大型低温重力波望遠鏡(愛称:KAGRA)は、宇宙に響き渡っていると考えられている“重力波”という波動現象を捉えることを目指したプロジェクトです。重力波の検出は、一般相対性理論を創出したアインシュタインが我々に与えた最後の宿題です。重力波の検出により、宇宙に存在する万物を内包する入れ物である時空の根源的性質に迫り、ブラックホールが生まれる瞬間を観測するなど重力波天文学に貢献することを目指しています。
2010年より、岐阜県飛騨市神岡町にある神岡鉱山内において、日本の重力波望遠鏡(KAGRA)の建設が開始されました。山裾地下200メートルのところに、一辺3kmのL字型トンネルを新たに掘削し、その中に設置されます。KAGRAプロジェクトには、250人余に及ぶ国内外の研究者が協力しています。
KAGRAプロジェクトの最新版PDF資料はこちら(画像をクリックすると別ウィンドウで拡大表示されます)
東京大学宇宙線研究所では、高エネルギー加速器研究機構と自然科学研究機構国立天文台を中心的協力機関とし、かつ、国内外の多数の大学及び研究機関の協力を得て、このKAGRAプロジェクトを進めています。重力波を検出する挑戦は、1970年代の構想から約45年が経過していますが、この計画には、アインシュタインからの最後の宿題に答え、重力波天文学を創生することで、人類の知の地平線を開拓し、21世紀の物理学と天文学に貢献したいと思う研究者達の45年分の思いが結集しています。そのような中、ついに、アメリカのLIGOグループの2台の重力波望遠鏡が、人類史上初めて、連星ブラックホールが合体する瞬間に発生した と思われる重力波を2015年9月14日に観測したという歴史的な報告がなされ、KAGRAのメンバーも我が事のように喜び、感動していますが、皆さんも、400年前にガリレオが初めて光学望遠鏡を製作し天体や宇宙を見た時と同じ感動と体験を、この重力波という新しい「窓」によって得られる歴史的な瞬間に遭遇しているといっても過言ではありません。
この重力波天文学は始まったばかりです。今後この重力波を、より明瞭に、かつ、数多く検出するには、望遠鏡の高性能化と世界規模での望遠鏡の連携とその安定的運用が必要とされます。高性能化においては、望遠鏡の各部分ほぼすべてにおいて、現代の最高水準かそれ以上の技術が必要とされていますので、革新的技術開発による装置の継続的な性能改善、それを加速するための国際的に優秀な研究者の獲得と国際交流が必要です。また、KAGRAと同規模の重力波望遠鏡はアメリカとヨーロッパにあります。これらの望遠鏡も、さらなる改造が計画され、また進行中ですが、将来これらの重力波望遠鏡とで構成される国際的重力波観測ネットワークにおいて、日本のKAGRAは重要な一翼を担うことを切望されています。KAGRAは、日本政府のご理解と財政的支援を得て建設が進んでいますが、このKAGRAが、なお一層、国際的に競争力と魅力を持って重力波天文学を発展させるには、皆様のご支援を必要としております。なお、KAGRAという愛称は、重力波検出計画に興味を持っていただい方々から公募し、つけていただいた名前です。次は、みなさんと共に、重力波で観測する新たな宇宙の目撃者になりたいと思っています。
小川 洋子
広く一般の方々が応募して下さった、大型低温重力波望遠鏡の名称について、最終的な決定をするための委員会が予定されていたのは、2011年、3月12日でした。名前が決まる、つまり望遠鏡に魂が吹き込まれる、まさに最初のその日は、東日本大震災により延期されました。宇宙に響き渡る波に耳を澄ませようとするこのプロジェクトは、もしかしたら人間以外の何ものかに近づく試みなのかもしれないと、厳かなまでの畏れを感じたのでした。結局、KAGRAという、神に捧げる歌舞に通じる名前が授けられたのも、重力波望遠鏡が持っている運命と無関係ではないのでしょう。
宇宙科学に関しては全く素人の私ですが、とある偶然から命名委員長を務めさせていただき、以来、母親のような気持ちでKAGRAの成長を見守っています。人類の進歩のため、KAGRAが自ら背負う使命を、どうか無事に果たしてくれますように。いつも、そう祈っています。
