バイオロギング支援基金

海洋動物を使って情報空白地帯をカバーする Internet of Animals (IoA)

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プロジェクト設置責任者

大気海洋研究所 行動生態計測分野 教授
佐藤 克文

今年度寄付総額
566,000円
今年度寄付件数
16件
現在の継続寄付会員人数
5人

このプロジェクトに寄付をする

東京大学へのご寄付には税法上の優遇措置が適用されます。

 バイオロギング研究について、随時「活動報告」タブにて研究者が奮闘する様子やその成果を発信しています。ぜひご覧ください。
第1回:ウミガメは年齢不詳?

動物の生態調査の新手法、バイオロギングとは?


何かを背負ったウミガメが海に向かっていきます・・・

 水平方向にも鉛直方向にも広範囲を動き回る海洋大型動物の暮らしぶりを調べるのに、観察や飼育といった従来の手法だけでは限界がありました。そこで、動物への負荷を配慮した小型の計測器を動物に搭載し、海洋大型動物の行動や生理を調べる手段が考案され、「バイオロギング」という名称が日本で生み出されました。
※バイオロギングは動物の行動や生態に十分配慮し実施されています。


マッコウクジラに計測器を取り付ける様子
クジラは捕獲して取り付けることができないので
泳いでいるクジラに狙いを定めて背中に吸盤で装置を貼り付けます。
装置は数時間から1日後に自然と体から離れて海面に浮かびます。
その後、電波を頼りに装置を探して回収するのですが、これが大変です・・・。

 動物に装着する小型の計測機器の開発には特別な技術が必要となりますが、日本には物づくりの伝統があるので小型で精密な機器を作成することが得意なのです。このことにより、動物や環境への負荷へ最大限配慮した研究を進めることができています。高性能な小型装置を開発し、地道に動物と向き合うことで、この研究分野では日本が世界を先導してきました。予想を覆す数々の発見がもたらされた一方で、動物たちが生息する海洋環境の測定にもバイオロギングが有効であることが次第に明らかになってきました。

バイオロギングでなにができるのか?


ウミガメに付けたカメラの映像

 これまでは動物が海に潜ってしまうと何をしているのか分かりませんでしたが、バイオロギングによって海洋動物の神秘的な生活が次々と明らかになってきました。ペンギンは海の中でどうやって生活しているのでしょうか。また、深海でマッコウクジラは数メートルもあるダイオウイカをどうやって捕まえているのでしょうか。バイオロギングによって、こういった謎が明らかになりつつあります。さらに、動物から大量の情報が得られるようになってきたことを受けて、これらの情報を野生動物の保護や地球環境の保全にも役立てることが出来るのではないかと私たちは考えるようになりました。

オオミズナギドリ1.jpg
背中にロガーを付けたオオミズナギドリ

 陸上では全てのモノがインターネットにつながるInternet of Things により、多種多様なビッグデータが生み出され、利活用されるようになりつつあります。Internet of Thingsとは、インターネットに接続されたセンサーを様々なものに搭載することで、大量の情報を収集し、世の中を良くしていこうという考え方です。ただし、現状では海洋に情報収集端末を設置することは出来ていません。しかし、我々が海洋動物に装着している装置をインターネットに接続できるようにすれば、情報空白地帯であった海洋からも大量の情報を収集することが可能になります。動物は日々餌を求めて自律的に動き回るので、少数の端末からでも生物生産性の高い海域に関する有用な情報を効率的に集めることが可能です。これらの動物たちが、海洋の温度や波浪、風などの情報をリアルタイムで集めるInternet of Animalsが実現すれば、より的確に海洋環境を把握できるようになり、台風や干ばつなど海を起点とした自然災害による被害を低減させることが出来ると考えています。

サムネイルイラスト.png
様々な海洋生物からリアルタイムにデータを送ってもらうInternet of Animalsが実現した世界では
海洋の貴重で有用な多くの情報を効率的に収集することができるように!

