
ミュオグラフィ
なかなか聞き慣れない言葉だと思います。実は東京大学が世界をリードする最先端透視技術なのです。宇宙から降り注ぐ宇宙線が地球大気に衝突するときに発生するミュー粒子(ミュオン)を使って、地球の中を透視する技術です。人間の体を透視するX線が骨で止まるように、ミュオンは岩盤によって透過率が違います。この特性を活かして古墳や火山の中を透視して内部構造を画像化する技術がミュオグラフィです。「地球のレントゲン」であり、様々な応用が期待されています。
本プロジェクトはミュオグラフィをもっと多くの人々に知っていただくための活動の一環です。この高度な技術を多くの人々に知っていただくには、先ずミュオグラフィを絵画などのアートに置き換えて関心をもっていただこうと思いつきました。誰もが親しめるアートを通じて、ミュオグラフィのような先端科学技術から太古の古墳、そして火山のような地球の内部まで、文理にまたがる幅広い関心を喚起することで、リベラルアーツ(教養)教育が可能となります。リベラルアーツはより深く専門分野を探求するための礎になります。
多くの人々に、とりわけ若者たちに、最先端科学や文化遺産等々の魅力に気付きを与えるミュオグラフィリベラルアーツの取り組みにご支援を賜りますようにお願い申し上げます。
火山ミュオグラフィ
ミュオグラフィとは、巨大物体を透視できる最先端技術です。ミュオグラフィは、X線透視と原理が全く同じですが、X線を使わずに宇宙から飛んでくるミュオンを使います。つまり、ミュオグラフィは、巨大物体版レントゲン写真のようなものといえます。 東大が世界に先駆けて成功させた火山透視により、火山より小さいものならば、どのような大規模構造体でも可視化できることが実証され、福島原発のメルトダウンやギザの三大ピラミッドの透視など、さまざまな領域で応用がはじまっています。
また、ミュオグラフィは世界中どこでも同じ装置で透視をすることが可能です。セーフティ、エネルギー、文化遺産等、世界各国が有する問題にユニバーサルに取り組むことができる点が特徴です。
中島裕司:「火山とミュオン」
プロの画家によるミュオグラフィアートです。 この絵は、ミュオグラフィの装置によって
透視された薩摩硫黄島をモチーフに、作家の感性と絵画技術で制作されました。
ミュオグラフィアートは、ミュオンやその応用をアートで表現し、そのままでは難しく受け取られがちなミュオグラフィについて一般の方々にもわかりやすく面白くお伝えし、ミュオグラフィに関する知識を広く知っていただくことを目標としています。
ミュオグラフィをきっかけとして、老若男女問わず多くの人に最先端科学に興味を持っていただき、それが科学への理解や感動へとつながっていくことを目標としています。特に若い世代には、科学やアートをより身近に感じ、将来の選択肢を広げるきっかけにしていただければと思い、活動しています。
グランフロント大阪での展示の様子です。
プロとともに若手アーティストも初期から参加しています。
■質の高い教育への貢献(目標4) 国連大学で開催されたミュオグラフィに関するシンポジウムを主催するなど、この分野を世界的にリードしています。
■ワークショップの開催(目標4・5) 老若男女問わず多くの人に最先端科学に興味を持っていただくため、ワークショップを多数開催しています。
■文化度の高い都市づくりに貢献(目標11) ミュオグラフィによる古墳内の透視などを行い、新しい視点から文化遺産を理解することで、古代、現代、未来をつなぐサステナブルな都市づくりを目指しています。
本プロジェクトにより、ミュオグラフィアートを通して一般の方々が最先端科学に興味を持つことを目指しています。お寄せいただきましたご寄付は、日本有数の古墳地域である大阪や岡山地域での古墳透視のための実験費用並びに同地域における展示会、講演会、冊子作成などの各運営費用に活用させていただきます。
本プロジェクトでは古墳の透視に着手しており、装置は準備済みですが、実際に透視をするには、電気代や装置の移動費など、経費が重なります。古墳の透視という新しい取り組みを成功させるためにも、皆様のご支援をお願い申し上げます。
今後も応援コメントを掲載していきます。
ミュオンは、宇宙のかなたから飛んできた宇宙線が地球の大気(酸素、窒素など)に触れたときに発生する素粒子です。地上には、手のひらサイズ(10cmx10cm)に1秒間に1個の割合で降り注いでいます。言い換えれば、寝ている間(約8時間)に人の体を100万個突き抜けていますが、人体には悪影響はありません。ミュオンにはキロメートルに及ぶ岩盤を通り抜ける貫通力がありますが、X線が骨で止まるのと同様に、ミュオンも一部の岩盤などを透過しにくいため、その透過率の違いを使って内部構造を画像化できます。
宇宙のかなたで超新星ができるとき、各種の宇宙線が発生します。
それが地球の大気圏に届くと空気に衝突し、ミュオンが発生します。
東京大学国際ミュオグラフィ連携研究機構
〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1
Email:ht@virtual-muography-institute.org
sumiya@virtual-muography-institute.org
2023年02月27日(月)