小川洋子(おがわ・ようこ)さん 岡山県出身の小説家。1988年『揚羽蝶が壊れる時』でデビューし、1991年に『妊娠カレンダー』で芥川賞を受賞した。2004年に発表した『博士の愛した数式』はベストセラーとなって読売文学賞、本屋大賞を受賞するとともに映画化された。2007年からは芥川賞選考委員を務めている。
KAGRAの愛称が決定された命名委員会の様子。中央が小川さん。
愛称公表式(2012年1月28日)
(関連記事:http://gwcenter.icrr.u-tokyo.ac.jp/archives/1121)
地下にあるKAGRA重力波望遠鏡につながるトンネルの入口。
手前の建物は、坑内に外気を取り込むためのファン室と居室。
KAGRAで利用するビームスプリッターとその防振装置の真空タンク内への装着作業。
KAGRAで最重要のサファイア鏡をマイナス253度に冷却するためのクライオスタット。
クリーンブースに格納されている。
KAGRAの3kmの腕の両端に設置される、サファイア鏡の懸架装置。
エンドに設置されるサファイア鏡。表面の汚れ防止のため、保護材が塗布されている。
KAGRA重力波望遠鏡の全てのデータを監視できる制御室。
2024年02月09日(金)
国際共同観測O4a開始
大型低温重力波望遠鏡KAGRAは2023年5月25日から国際共同観測O4aを開始しました。その後6月21日に4週間の観測運転を無事に終え、感度向上作業を再開しました。現在得られたデータの解析が行われており、来年のO4bに向けてのアップグレード作業も並行して進められています。
O4a観測開始時のコントロールルーム
LIGO-Virgo-KAGRAコラボレーションミーティング開催
9月には富山の国際会議場でLVK会議が開催され、日本を含め20ヵ国から約370人の研究者が集まりそれぞれの観測装置や研究の現状と今後について情報を共有し、活発な議論を交わしました。リモートでは約560人が参加しました。ミーティングの期間中にはKAGRA施設の見学ツアーも連日行われ、約280人が参加しました。KAGRAは、米国のLIGO(米国内の2カ所)や欧州のVirgo(イタリア)が地上に設置されているのと異なり、地面の振動を避けて神岡鉱山地下に設置されていること、装置の心臓部の鏡を極低温に冷却して熱雑音を低減する手法などが特徴で、各国のコラボレーターからさまざまな質問が飛びました。コロナ禍を経てKAGRAは着実に国際交流が活発になっています。
富山の国際会議場で開催されたLVK会議の集合写真
LVK会議の際に行われたKAGRA見学
2023年02月08日(水)
国際共同観測に向け海外の研究者が協力しコントロールルームにて作業
大型低温重力波望遠鏡KAGRAは2019年に完成、2020年2月に観測を開始しました。現在は、2023年春に予定されている次回の国際共同観測O4開始にむけ、準備作業を進めています。新型コロナウイルスが世界的に再拡大し、O4開始時期も遅れていますが、それに対応すべく様々な工夫もしています。また、ウィズコロナのプロジェクト運営を考慮しながら、徐々に海外との交流再開にも着手しています。
2022年02月01日(火)
大型低温重力波望遠鏡KAGRAを改良中
2020年春の観測開始後は、一旦KAGRAを解体して、ミラーの防振系の改修や冷却装置の交換、散乱光を防止するためのバッフルの設置など様々な改良作業をしており、この状況はオンライン一般公開でもお伝えしたところです。また、より高性能なレーザーを富山大で準備中で、いずれKAGRAに組み込まれる予定です。これらは感度を向上させるために必要な作業で、今年末から日米欧で行う国際共同観測を実現させるだけではなく、一日も早く重力波を自力でとらえて重力波天文学に貢献できる研究成果を出すことを目指しています。
研究環境の整備
岐阜県飛驒市の施設である北部会館(岐阜県飛驒市)全体を、宇宙線研究所附属重力波観測研究施設の実験施設として改修し、若手研究者や学生用の研究スペースとして使用しています。日頃から、研究者や学生が活発な研究活動を行うなど、KAGRAでの重力波観測に向けて、大変貴重なスペースとなっています。
岐阜県飛騨市との連携
岐阜県飛驒市と宇宙線研究所は、学術研究の発展や人材育成、地域の活性化を目指し、「岐阜県飛驒市と東京大学宇宙線研究所との連携協力に関する協定書」を2017年1月22日に締結しました。また、岐阜県飛騨市から北部会館を無償で借り受けています。この他にも、サイエンスカフェや一般向け見学会の開催など、KAGRAの様々なイベントの運営にも多大な支援を受けています。