 コロナ禍に見舞われた2020年、日本や世界の社会はその対応に追われ、大学においても教育や研究のやり方を変更せざるを得ない状況に追い込まれました。完全な収束までに2〜3年を要するといわれているwith コロナの時代に対応した、新しい研究や教育のやり方を至急立ち上げなければなりません。例えば、普段都会で暮らす東京大学の研究者は、僻地や国外にある調査地を頻繁に訪れるやり方で研究を進めるのが難しくなりました。動物に装置を搭載して遠隔地のデータを得るバイオロギングは、その窮地を打開する1 つの有望な手段になります。

ご支援のお願い


バイオロギングの活動を身近に感じていただくことができる
様々な特典をご用意いたしました

 大気海洋研究所行動生態計測分野では、バイオロギングを主な手段とする3人の教員が、大学院生らと共に僻地に出かけていき、哺乳類・鳥類・爬虫類・魚類を対象とした行動生態学や環境学を進めています。
 いただいたご支援は下記のような目的に使わせていただきます。

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バイオロギングを支える新たな機器の開発
研究者2.png
野外調査の担い手である若手研究者支援
発信機付きウミガメ特典2.png
得られるデータを必要とする人々に提供するためのプラットフォーム作成
環境教育1.png
学童を含む一般市民へ成果還元をするアウトリーチ活動

 皆様からのご支援がバイオロギングの活動を進める原動力となります。ぜひ、皆様の応援をよろしくお願いいたします。

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ウミガメは年齢不詳?

2020年12月22日(火)

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ウミガメの生態にはまだまだわかっていないことも多くあります。

 私達が主に扱っている海洋動物は、いずれも長寿で人と同程度もしくはそれ以上の期間におよぶ生活史を持っています。そんな動物たちの調査を継続していくのに、皆様からの長期にわたるご支援が必要不可欠なのです。
 「亀は万年」などといわれるウミガメ類ですが、実際何歳まで生きるのか、誰にも分かりません。寿命はおろか、卵から孵化した後、何年かけて性成熟に達するのかもよく分かっていない状況です。私達は、2005年から岩手県大槌町周辺の定置網に混獲されるウミガメ類の調査を進めてきました。アカウミガメとアオウミガメが主に捕獲されますが、甲羅の長さが60cm(アカウミガメ)もしくは40cm(アオウミガメ)前後の大きさで、いずれも産卵のために砂浜に上陸してくる成体雌に比べると小さいために、まだ性成熟に達する前の少年から青年期のウミガメであることが推察できます。

 「このカメは何歳ですか?」と地元大槌町の人々にしばしば尋ねられるのですが、「分からないんです」と答えざるをえませんでした。しかし、2018年の夏、ずっと待ち望んでいたアカウミガメが大槌町近辺の定置網で捕獲されました。甲羅の長さが61センチ、体重35kgのカメの体内に、ピットタグという個体識別用のチップが入っていたのです。ウミガメで学位を取得して、大槌町で地道に調査を継続してきた博士研究員の福岡拓也さんが発見しました。

活動報告202012.jpg
背中に人工衛星発信器を装着したアオウミガメを放流する福岡拓也さん

 これまで、岩手で混獲されたウミガメを放流する際に、四肢の付け根に取り付けるプラスチック製および金属製の標識以外に、ピットタグの体内挿入も行っていました。四肢の付け根に付ける標識は数年で脱落してしまいますが、ピットタグは一生体内に残ります。岩手県で混獲されたウミガメにピットタグを挿入する前に、念のため既に挿入されたピットタグが無いかを確認する作業を福岡さんは実直に続けていました。2018年8月27日に捕獲された個体に対し、いつものように専用読み取り機で確認作業を行ったところ、思いがけず反応がありました。番号を確認すると、私達が岩手県で取り付けたものとは異なるタグでした。そこで、ウミガメ関係者に問い合わせを行ったところ、2008年に屋久島で孵化した幼体に挿入されたものであることが判明したのです。我々が知る限り、卵から孵化した幼体が甲羅の長さ60cmになるまで10年を要したことを示す世界初の記録です。水族館で栄養が豊富な餌を与えて育てると4〜5年でその程度にまで育つことはわかっていました。野生では水族館で与えられているよりも栄養価が低い餌を食べているようです。その後も調査は継続していますが、ピットタグが挿入されていた個体はまだ発見されていません。

IMG_2994.jpeg

 私達は毎年数十個体の亜成体にピットタグを挿入して放流し続けています。ミトコンドリアDNAを分析した結果からは、岩手に来遊してくるアカウミガメは鹿児島県の屋久島産、アオウミガメは東京都の小笠原産であることが判明しています。2005年以降岩手からウミガメを放流し続けてきましたが、まだどこの産卵場からも連絡はありません。岩手から放流したウミガメが何年後にどこの砂浜に産卵上陸するのか、いつかくるだろうその日を心待ちにしながら、今後数十年にわたってウミガメ調査を継続していきます。
 このように気が遠くなるような継続調査は長くても5年で打ち切られてしまう競争的資金では難しく、より長期的かつ安定的な資金が必要となります。そのため、皆様からの継続的なご支援がバイオロギングの大きな支えとなるのです。