ミュオグラフィアーツプロジェクトは、ミュオグラフィとアートをきっかけとして、老若男女を問わず多くの人に最先端科学に興味を持っていただき、それが科学への理解や感動へとつながることを目標としています。また、特に若い世代には、科学やアートをより身近に感じ、将来の選択肢を広げるきっかけになることも期待して活動しています。2022年は、東京大学のミュオグラフィリベラルアーツプロジェクトと関西大学のミュオグラフィアートプロジェクトとの共同で、さらには駐日ハンガリー大使館および駐日欧州連合代表部による実行面での多大なる協力で以下のような活動を行いました。2022年11月10日(木)
サイエンスアゴラは、科学技術振興機構(JST)が主催する日本最大級のオープンフォーラムです。今年のテーマは、「まぜて、こえて、つくりだそう」です。すなわち集まった人々の知恵をまぜて、今ある枠組みや思い込みをこえて、よりよい未来をつくることに挑戦するフォーラムです。東京大学ミュオグラフィアーツプロジェクトは、関西大学ミュオグラフィアートプロジェクトならびにプロのアーティストとの連携で、ミュオグラフィを一般の方々により深く理解していただくため駐日ハンガリー大使館と駐日欧州連合代表部の2つのブースに出展しました。
1. 駐日ハンガリー大使館のブース
「最先端ミュオグラフィとそのアート」
https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/2022/booth/103.html
このブースでは、東京大学国際ミュオグラフィ連携研究機構が推進しているミュオグラフィとその成果物である火山の透視の結果をパネルで展示しました。また、その成果物を芸術家によるアートで表現した絵画をパネルにして展示しました。さらに、ブースでは、親子連れの子供たちにも科学に親しんでいただくことを目的にクレヨン、色鉛筆で実際ミュオグラフィアートを描いてもらいました。その結果たいへん人気のブースとなりました。子供、学生から一般の方々にミュオグラフィをより身近に理解していただけたと思います。
【リンク】
(1)展示の訪問者などの説明ホームページ
https://wps.itc.kansai-u.ac.jp/ku-map/?p=4505
(3)参加者がブースで描いたミュオグラフィアート38作品
https://wps.itc.kansai-u.ac.jp/ku-map/?p=4479
2. 駐日欧州連合代表部(日・EU)のブース
「日・EUの共同研究での体験!新しい発見」
https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/2022/booth/110.html
このブースでは、日本とEUとが科学技術の分野で一緒に研究をするとどのような成果がだせるのかを展示しました。ここでは、3つの大学の共同展示です。京都精華大学の「FishSkin」プロジェクト、新潟大学の「POISE-IRUEC-ExpoSeed」プロジェクト、そして東京大学の「Muography」プロジェクトです。
我々の展示は、ミュオグラフィの応用とそのアートならびに現在進行中の古墳ミュオグラフィの展示をしました。ミュオグラフィの分野では、日本と世界の研究機関が連携して国際的に活動をしていることを来場の方々に理解いただいたと同時に、考古学の分野である古墳の透視にも新しく展開していることを理解いただきました。
【リンク】
(1) 展示の様子の説明ホームページ
https://wps.itc.kansai-u.ac.jp/ku-map/?p=4556
(3)会場での展示の前にサイエンスアゴラオンラインによる国際パネル講座
https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/2022/online/20-b17.html
2022年11月10日(木)
「あかりパーク」という名のイベントは、上野恩賜公園噴水広場で毎年開催されています。今年のテーマは、「カーボンニュートラルと光」でした。ミュオンは、光の性質があり、宇宙エネルギーでもあります。東京大学ミュオグラフィリベラルアーツプロジェクトは、そのミュオンを使ったミュオグラフィに関する基礎、応用、そしてアートについて展示しました。東京大学は、ミュオグラフィの分野でハンガリーのウイグナー物理学研究センターと共同研究体制にあります。そのため今回の展示は駐日ハンガリー大使館が全面的に支援してくださいました。また、アートの実例として、画家の中島裕司氏ならびに関西大学の学生の作品をパネルにして展示しました。
点灯式では、駐日ハンガリー大使館の特命全権大使であるパラノビチ・ノルバート氏によるミュオグラフィとアートについてのすばらしい挨拶がありました。また、我々の展示ブースには子供から高齢者、海外からの旅行者など極めて多くの方々が訪れました。今までミュオグラフィのことを知らなかった方々が、今回の展示を見、説明を聞くことによってミュオグラフィのことを少しでも知り、人類への有用性を理解していただければこれに勝る喜びはありません。
【リンク】
(1)展示の訪問者などの説明ホームページ
https://wps.itc.kansai-u.ac.jp/ku-map/?p=4530