広報活動
宇宙線研究所主催のイベントとNHK番組「575でカガク」において、KAGRAのPRを行いました。
2022年01月19日(水)
UTokyo Future TV ~東大と世界のミライが見える~ Vol.3アーカイブ動画を公開しています。(ゲスト 梶田 隆章教授×ナビゲーター 渋澤健氏)
東京大学基金アドバイザーである渋澤健氏がナビゲーターを務めるオンライン対談「UTokyo Future TV」。毎回多彩なゲストを迎え、様々な切り口で東京大学と世界のミライを紐解く対談をおこなっています。
第3回ゲストは、東京大学卓越教授で宇宙線研究所長を務め、ニュートリノ物理学研究に取り組む梶田 隆章教授でした。カミオカンデにおける研究の魅力から巨大研究プロジェクトを継続するために必要なことなど、「研究を最大化する寄附の可能性」をテーマに議論しました。
2021年03月26日(金)
日頃より東京大学宇宙線研究所KAGRA基金への多大なるご支援を賜りまして、誠にありがとうございます。
2020年2月に観測を開始したKAGRAですが、現在は次期観測O4(Observation 4)に備えて、感度を高めるためのアップグレード作業を行っています。O4では、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの国際観測ネットワーク(LIGO-Virgo-KAGRA)の重要な一翼を担うことが期待されており、その準備に全力で取り組んでいるところです。
これまでいただいたご支援は研究者や学生が活発な研究活動を行うために大切に活用させていただきます。
重力波天文学は始まったばかりです。このKAGRAが、なお一層、国際的に競争力と魅力を持って重力波天文学を発展させるため、引き続き皆様のご支援をお願い申し上げます。
東京大学宇宙線研究所長 梶田隆章
2021年02月05日(金)
●大型低温重力波望遠鏡KAGRAが観測を開始
2019年に完成したKAGRAは、感度出しのための調整ののち2020年2月に観測を開始しました。新型コロナウイルスの感染が世界的に広がり、残念ながら米国のLIGOやイタリアのVirgoが観測を中断してしまう中、4月にはKAGRAはドイツのGEO600との国際共同観測を約2週間行い、世界の重力波観測ネットワークの一員となることができました。その後、2022年に予定されている次回の国際共同観測にむけ、KAGRAの感度を高めるためのアップグレード作業を開始しました。
●研究環境の整備
岐阜県飛驒市の施設である北部会館(岐阜県飛驒市)全体を、宇宙線研究所附属重力波観測研究施設の実験施設として改修し、若手研究者や学生用の研究スペースとして使用しています。日頃から、研究者や学生が活発な研究活動を行うなど、KAGRAでの重力波観測に向けて、大変貴重なスペースとなっています。
●岐阜県飛騨市との連携
岐阜県飛驒市と宇宙線研究所は、学術研究の発展や人材育成、地域の活性化を目指し、「岐阜県飛驒市と東京大学宇宙線研究所との連携協力に関する協定書」を2017年1月22日に締結しました。この協定を受け、北部会館を、岐阜県飛騨市から無償で使用許可を受けて、宇宙線研究所附属重力波観測研究施設の実験施設として改修して使用しています。この他にも、サイエンスカフェや一般向け見学会の開催など、KAGRAの様々なイベントの運営にも多大な支援を受けています。
●広報活動
宇宙線研究所主催のイベント等において、KAGRA基金のPRを行いました。
引き続きご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
2020年02月26日(水)
●大型低温重力波望遠鏡KAGRAの完成
宇宙線研究所が国立天文台、高エネルギー加速器研究機構(KEK)と協力して建設を進めてきた大型低温重力波望遠鏡KAGRAの完成記念式典が、2019年10月4日に関係者や地元自治体、協力企業の代表者ら50人ほどが出席してKAGRA坑内(岐阜県飛騨市)で開催されました。実験開始のセレモニーでは、宮園東京大学理事・副学長、梶田隆章所長の手で実験開始のボタンが押されると、押してすぐに四つのサファイヤ鏡が固定し、干渉計として機能する様子がモニターに映し出され、集まった出席者から大きな拍手が湧き起こりました。