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寄付目的・支援先を指定できます
お名前 日付 金額 コメント
佐々木 明彦 2020年12月29日 30,000円 家族が皆ウミガメ好きで、海洋動物の生態や保全にも興味があります。新たな発見につながることを楽しみにしています。
<バイオロギング支援基金>
******** 2020年12月28日 100,000円 子どもがカメが大好きです。研究によって海の世界の新しい知見が得られますよう、そして子供たちの世代にも命あふれる豊かな環境を残してあげられるよう期待しています。
<バイオロギング支援基金>
******** 2020年12月17日 10,000円 とても夢のある研究だと思います。ウミガメが天気予報の手助けをしてくれる日が来るのを楽しみにしています。
<バイオロギング支援基金>
******** 2020年12月11日 30,000円 海の生き物の不思議がさらに解明されていく、とてもわくわくするプロジェクトだと思います。生き物が大好きな娘たちも一緒に、家族で応援しております。
<バイオロギング支援基金>
******** 2020年12月07日 10,000円 ささやかですがお役に立てれば幸いです。
<バイオロギング支援基金>
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プロジェクト設置責任者

大気海洋研究所 行動生態計測分野
教授
佐藤 克文

今年度寄付総額
566,000円
今年度寄付件数
16件
現在の継続寄付会員人数
5人

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東京大学へのご寄付には税法上の優遇措置が適用されます。

ご寄付の特典

「東京大学基金」の特典が適用されます。

このプロジェクトの特典

継続的なご支援への特典(年1回で1万円以上のご寄付の方)

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昨年のカレンダー(毎年内容が変わります)

 東大基金のアニュアルギフト(https://utf.u-tokyo.ac.jp/htd/annual)をご利用いただき、「毎年支援する」を選択し、年間1万円以上のご支援をいただいた方に特製カレンダーをお送りいたします。これは、野外調査に臨んだ研究者たちが撮影した動物写真を使って作られたものです。
 毎年10月末までにお申し込みいただいた方にその翌年のカレンダーをお送りいたします。また、 アニュアルギフトを継続していただいている間は毎年お送りいたします。毎年カレンダーの中身も変わりますので、継続的なご支援をよろしくお願いいたします。

一括3万円以上のご寄付への特典

20201125170008.png※クリックで拡大できます。

 バイオロギング特製カレンダーに加え、バイオロギングクリアファイルと、バイオロギングを担う若手研究者が作成したウミガメ研究記(シール付き)クジラ研究ワークブック(シール付き)の絵本からなるバイオロギンググッズセットをお送りいたします。

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※クリックで拡大できます。

一括10万円以上のご寄付への特典

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タグを装着したウミガメ。タグの装着がウミガメに悪い影響を与えることはありません。

 岩手県で我々が行っているウミガメモニタリングでは年間数十から百頭ほどのウミガメ亜成体を捕獲し、標識を付けて放流しています。このウミガメがどこかで再び捕まったときにその行き先が分かります。このモニタリング用のウミガメに名前を付けていただくことができます。また、名付けていただいたウミガメの行き先が判明した場合にはメールなどでお知らせいたします。  ご希望の方は申込の際のご意見欄にウミガメに付けたいお名前をご記入ください。なお、ウミガメは大人になるまで性別が分からないので、男の子の名前を付けてしまったカメが、産卵のために砂浜に上陸した(雌だった!)という事も起こりうることはご了承下さい。 20201125173248.png※クリックで拡大できます。

一括100万円以上のご寄付への特典

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人工衛星発信機を装着したウミガメ

 人工衛星発信器を装着し、様々なデータを収集してくれるウミガメに名前を付けていただくことができます。あなたが名付けたウミガメが大海原を回遊します。回遊経路はHPで随時公開いたします。ご希望の方は申込の際のご意見欄にウミガメに付けたいお名前をご記入ください。その際にはモニタリング用のウミガメと発信機付きウミガメのどちらのお名前かがわかるようにご記入いただければ幸いです。20201125173332.png※クリックで拡大できます。

東京大学へのご寄付には税法上の優遇措置が適用されます。

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