(2)展示を解説したYouTubeビデオ(1:03)
https://www.youtube.com/watch?v=U2Ad17qmzss
(3)駐日ハンガリー大使館特命全権大使パラノビチ・ノルバートのスピーチと会場風景のYouTubeビデオ(8:13)
https://www.youtube.com/watch?v=JaoDSu1Cpr8
(4)会場での展示の前にサイエンスアゴラオンライン講座で解説したYouTubeビデオ(1:06:47)
2022年07月01日(金)
(1)「ミュオグラフィアート展2021」
「ミュオグラフィアート展2021」をグランフロント大阪で2021年8月に予定しておりましたが、新型コロナウイルスの影響で延期しました。
この展示会にはアーティスト30人が参加しており、完成した作品はホームページで公開しております。ぜひご覧ください。
作品はこちら
その後、延期した「ミュオグラフィアート展2021」を「リベンジ・ミュオグラフィアート展2021」として2022年3月16日(木)から3月21日(月)まで開催しました。
開催の様子はこちら
また、それらの作品をまとめたアート集(冊子)発行しました。
(2)ハンガリー大使館ホッスー様、ミュオグラフィアート展見学とアーティストとの交流
ハンガリーのウイグナー物理学センターと東京大学国際ミュオグラフィ連携研究機構はミュオグラフィの共同研究を推進しています。
今回、ハンガリー大使館の科学・技術の参事官ホッスー・ホルテンズィア女史が来阪し、展示会の視察とアーティストなどとの交流を行いました。また、関係者とのミーティングでは、これまでの日本とハンガリーの交流、今後の我々との交流の推進など和やかに話し合いました。
詳細はこちら
(3)ミュオグラフィ講座の開催
参加アーティストにミュオグラフィを理解してもらうためのZoom講座を2021年3月7日から2021年12月6日までに計6回開催しました。
聴講者:各15名x6回=のべ90名参加
詳細はこちら
(4)ナレッジキャピタル主催 講座開催(2021年11月21日)
テーマ「火山やピラミッドの中も透視できる!ミュオグラフィを学ぼう}
聴講者:小学生親子15組x2回
詳細はこちら
(5)ミュオグラフィアート展「宇宙からの贈り物」の開催
ミュオグラフィアート展「宇宙からの贈り物」を開催しました。
また、このミュオグラフィアート展の3D画像と動画を作成しました。
日時:2021年5月13日~6月4日
開催場所:ハンガリー文化センター
詳細はこちら
3D画像・動画はこちら
(6)岡山の造山古墳のミュオグラフィ透視の実施
2021年4月24日から継続測定中
詳細はこちら
関西大学による造山古墳のドローンによる空撮 ①
造山古墳のドローンによる空撮 ②
造山古墳のドローンによる空撮③
(7)最先端ミュオグラフィの原理と応用のYouTubeビデオ製作
最近のミュオグラフィは、大きな発展をしています。このビデオは最近の我々の研究および広報活動を約13分にまとめました。ミュオンの生成、ミュオグラフィならびにミュオメトリックの原理から応用、そしてこれらをアートで表現した作品が含まれています。
詳細はこちら
2021年11月12日(金)
東京大学基金活動報告会2021 第2部オンライン交流会グループCの冒頭にて行いました、プロジェクト活動報告の動画です。
2021年01月21日(木)
ミュオグラフィアート展2020を、2020年8月25日から8月31日までグランフロント大阪「The Lab.みんなで世界一研究所」内アクティブスタジオで開催しました。アーティスト27人の新作品を展示しました。これらの作品は、ミュオンやミュオグラフィに関するアートです。さらに、会期中にYouTubeライブで科学者および参加アーティストのインタビューを流しました。それらのすべてを下記のYouTubeに登録しています。
https://wps.itc.kansai-u.ac.jp/ku-map/?p=3244
新型コロナの影響下で参加者は数百人と少なかったのですが、新たにYouTubeライブ以外にも3Dバーチャルミュージアムなどをホームページ上で公開するなど新しい広報手段を取り入れました。
https://wps.itc.kansai-u.ac.jp/ku-map/?p=3270
その結果、新型コロナ下で規制の多い会場でしたが、評判の良い展示会となりました。
お寄せいただきましたご寄付は、インタビュー用マイク購入に活用させていただいたほか、今後は東大岡山地区社会連携センター、ハンガリー文化センターにおける3Dバーチャル画像の撮影、ミュオグラフィ装置の移動、電源工事、特殊ガスの購入などに活用させていただく予定です。引き続きご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
年々新たな挑戦に成功するミュオグラフィの将来が楽しみです。
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
リベラルアーツの重要性がビジネスの世界でも認識され始めているようです。
世界をリードしてください。
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>
<ミュオグラフィ リベラルアーツ基金>