また、富山市内のホテルに会場を移して、米国のLIGO、欧州のVirgoとKAGRAの研究協定調印式を行いました。今後、KAGRAは、LIGO、Virgoと一緒に国際共同観測に参加し、サイエンスに貢献していくことになります。
●研究環境の整備
岐阜県飛驒市の施設である北部会館(岐阜県飛驒市)全体を、宇宙線研究所附属重力波観測研究施設の実験施設として改修し、若手研究者や学生用の研究スペースとして使用しています。日頃から、研究者や学生が活発な研究活動を行うなど、KAGRAでの重力波観測に向けて、大変貴重なスペースとなっています。
●岐阜県飛騨市との連携
岐阜県飛驒市と宇宙線研究所は、学術研究の発展や人材育成、地域の活性化を目指し、「岐阜県飛驒市と東京大学宇宙線研究所との連携協力に関する協定書」を2017年1月22日に締結しました。この協定を受け、北部会館を、岐阜県飛騨市から無償で使用許可を受けて、宇宙線研究所附属重力波観測研究施設の実験施設として改修して使用しています。この他にも、サイエンスカフェや一般向け見学会の開催など、KAGRAの様々なイベントの運営にも多大な支援を受けています。
●広報活動
宇宙線研究所主催のイベント等において、KAGRA基金のPRを行いました。
宇宙線研究所では、数多くの最先端研究を結集し、アインシュタインが予言した重力波(時空のゆがみ)を直接観測することで重力波天文学の展開を目指した大型低温重力波望遠鏡(KAGRA)プロジェクトを進めています。
主な活動
KAGRAの本格運転を控え、重力波観測研究施設における若手研究者、学生、外国人研究者の居室等のスペースを拡張するため、岐阜県飛騨市神岡町の神岡町北部会館を改修し、2018年3月2日に完了しました。
神岡町北部会館は、1984年に閉校した神岡町立茂住小学校の跡地に茂住地域の公民館施設、保育園として建設されました。2012年には、北部会館1階の一部を改修してKAGRAの建設の拠点としました。その後、2014年には常駐する研究者の増加にともない、北部会館のすぐ隣にデータ収集解析棟を建設しました。しかし、KAGRAの本格運転に向けて建設を進めるにあたり、若手研究者や大学院生の常駐も増大し、さらに研究スペースが必要となっていたため、地域の方々の集会などで使われていた2階部分を含めた北部会館全体の使用許可をいただき、改修したものです。
寄付金の使途
若手研究者等の研究スペースを確保するための神岡町北部会館改修に係る費用に充てさせていただきました。
継続支援のお願い
今後も、本格観測を進めていくにあたり、さらなる若手研究者や大学院生等の研究環境の充実が必要となります。寄附募集金額の当初目標である1億円に向けて、宇宙線研究所のさまざまなイベント等による周知活動を継続しつつ、本プロジェクトへの寄附者の皆様に、実施可能な範囲での現地見学会を継続して実施してまいります。皆様からさらなるご支援を賜りたく、ここにお願い申し上げます。
宇宙線研究所附属重力波観測研究施設は、大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」の本格運転を控え、研究スペースを拡張するため、岐阜県飛騨市神岡町茂住地区の神岡町北部会館を改修しました。
北部会館
新たな研究スペース
大型低温重力波望遠鏡(KAGRA)プロジェクトにご支援いただいた皆様へ
本プロジェクトにご寄付とご支援をいただいております皆様には、改めて深く御礼申し上げます。さて、本寄付の目的と、それにご賛同いただいた寄付者の皆様のご趣旨に添うべく、この貴重なご寄付の使用用途につきまして長く検討してまいりましたが、検討の結果、重力波観測研究施設における若手研究者、学生、外国人研究者の居室整備としまして、岐阜県飛騨市神岡町東茂住地区の地域施設である北部会館の居室化改修費用に充てさせていただきましたことをご報告いたします。
