんよりKAGRAプロジェクトへの応援メッセージをいただきました

KAGRAに寄せて

小川 洋子

 広く一般の方々が応募して下さった、大型低温重力波望遠鏡の名称について、最終的な決定をするための委員会が予定されていたのは、2011年、3月12日でした。名前が決まる、つまり望遠鏡に魂が吹き込まれる、まさに最初のその日は、東日本大震災により延期されました。宇宙に響き渡る波に耳を澄ませようとするこのプロジェクトは、もしかしたら人間以外の何ものかに近づく試みなのかもしれないと、厳かなまでの畏れを感じたのでした。結局、KAGRAという、神に捧げる歌舞に通じる名前が授けられたのも、重力波望遠鏡が持っている運命と無関係ではないのでしょう。
 宇宙科学に関しては全く素人の私ですが、とある偶然から命名委員長を務めさせていただき、以来、母親のような気持ちでKAGRAの成長を見守っています。人類の進歩のため、KAGRAが自ら背負う使命を、どうか無事に果たしてくれますように。いつも、そう祈っています。
 


小川洋子(おがわ・ようこ)さん 岡山県出身の小説家。1988年『揚羽蝶が壊れる時』でデビューし、1991年に『妊娠カレンダー』で芥川賞を受賞した。2004年に発表した『博士の愛した数式』はベストセラーとなって読売文学賞、本屋大賞を受賞するとともに映画化された。2007年からは芥川賞選考委員を務めている。

命名委員会の様子

KAGRAの愛称が決定された命名委員会の様子。中央が小川さん。

愛称公表式

愛称公表式(2012年1月28日)

(関連記事:http://gwcenter.icrr.u-tokyo.ac.jp/archives/1121

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KAGRAの建設現場の様子

地下にあるKAGRA重力波望遠鏡につながるトンネルの入口。手前の建物は、坑内に外気を取り込むためのファン室と居室。

地下にあるKAGRA重力波望遠鏡につながるトンネルの入口。
手前の建物は、坑内に外気を取り込むためのファン室と居室。

KAGRAで利用するビームスプリッターとその防振装置の真空タンク内への装着作業

KAGRAで利用するビームスプリッターとその防振装置の真空タンク内への装着作業。

KAGRAで最重要のサファイア鏡をマイナス253度に冷却するためのクライオスタット

KAGRAで最重要のサファイア鏡をマイナス253度に冷却するためのクライオスタット。
クリーンブースに格納されている。

KAGRAの3kmの腕の両端に設置される、サファイア鏡の懸架装置

KAGRAの3kmの腕の両端に設置される、サファイア鏡の懸架装置。

エンドに設置されるサファイア鏡。表面の汚れ防止のため、保護材が塗布されている。

エンドに設置されるサファイア鏡。表面の汚れ防止のため、保護材が塗布されている。

KAGRA重力波望遠鏡の全てのデータを監視できる制御室

KAGRA重力波望遠鏡の全てのデータを監視できる制御室。

 

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2024年活動報告
-能登半島地震によるKAGRAの障害からの復旧と若手を招いての学生ワークショップ開催-

2025年02月18日(火)

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2024年1月1日の能登半島地震によって障害が発生した大型低温重力波望遠鏡KAGRAはこのほど機器類が復旧し、レーザー干渉計としての動作を再開しました。今後は、さまざまな調整と感度向上作業を行い、2025年には米国のLIGO、ヨーロッパのVirgoとの国際共同観測運転に参加する予定です。また若手の育成として2024年夏に初めてKAGRAの共同研究を行っている大学院生の為の「学生ワークショップ」が行われ、国内外11機関24名の学生が参加しました。神岡の重力波観測研究施設にて学生が実験や解析を行いました。将来研究者として現場で活躍してほしいという願いが込められています。今後も若手の育成及びスタッフ一同着実に世界最先端の研究を進めて参りますので、引き続きKAGRAへのご支援を賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。

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岡野 文宗

2024年09月11日

100,000円

研究内容が難解で自分には理解できないところに魅力を感じました。微額ですがお役に立てば幸いです。

********

2024年06月12日

10,000円

宇宙科学については専門ではありませんが,微力ながら,重力波天文学・宇宙科学の発展に貢献できればと思います.

木谷 繁克

2024年04月17日

100,000円

プロジェクトの更なる発展を祈ってます。

西條 元康

2024年01月25日

50,000円

能登半島で大きな地震による影響で、KAGURAによる観測運転ができない状態に心を痛めております。先生のご心痛お察し致します。僅かながらの金額ですがお役にたてれば嬉しく思います。

平野 康彦

2023年12月27日

10,000円

些少ですが、何かに使っていただけると幸いです。

********

2023年12月26日

1,000円

12月は寄付月間

********

2023年07月03日

10,000円

微力ながら応援させてください

田畑 正和

2023年05月25日

100,000円

これからもわくわくする新しい発見を教えてください。頑張ってください。

三橋 裕之

2022年09月30日

100,000円

重力波で宇宙の晴れ上がりの向こうへ!

三橋 裕之

2022年09月30日

100,000円

重力波天文学の更なる発展を期待しています。

三橋 裕之

2022年09月30日

100,000円

重力波研究による人類への貢献を期待します。

松本 真児

2022年08月13日

1,000円

KAGRAプロジェクトに期待しております。

********

2022年07月05日

10,000円

物理学の進展に微力ながら

佐々木 利和

2021年07月04日

10,000円

コロナ禍の中、研究にも様々な制約があろうかと思いますが、O4体制の進捗を祈念しております。

上田 智延

2021年04月10日

10,000円

真空の宇宙空間を伝わる「音楽」を聴きたい。 プロジェクトの推進にお役立て下さい。

鬼塚 磐雄

2021年03月03日

20,000円

ささやかですが、プロジェクトが成果を挙げられますように祈念しております。

佐々木 利和

2020年07月21日

10,000円

観測が開始された後の状況について、発表が楽しみです。

葉 暁健

2020年06月28日

100,000円

コロナの時期こそ、未知の世界へ地味な研究と粘り強さで努力することの重要性が一層理解しております。微力ながら宜しくお願い申し上げます。

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プロジェクト設置責任者

宇宙線研究所
卓越教授
梶田 隆章

今年度寄付総額
739,000円
今年度寄付件数
28件
現在の継続寄付会員人数
7人

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ご寄付の謝意・記念品

「東京大学基金」の謝意・記念品が適用されます。

このプロジェクトの謝意・記念品

10万円以上のご寄付

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KAGRA重力波望遠鏡の実験室入口付近にネームプレートを掲げさせていただきます。

※原則、お申込時のお名前で作成いたします。お申込時のお名前と異なる名義をご希望の場合や作成をご希望されない場合は、寄付申込画面の「ご意見欄」欄にその旨をご記入ください。

東京大学へのご寄付には税法上の優遇措置が適用されます。

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