まず、居室化改修の対象となった北部会館ですが、2012年に、大型低温重力波望遠鏡KAGRAの建設を始めるにあたり岐阜県飛騨市神岡町東茂住地内での拠点となる施設を探していたところ北部会館を使用させていただけるというお話があり、まずは、1階部分を改修して使用させていただいたのが始まりです。その後、KAGRAの建設が進むにつれて神岡に常駐して研究する研究者や学生、及び参加外国人研究者も次第に増えていったため、2014年には北部会館の直ぐ隣にデータ収集解析棟を建てさせていただき、2016年にはKAGRAの初期観測を行うことができました。現在は、4月からの本格運転を目指して日々地下や地上にて作業を進めているところですが、神岡に来る研究者や学生・及び外国人研究者が増加し、これらの建物だけでは手狭になってしまい大変困っておりました。
このような中で、さらに、都竹飛騨市長様へ北部会館の2階部分を含めて全体を使用させていただけないかとご相談させていただいたところ、飛騨市様のご負担で北部会館の機能を夢館という別の近隣施設に移動させたうえで、北部会館全体の無償での使用許可をいただき、さらに北部会館の利用についても、東茂住地域の皆さまのご理解もいただくことができました。このような多大なるご理解とご協力のもと、あとは、実際に若手研究者・学生・外国人研究者用の居室化改修にかかわる予算的な確保の段階となったのですが、この改修が本寄付金の当初目標に合致するとの判断に至り、使用させていただいた次第です。本改修は2018年3月に完了いたしました。
この北部会館はこれからのKAGRAを担う大勢の若い研究者や学生が日々研鑽する場所として使用させていただきます。これからKAGRAでは、2019年からの本格観測を目指して教職員や学生みんなで精一杯研究を進め、皆さまに新しい発見や嬉しい報告が出来るように努めてまいりますので、引き続きご支援ご協力を賜りますよう今後とも何卒よろしくお願いいたします。
2018年3月
宇宙線研究所長
梶田 隆章
2016年07月25日(月)
大型低温重力波望遠鏡(KAGRA)プロジェクトへご支援いただいた方に感謝の気持ちを込め、岐阜県飛騨市の東京大学宇宙線研究所・重力波観測研究施設において、「大型低温重力波望遠鏡(KAGRA)プロジェクト銘板・施設見学会」を開催いたしました。
今回の見学会では、2016年春までにKAGRAプロジェクトの銘板対象となる金額以上をご支援いただいた方をご招待し、同伴者も含めて約80名の方にご参加いただきました。
当日は、富山駅からKAGRA坑口までマイクロバスで移動した後、「かぐらトンネル」を通ってKAGRA中央実験室までお進みいただきました。梶田隆章宇宙線研究所長(2015年ノーベル物理学賞受賞)からのご挨拶、稲場肇渉外本部長からのご挨拶の後には、梶田研究所長との懇談・銘板見学、宇宙線研究所教員による研究概要説明・施設見学ツアーが行われました。普段は入ることができないKAGRA施設内で、地表から200メートル以深にある実験室、一辺3キロメートルのL字の形をした重力波望遠鏡などをご見学いただき、壮大な研究の現場を肌で実感いただける貴重な機会となりました。
中央実験室へ続く「かぐらトンネル」
梶田宇宙線研究所長のご挨拶
梶田研究所長からの冒頭のご挨拶では、ご支援をいただいたことに対する謝意と、KAGRAでの研究の意義を説明いたしました。また、今後も重力波天文学の創設に向けて研究に取り組んでいく決意が述べられました。
銘板見学の様子
施設見学の様子
KAGRAプロジェクトでは、2015年に特定基金プロジェクトを立ち上げて以来、約5,000万円のご支援をいただいてきました。皆様の温かいご支援に、この場を借りて御礼申し上げます。KAGRAが重力波国際観測ネットワークの一翼となり、「人類の知の地平線」の拡大に貢献できるように、引き続きご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
施設見学の様子
トンネル内に走る真空ダクト
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KAGARAプロジェクトの成功を心より願っております。
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LIGOに続く重力波に関する発見を期待しています。
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